白無垢の恋「将を射んと欲すればまず馬を射よ!というわけで灰原くん、対戦よろしくお願いします!」
とある秋日和の朝、登校してきた灰原を見知らぬ女子が教室で待ち構えていた。リボンの色から察するに三年生。入学してから約半年、決闘を申し込まれる謂れはなかった。
「あの…決闘じゃないので話だけでも聞いてもらえたら…」
後ろから小声で話しかけてきたのはクラスメイトの女子生徒。三年生との関係性を聞くと同好会の先輩後輩だと答えた。
「同好会?」
「そう!我らが被服同好会!今度の文化祭でファッションショーをするんだけど、それに七海くんに出てほしいと思って君のところに来た!」
「…だったら僕じゃなくて七海の所に行けばいいのでは?」
「彼にはあっさり断られたよ!」
1967