後悔先に立たず
どうして俺はこうなのか。
やつが藍忘機を庇った時も、蓮花塢が落ちた時も、金丹を失い絶望したときも
やつが温氏の残党を匿った時も、捨てろといった時も、姉を失い絶望したときも
本当は迷わず手を差し伸べられるあいつを尊敬していた。
本当は傍にいてくれることがとても心強かった。
本当はあいつも俺と同じくらい絶望しているとわかっていた。
どうして俺はこうなのか。
一緒に手を差し伸べたかった。
罵るよりも傍にいてくれと叫びたかった。
あいつの気持ちも慮るべきだった。
姐が父が、生前ずっと諭していてくれたのに。
俺はついぞ自分の口を塞ぐことが出来なかった。
あいつは俺のことを一番理解してくれているからと甘えてしまった。
728