年越し仲間に年末の挨拶をしてアジトを離れた
車に乗って家路を急ぐ
カギをそっと開け
静まり返った部屋を歩く
目指す部屋の前
静かにドアノブを回す
ガチャ
ゆっくりと扉を開けると
ベッドの中にゆきんこがいた
少し汗をかいている
近くにあったタオルで拭いてやると
彼女が目を覚ました
『んー…きっちゃん?』
『起こしてごめんな、大丈夫か?』
頭を撫でて様子を伺う
『うん…けほっ。喉が痛いけど身体はだいぶマシになった』
『そっか…まだ寝るか?』
『ううん…ずっと寝てたし起きたい…』
『わかった』
背中を支えて起きるのを手伝う
けほっけほ
彼女が苦しそうなので近くの飲み物を渡す
『ありがとう…きっちゃん』
『うん、早く元気になって初詣行こうな』
『うん…行きたい』
弱ってる時の彼女はいつもの元気な方言が出ない
俺だけが知っている彼女の癖だ
『きっちゃん…年越し終わった?』
『いや?まだ少しあるよ。リビング行くか?』
『うん、年越しTV見ながらまったりしよ』
そんなこと言う彼女を抱きあげて部屋を移る
ソファに彼女を座らせてから
リビングの椅子に掛けてあった毛布をかけてやる
『ありがとうきっちゃん…』
そう言う彼女に返事をしつつ
リビングのエアコンのスイッチを入れる
____
年越しのカウンドダウンが始まる
_3.2.1…ハッピーニューイヤー!!
TVから聴こえる軽快な音楽と歓声
それを横目に俺に持たれてる彼女に言う
『ゆきんこ、あけましておめでとう。今年もよろしくな』
『うん、あけましておめでとうございますなのだ。』
『今年もきっちゃんと沢山過ごせますように』
なんでここで願い事言うんだよと心の中で苦笑する
まあそれが可愛いところでもある
体制を変えて彼女を抱きしめる
『ゆきんこ、今年もいっぱい楽しい事しような』
『一緒に?』
『ああ、勿論』
『たまにエグメも呼んでいい?あとALLINの皆も』
『勿論だとも!』
『耳もとでうるさいのだ…』
『ははは。今年もよろしくゆきんこ』
『うん、よろしくなのだ』
抱きしめ返してくれる彼女
愛おしく思いながら静かに時が過ぎていく
僕らの日常は新しい年を迎える