プロム書きかけ ぼーっとしていたかと思えば突然慌て出したりと、プロムまでの日々、フリスクは挙動不審だった。
フリスクをプロムに誘ってくれる男子学生もいたが、そんな調子で「先約があるから…」と断ったりしたものだから、ついに口説き魔の親善大使に本命が現れたのかとちょっとした噂になっていたらしい。
そしてとうとう迎えた当日。パーティーは夜から開始のため、フリスクは友人達と昼過ぎから集まっておしゃべりに花を咲かせていた。陽はもう傾き、そろそろ仕上げにかからなくてはならない頃合いだ。
「へえ、それってもしかして尻尾の穴?」
「そう!特注なの」
「ウソウソ、電源入らない!」
「何?アイロン?ストレートのならあるわ」
「フリスク!お手洗いってどこ?」
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