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    hariyama_jigoku

    リス限はプロフ参照。

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    hariyama_jigoku

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    リドフロ。

    ##ツイステ

    .

    リドルのロッカーが開いていた。鍵はかけていたはずだが、強引に抉じ開けられている。中は整然と物を置いていたはずだが、荒らされたせいで見る影もない。ぐらぐらと怒りで視界が赤く染まった。
    「誰か、この部屋に始めに入ったものはいるかい!」
    声を荒げるとおずおずと一人の生徒が名乗り出る。怒りをどうにか押さえつつ、この部屋に入る際に不審な人影を見なかったかと尋ねた。
    「いや、部屋はこのままだったけど…」
    「それならいいんだ。ちなみに疑っているわけではないんだが、僕のロッカーに何かしたのは君ではないね?」
    一応の確認とばかりにそう言うと、生徒は少し顔を青くして横に首を振る。
    「そうか、呼び止めてすまないね」
    ため息混じりに返すと、そそくさと生徒は自分のロッカーの前へと戻っていった。
    改めて自分のロッカーの中身を確認していく。記憶の限り物が取られた形跡はなく、増えたものもない。実に不可解だ。
    苛立ちが募るが、今は犯人捜しをしている時間はない。次は飛行術の授業があるのだ。速やかに着替えて運動場まで出なければいけない。一分たりとも遅刻することは許されないのだ。
    なんとか仕度を終えて、箒を持ってロッカーを閉める。三重に防御魔法をかけて、部屋を出ようと踵を返した。
    「金魚ちゃーん、何かあったの?」
    どんっ、と長い足が壁を蹴り、進路を遮られる。相手の顔を見上げ、睨み付けるとその相貌がへらりと崩れた。
    「フロイド、君には関係ないことさ。退いてくれ。あと僕を金魚と呼ぶのはやめろ!」
    「えー? だって本当じゃん、ほらまた真っ赤~」
    頬を突こうとする手を払い落とす。同じ一年のフロイド・リーチは時折やたらとリドルに構ってくることがあった。構うと言っても、からかいを含んだそれが腹立たしくないわけがない。何度やめるよう言っても聞かない、厄介なオクタヴィネル寮生。それがリドルのこの男に対する認識であった。
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    hariyama_jigoku

    DONE鋭百小説(鋭百々)。付き合ってていちゃついてる二人。互いの無意識の話。
    侵食 ちゅ、ちゅ、とリップ音が鼓膜を舐めるように繰り返される。くらくらと、その度に指先から全身に火が点っていくようだった。無意識に腰が引けるが、腰に回された腕が程よくそれを妨げている。
     眉見の肩に手を置くと、それを合図と思ったのか殊更ゆっくり唇が合わせられた後に緩慢に離された。吐息が濡れた皮膚に当たって、妙に気恥ずかしい。口と口をくっつけていただけなのに、なんて女の子みたいなことは言わないが、一体それだけのことにどれだけ没頭していただろう。腕がするりと離れ、柔らかなベッドに手を置いて体重をかける。
     勉強会という名目だった。元より学生の多い事務所では、勉強会がよく開かれている。C.FIRSTは専ら教え役だったが、S.E.Mなど加われば話は別だ。いつしか習慣と化したそれは、ユニットの中でも緩慢に続いている。事務所に行くだけの時間がない時。例えば定期テスト中―――下手に行けばつい勉強が手に付かなくなってしまう―――とかは、互いに課題を持ち寄って百々人は秀の、眉見は百々人の問題を見る。最初は二人が眉見に遠慮したものの、受験の準備になるからと押し切られる形になった。今日もそうなる予定だったが、秀が生徒会の仕事で欠席することを知ったのがつい一時間ほど前である。今日はやめておくかと聞こうとした百々人に、眉見が自分の家に来ないかと持ち掛けて今に至る。いつもは何かと都合の良い百々人の家だったのだが、一人で来るのは―――それこそ二人が付き合い始めてから来るのは初めてだった。
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