果たしてこの七は灰ルートにいけるのか生まれ変わってみんな幸せに暮らしました、めでたしめでたし。とはいかないもので。いろいろあって転生した今、五条と夏油は別の学校に通っている。
「ありえねーよな」
五条は愚痴ってきたが、その事実を聞いた時は「だろうな」としか思わなかった。ここ−五条が自分が通うために作った元呪術師たちの集まる通称呪術高校−に通うには、夏油には自業自得の敵が多すぎる。
だが数日もしないうちに七海も似たようなことを呟くことになった。夏油さんの件は彼ににとって序章に過ぎなかったのだ。何が起きたのかというと、何も起きなかったのだ。灰原が呪術高校に来なかった。正確には、灰原が夏油の通う高校に入学した。何故かと本人を問い詰めても「こっちの方が味方が多いから」なんてよくわからないことを言う。灰原たちの高校に転校することも考えたが実行には移せず、寂しさを覚えながらも七海は学生生活を送っていた。
1995