信じなきゃ伝わらないもの/kksgちょうどリーグ部の部室に2人きりになった。これはチャンスだと思って、オイラの気持ちをそのままスグリへ伝えたんだ。でもスグリは、少しだけ低い声でこう答える。
「何考えてるか、わかんね。」
意を決したオイラの告白は、こうした彼の素っ気ない返事で終わってしまった。
帰省からリーグ部へ戻ってきたスグリは、どこか様子が違っていた。その違和感は、どんどん性格や風貌にも反映していき、オイラに勝ってチャンピオンになった頃には、今までのスグリはどこにも姿を見せなくなっていた。
キョーダイが留学してきてからは、特にオイラの言葉を信じなくなった。
オイラは本音を言っているつもりでも、スグリにはなかなか伝わらない。今までの行いが、と言われてしまえば、確かに反論は出来ない。
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