君しか勝たん「〝初デート終わりにスマホの充電が70パー以上残ってたら、スマホが気にならなかったぐらいデートが楽しかった合図。告白するのが吉!〟……やって」
「マッ、じゃあおいちゃん誰にも告れねえわ」
「どないしょ、…俺もや…?」
「いや何お前ら10代の子向けの恋愛アドバイス真に受けとんねん。……でも俺も誰にも出来へんわ…何せんでも4時間しかもたん…」
「盧笙の場合は機種の問題もあるけどな。」
「えっ……、待って…?…じゃあ盧笙がドンキ帰りに俺に告ってくれへんのもしやAndroidのせい……?アカン。こうしちゃおれん、HEY、れー」
「OK。盧笙、お前、絵文字問題もあるから丁度いい機会だ、iPhoneにしろ」
「……。…あ、でも、ほら…iPhone本体からして高いし…なんやプラン?とかも色々あるやん…?で、2年で買い換えなあかんもんなんやろ?んー…今のは確かにもう4、5年は使こてるけど全然動くし…」
「HEY、簓」
「ハイ、圧倒的でパワフルな盧笙の常識を一変させる素晴らしいiPhoneを三日以内にご用意致します。もちろん無料、で。」
「いやCMのマネうまッ!」
「まぁ〜、あとアレだ。盧笙の場合、バッテリーの減りが早いの、こいつが性能悪いGPSアプリ仕込んでるのもあるだろ。どうせ、アッチの国のなんだっけ、アレ、あのアレ、アレがベースのヤツだろ。どうせ。駄目だろ〜?、そういう大事なモンは開発、までは言わねえが、せめてオーダーメイド発注で買取、が、基本だぜ」
「零空気読めアホンダラ盧笙の顔」
「…否定はせんのやな?」
「……。」
「キャメルクラッチ、」
「分かった、わかったわかったわかった!なんでもして!でもその前に、ファミリー割!?ファミリー割!で!俺が親!盧笙、子の設定!それで!それでどや!?」
「何が…?」
「ハッ、確かにオフィシャルな、見守りサービス?プラン?ほど安心なモンはねえ、が。いやいや空気読もうぜ〜簓クン。今から俺印のスペシャルGPSアプリについてのセールストーク聞かせてやろうと思ったのによ〜。性能はバッチリ実践、証明済みだぜ?」
「……お前が度々ロケ先に現れんの、やっぱ、そういう事やんな」
「なんとこのアプリ、センセイのオンボロスマホでも使えます、はい、盧笙、今盧笙の家〜」
「……。」
「ろ…盧笙…?」
「いや……なんや…中山さん達に見して貰った雑誌の内容思い出してなぁ…。」
「はぁ…?」
「今どきの子らって恋人とか友達とか、お互いのスマホにそういう位置アプリ?入れあって〝アイツ今ここにいるんだ〜〟…って相手を想うのがやりらふぃーって書いてたな、て…」
「ン…?」
「いや、正直、簓の聞いた時はいつもの発作や思ってとりあえず駱駝固め思たけど、……もしかしてお前ら…俺の事大事に想ってくれとる……?」
「そやで!!!?」
「ウン、多分そー」
「お……、俺も入れたいGPSアプリ…」
「盧笙…!」
「いやお前の機種じゃ大概色々無理だ、まず機種変」
「……。」
「零、お前…!盧笙しょんぼりしてもうたやんけ!?」
「や、だって俺、盧笙のスマホ情報見て、いや、あ?は?って変な声出たもん。結果ソースコード探してくるだけで半日潰れた。ヤダ。」
「アア!?なんとかせえや…!」
「や、だったら手っ取り早く機種変しようぜ。うん、」
「したほうが…ええ…んか…?」
「ろっ……──待って、分かった。明後日までに最新のフルスペックでいっちゃんでっかいやつ用意すんな〜?俺もこの機に買い換える〜おそろい〜」
「え、やだ、iPhone 13 Proだろ、デカイ、ヤダ」
「お前の意見なんて一個も聞いてへんから黙ってろや」
「あ、…お、俺もデカイのは困るなぁ…荷物多いし…」
「あ、iPhone…SE…2…?」
「おお、いいよなSE2〜、やっぱあれぐらいのサイズが丁度いい、それだと…ウン。あ。おいちゃんSE2結構持ってっから、このままだとお前ら専用と仕事用、区別つかねえからどうせだし、いっちょカバーもおそろいにしようぜ」
「なんでお前が一番乗り気やねん、絶対お前とお揃いとか嫌やわ」
「スマホカバーか……あ。二宮さんのお姉さんがオーダメイドのスマホカバー作ってくれる店で働いとる言うてたな…。」
「……、分かった。ドコや。」
「ウメダの、あ〜…、明日聞いとくわ、改めて…」
「んー、俺、明々後日なら一日行ける〜。簓クンそれまでに用意できる?」
「余裕じゃカスが」