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    5oma_n

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    アレックスしないと出られない部屋に本編ロドと30年後ロド詰める話、完全にこの流れから進めなくなったので現在書き直ししてます。こちらのルートは供養ということで置いておきます。きちんと書いてまたあげますので暫しお待ちを!!

    「ウワー知ってるこれ!セックスしないと出られない部屋だ!!」
    「セックスしないと出られない部屋!?」
    「そのままだよロナルドくん!ご覧、扉の上にでかでかと掲げられた看板を!!」
    「う、うわああぁ書いてある!!」
    バタンと大きな音を立てて閉ざされた扉の上、ゴシック体で記された注意書きの看板には「セックスしないと出られない部屋」というトンチキな文言が記されていて、ロナルドとドラルクは揃って悲鳴をあげた。

    ふたりがそういう関係になって数ヶ月が経つが、死にやすい吸血鬼の身体を拓くというのは大変な困難を極めるものだった。またロナルドは血気盛んな若者であるが故、挿入に至るまでに誤射してしまう日々を繰り返してしまう。そんな中、どうにか行為の最後までに至るようになった矢先の出来事に、ふたりは頭を抱えつつもこの大いなる大義名分を得たことに深く感謝せざるを得なかった。如何せん、ムードの作り方を知らない若造と、知識だけは蓄えてしまった吸血鬼とでは事に及ぶまでに時間を要することが多い。やれ寒いから棺桶に入らせろだの、ジョンが寝たからいいだろうだの、雰囲気を作るのが下手にも程があり、それはどちらにも言えることではあった。
    そんな中、吸血鬼退治を終え帰路に着くふたりの前にプレハブ小屋を模した姿の吸血鬼が現れたのだった。吸い込まれるようにして取り込まれた吸血鬼の体内は、そんなふたりにとってまさに渡りに船といえるものであった。
    お誂え向きに設置されたベッドはキングサイズよりも更に大きなものに見える。ご丁寧にも枕元のヘッドボードには様々なサイズの避妊具の箱が並び、いかにもといったデザインのローションボトルが鎮座していた。
    ドラ公、と名を呼ぶロナルドの声が、緊張からか震えているのが分かる。ちらりと見遣れば抜けるような青い瞳と視線がかち合った。ロナルドくん、と退治人の名を呼びかけたところで、バタンと大袈裟な物音を立てながら扉の開く音が聞こえ、ふたりはそれこそ飛び上がって驚いた。ドラルクはさらりと半身か砂になる。
    「おや、可愛い頃の私じゃないか!」
    「今も可愛いけどな」
    「ウッフフ、あどけなくて瑞々しい頃の君もいる!」
    「なに、若い頃の方が良かった?」
    「やだなぁ、今も昔も変わらず君のことは愛らしいと思っているよ」
    「はは、知ってる」
    現れたふたりの男の姿を前に、ロナルドは悲鳴をあげドラルクはその全身を塵にさせた。まるきり数十年分の時を経たと思われる自分たちの姿がそこにあったからだ。加齢していると思われるにも関わらず、ロナルドの体格は現代のその姿よりもひと回りほど良くなっている。しっかりと蓄えられた筋肉の上に程よく脂肪が乗り、色男然とした顔立ちは細かな皺が目立つものの充分に若々しさのあるものだった。その隣に佇むドラルクは、現代の姿と比べると随分シンプルな装いに身を包んでいた。こざっぱりとしたベストにスラックス、腰まで伸びた後ろ髪がゆらりと艶めかしく揺らめいている。一見すると現代の姿とあまり変わらないように見えるものの、目尻や口元には薄らとした皺が走っていた。そんなふたりは先程のロナルドたちと同様に、ドアの上に掲げられた看板をまじまじと眺めると施錠されたドアのノブを数回回し、先客たるロナルドたちの姿を認めると小さな溜め息をついた。
    「ポンチ吸血鬼のくせに時間操作まで出来ちゃうときたか、なかなか厄介だね」
    少しばかりの歳を重ねた姿のドラルクは、その長い後ろ髪をくるくると指に絡めながら混乱を隠せないでいる年若いふたりを見遣る。その視線が明らかに楽しんでいるのがわかり、現代のドラルクは塵から姿を取り戻しながら苦々しい表情を浮かべた。
    「なぁにが厄介だ、愉しそうにしているくせに」
    そんな表情のドラルクが、髪の長いドラルクと対峙する。真正面にたたずむドラルクは、指に巻き付けていた髪をそっと離すとにんまりと笑みを浮かべてみせた。
    「わかってるなら話は早い。ほら、さっさとすることしちゃおうじゃない」
    「ミ゜ッ」
    シュ、とドラルクが自身のネクタイを緩めて引き抜けば、それを目の当たりにしたロナルドが奇声を上げた。その姿に目を丸くした壮年の男ふたりは顔を見合わせると、片方は懐かしいねぇと笑いもう片方は情けねぇなぁと額を押さえて見せた。
    「若い頃の俺って、こんな童貞が服着て歩いてるみたいだったっけ」
    「良いじゃない初々しくて。ねぇ、私?」
    「……知ったふうな口を聞かないでいただきたいんだが」
    「知ったふうじゃなくて、知ってるんだよ。まだまだ深い関係じゃない頃だよね。探り探りで触れては確かめ合ってた頃だ、懐かしいよ」
    ねぇ、と長い髪のドラルクが、歳を重ねたロナルドへと身体を寄せる。当たり前のようにしてその細い腰に大きな手のひらが添えられるのを目の当たりにして、ロナルドとドラルクとは揃って目を白黒させた。するすると手のひらが腰を滑り臀部へと辿り着くが、ドラルクはそれを気にも留める様子は無い。まるでそれが当たり前であるかのようにして厚みのある肩へと頭を預けている。
    「この頃の私ったら、こんなに可愛かったっけ」
    「可愛い可愛い。でも可愛さで言ったら、今の方がもっと可愛いかもなぁ」
    「うふふ、ありがとう」
    す、とドラルクの顔が上を向くのと、ロナルドが僅かに顔を傾けるのとはほぼ同時のことだった。あまりに自然に彼らの唇が重ねられるものだから、まだ関係の浅いふたりはそれが口づけであると認識するのが一瞬遅れてしまった。ちゅ、とリップ音が響いたことではたりとドラルクが我に返り、目の前で繰り広げられた行為の衝撃から砂になった。
    「あっはっは、おぼこいねぇ。目に毒かも知れないから、別々にセックスした方がいいかも知れないね。という訳で、お風呂入ろっかロナルドくん」
    「おう。じゃあそっちの俺らも、落ち着いたらおっぱじめていいからな」
    「オ゜オ゜ッ!?」
    ひらひらと手を振りながらふたりは浴室へと姿を消した。消したと言っても浴室自体がガラス張りになっているため、脱衣所にいるふたりの様子は丸見えになっていた。ドラルクがベストとシャツの釦を手早く外せば、それらをロナルドが脱がしていく。あらわになった背中に結えられた髪が揺らめく様がどうにも蠱惑的なものとして若き退治人の目に映った。
    「気に食わん」
    虫の居所が悪いといった表情でぶすくれたドラルクが呟く。嫉妬でもさせてしまったか、とロナルドが焦り半分喜びも半分でドラルクを見遣れば、吸血鬼は面白くないとばかりにがしがしと頭を掻き毟っていた。
    「な〜んだあの私の余裕の顔!いや勿論私だから?可愛いのは当然だけど?今の私よりも愉しいこと知ってるって表情のあの小憎たらしいこと!!」
    そう思わないかい、とドラルクがロナルドを見遣れば、そっちかよ、と退治人はあからさまにげんなりした表情を浮かべて見せた。享楽主義の吸血鬼は、それが幾ら自分であろうとも、大いなる愉しみを見つけ優位に立っている存在が気に入らないらしい。
    「腹立つからこのままベッドでローションプレイでもかましてやろうか」
    「ロッ……!」
    「好きだろう、ローション。ぬるぬるのぐちょぐちょにして、あっちのふたりがベッドなんて使えないようにしてやろうじゃないか」
    ドラルクはその細い指でローションボトルを掴みあげると、ロナルドに向けてそのボトルを突き出した。普段であれば物音や汚れに充分すぎるほど注意をしながら事に及ばなければならないが、なにせ今回はそういった心配をしないで済む。使ってくれと言わんばかりに備え付けられたものは、有難く使わせてもらうに限るとドラルクがそのボトルキャップを外そうとした時だった。ガラスの扉で閉ざされたはずの浴室から、中年の男たちが楽しげに笑う声が響いてきた。
    「あっはは、何これ、マットがある!あれかなぁローションマットプレイも出来ちゃうってやつなのかな」
    「いいぜ、やってみるか。浴室暖房付けといたから寒くないだろ」
    「ノリが良いねぇ流石だねロナルドくん。あ、そっちの私たちも後でやってみる?」
    広々とした浴室内、長髪のドラルクは壁に立て掛けられたビニールマットを床に敷きながら手を振っている。よく見れば浴室に備え付けられたローションボトルも同じ種類のものらしく、それに気が付いたドラルクは手にしていたものをぼすんとベッドに投げ捨てた。だぁれがやるか!と吐き捨てるようにして悪態づいたドラルクは、そのまま荒々しくベッドへと腰掛ける。ロナルドはローションプレイの夢が儚く散ったことを悟り、がくりと肩を落としながらその隣へと腰を下ろした。体重差があるために深く沈み込んだロナルドの側に、ドラルクの痩躯がしなだれかかる格好になる。苛立ちによる興奮状態にあるからだろうか、吸血鬼の薄い身体は普段よりも体温が高くなっているようだった。
    「……ドラ公」
    とん、と肩をぶつけるようにしながら名を呼ぶが、むっつりと押し黙ったドラルクは返事をしない。
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