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    penpen91420

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    8月27日 webイベントほたたび2巡目
    8月28日 GOOD COMIC CITY28内神ノ叡智4
    にて頒布予定の
    魈蛍転生本サンプルです。
    (記憶持ち魈×記憶なし蛍)
    以前シリーズ物としてあげていた(現在取り下げ中)ものに
    設定の見直し、大幅加筆修正を加え、
    本文106ページ文庫サイズになります。
    表紙はフラット・フラリ様に描いていただきました。

    #魈蛍
    xiaolumi
    #xiaolumi

    【魈蛍】エンドロールは流れない【サンプル】!attention!
    転生、現代日本パロ
    記憶持ち魈×記憶なし蛍
    本編にて流血表現あり





    春ノ章

    「……! ……せ、蛍!」

    麗らかな春の日差しの中、少女は目を覚ます。
    また、あの夢だ。しきりに誰かが自分の名を呼ぶ夢。でも、自分の名前だが呼ばれているのは自分ではないのだと、少女は直感で感じていた。
    呼んでいる人の声に聞き覚えはなく、夢の中でその人に抱えられながら、薄らと目を開けて顔を確かめようとするもその顔は見えない。
    そんな夢を、昔からもう何度も見ている。
    「……また、わからなかったな」
    この夢を見た朝は決まって切羽詰まったような声に胸を締め付けられ、少女は涙を流した。何に対する涙なのかは分からない。ただ、自然に零れてくる涙を拭う。
    部屋の隅にある全身鏡を引っ張り出し、擦った目を観察する。……幸いにも目は赤くない。これならば、泣いたことは誰にも気付かれないだろう。クローゼットに掛けられた制服を手に取り、パジャマのボタンを外したあたりで、コンコンと小さくノックの音が響いた。
    「蛍?今日は早く出るんじゃなかったのか?」
    双子の兄・空の声に、呼ばれた少女―――蛍は慌てて時計を見て、目を見張った。
    「あ‼」
    時刻は、七時十五分。電車の時間から考えて、あと十五分で全てを終わらせなければならない。
    「すぐ準備するから待ってて空!」
    部屋の外で待っているであろう空に返事をして、パジャマを脱ぐ。朝ご飯は諦めるしかない。ぴょんと跳ねる後ろ髪を撫で付けながら、蛍は急いで制服に着替えた。今日は暖かいから、ブレザーはいらない。お気に入りのセーターを着て鏡の前でくるりと回ってみせる。おかしいところは恐らく無い。
    「蛍〜?」
    「今行く!」
    ひったくるようにして鞄を手に取り、部屋を後にした。
      *
    「珍しいね、蛍が寝坊なんて」
    「うん、ちょっと夢見が悪かったから」
    電車に揺られながら、どうしても治らなかった寝癖を空に整えてもらう。高校二年生初日、なんて幸先が悪いんだろう。ギリギリ間に合ったものの、結局朝ご飯は一口も食べられず蛍のお腹の虫がきゅう、と小さく鳴いた。それに気付いた空は鞄から可愛らしい巾着を取り出す。
    「はい、これ。学校に着いたら食べなよ」
    「えっおにぎり! 空、作ってくれたの?」
    「お腹すいてたら始業式も憂鬱だと思って」
    「ありがとう空、大好き!」
    蛍ががばっと勢いよく空に抱き着く。通勤や通学時間という事もあって電車内には人も居るが、この双子は仲が良いことで有名であった。車内の人間はあまり気にする様子もなく、日常の一コマとして処理される。
    「ねぇねぇ、今日は午前で終わるでしょ? 帰りに待ち合わせしてこれ飲みに行こうよ」
    慣れた手付きでスマートフォンを操作し、目当ての記事を見つけた蛍はずい、とその画面を空に向けた。
    「杏仁ラテ?」
    「そう! 美味しそうでしょ。今日からなんだって」
    いいでしょ?とおねだりモード全開の蛍に、空はにこやかに良いよと答える。空は蛍の頼みをあまり断らない。それは幼少期の頃からで、お気に入りのおもちゃもおやつも絵本も、蛍が望めばすべて譲ってくれた。俗に言う、シスコンというやつだった。
    そうこうしているうちに、空の降りる駅になってしまう。何をするにも一緒だった双子は、高校進学を機にお互い別の高校へ進学した。空の学校は蛍の学校の一つ前の駅にある。
    「じゃあ今日は学校まで迎えに行くから」
    「わかった、また後でね」
    電車から降りた空にひらひらと手を振って、電車内から流れてゆく風景を眺める。楽しい予定があれば、少し面倒くさい始業式もすぐ終わる気がした。


    「ねぇ、蛍。放課後寄り道しない?」
    「新しく出来たとこ! ドーナツがすごく美味しいんだって」
    始業式も終わり、帰りの身支度を整えていると友人が声をかけてきた。彼女は刻晴と香菱。高校で仲良くなった友人だ。入学式の日、空がいなくて心細かった蛍に声を掛けてくれた二人。それ以来仲良くしてくれている。三年は受験を意識してか、クラス替えはない。今年も同じクラスになれたので、これで晴れて三年間同じクラスだ。
    その手にはクーポンがしっかりと握られていて、大変心惹かれるお誘いではあるけれど。ふるふると首を横に振れば、彼女達は眉を下げる。
    「えーっ都合悪いの?」
    「ごめんね、今日はお兄ちゃんと約束してるの」
    「そっか、それなら仕方ないね」
    「お兄さんと寄り道するのもいいけれど、たまには私達とも寄り道しなさいよね」
    少し拗ねたような声を出した刻晴の頭を香菱がよしよしと撫でる。
    「ごめんごめん、この埋め合わせはまた! じゃあまた明日ね、香菱、刻晴」
    「楽しんできてね」
    「課題、忘れずにしなさいよ!」
    二人の声を背にささっと身支度を整えて、鞄を背負い、足早に教室を出る。今日はいつもよりホームルームが長引いてしまったせいで、空を待たせているかもしれない。ここは女子校。校門に男がいればかなり目立つ。もう何度も来ているとはいえ、じろじろと見られるのは居心地が悪いだろう。

    靴に履き替えて、校門まで急ぐ。だけどそこに目当ての人はいなかった。
    「あれ?」
    いつもなら早く着いて待っていてくれるのに、空の方も長引いたのだろうか。スマホを確認しても、メッセージは入っていない。
    遅れるならいつも早めに連絡をくれるのに。先にカフェに行って待っていようと立ち止まり、メッセージを打っていると突如、スマホ画面に影が差した。
    「お前が妹か?」
    「えぇと、確かに私にはお兄ちゃんいますけど」 ───誰?
    ぱっと顔を上げれば、金の瞳と目が合った。蛍より少し背の高い男。蛍は必死で記憶を手繰り寄せるも、その顔に見覚えはない。誰、だろう。確実に知らない人なのに、その人の声はすんなりと耳に馴染む。
    「空は担任に連れて行かれた。スマホを家に忘れてきたらしくお前に連絡が取れないと言うから我が代わりに伝えに来た。先に店に行っておけと」
    「あ、そうなんですね、ありがとうございます……えっと、空の友達ですか?」
    淡々と必要事項のみを伝えてくるその男にぺこりと頭を下げ、その姿をまじまじと見つめた。空と同じ制服。整った顔立ちをしているが、その表情からはどこか近寄り難い印象を受ける。優しく朗らかなタイプの兄とは真逆の人。変な虫を近寄らせたくないと、空の友達の話はあまり聞かないが、あの過保護な兄が伝言を頼むくらいには信頼しているらしい。
    「……まぁ、友人と呼ぶ位置にはいるんだろうな。我の役目は終わった。失礼する」
    くるりと踵を返し、少年の足は駅の方に向かう。てっきりこの近所に住んでいるのかと思ったが、伝言のために立ち寄ってくれただけなのかもしれない。わざわざ来てくれたのなら、このまま返すのは忍びない気がした。
    「えっ あっ、待って……!」
    「なんだ」
    「今、時間ありますか? お礼をさせてください……!」
    礼などいいと遠慮する彼に必死でついて行き、説得を試みる。大丈夫だ、不要だ、いらない。そう言われても引き下がらない蛍に、男は根負けする。蛍が貴方の行きたいところで何か奢ると言えば、彼が指定したのは空との待ち合わせのカフェ。
    そういえば空以外の男の人と二人で歩くのは初めてかもしれないなと蛍は少し緊張気味に隣を歩く男を盗み見た。


    カフェに着くまで無言という訳ではなく、こちらが質問する度、彼は必要最低限短く答えた。彼から話しかけてくることは無い。まるで質疑応答だ。普通ならこちらが萎縮してしまうような態度だけれど、不思議と居心地は良かった。
    カラン、とドアベルの音が鳴り、扉が開く。目の前の男は扉を押さえたまま、蛍に中に入るよう促す。蛍はぺこりと会釈をして店内に入った。
    「なにを飲みますか?」
    「……お前は何を飲むのだ」
    「あ、私はこの新作の杏仁ラテを、」
    「わかった。席を取っておけ」
    短くそう答えると、彼はさっさと行ってしまう。ここは自分が奢るはずなのに。追いかけようかと思ったけれど、ざわつく店内は空席が少ない。注文に行っている間になくなってしまうかもしれない。戻ってきたら二人分のお金を払おう、と蛍はひとまず近くにあった空席に座る。
    ほどなくして、二人分の飲み物を手にした彼が戻ってきた。
    「ありがとうございます、すみません。支払います、あなたの分も、」
    「要らん」
    「えっ」
    「我は女に奢られる趣味はない」
    つん、とそう言い放ち、彼は財布をしまえと言う。そもそも伝言しにわざわざ来てくれたことに対してのお礼のために飲み物を、という話だったはずなのだが。この雰囲気ではお金を受け取って貰えそうにない。事情を話し、空の方からお金を渡してもらおうと蛍は彼の言う通りに財布を鞄にしまった。
    「あ、の、えっと、空の双子の妹の蛍といいます。今日はわざわざすみません。えっと、」
    「構わん。我は魈。空とはクラスメイトだ」
    「魈さん」
    「魈でいい。お前に敬語を使われると落ち着かない。普通に話せ」
    本心から来ている言葉なのだろう、その言葉に棘はない。うん、と短く答えて新作ラテを飲む。温かくてほんのり甘くて、優しい味。思わず口角をあげれば、魈がふわりと笑った。
    「気に入ったのか」
    「は、あ、えっと、うん。美味しいよ! 魈は何にしたの?」
    綺麗な笑顔に思わず見惚れてしまう。美形の笑顔は心臓に悪い。優しく見守るような表情を知っている気がして蛍は言葉を詰まらせた。
    「お前と同じものだ」
    「えっ」
    ということは、魈もこの杏仁ラテを頼んだのだ。勝手なイメージだけれど、味の濃いものや甘いものは好まなそうだと思ったのに。もしかしたら注文が煩わしくて同じものを二つと頼んだのかもしれない。一向に口をつける気配のない杏仁ラテを思わずじっと見つめた。
    「なんだ?」
    「全然飲んでないから、苦手だったのかなって。甘いもの」
    「……杏仁豆腐は嫌いじゃない。これは熱いから冷ましている」
    「そっか、相変わらずなんだね」
    「…………」
    「……?」
    口をついて出た言葉に、蛍は思わず首を傾げる。相変わらず、なんて、まるで昔から彼を知っているような口ぶり。どうして自分からそんな言葉が出たのかは分からない。けれど、いちばん意味がわからないのは魈だろう。今日初めて会った女に、前から知っているような素振りをされるなんて怖すぎる。
    「ご、ごめん、なんか変なこと言っちゃった」
    「……気にしていない」
    慌てて謝って、蛍はちらりと彼の表情を見た。何故かとても傷付いたような顔をしている。怯えた表情とは違う、どこか落胆した表情。
    「あの、」
    どうしたの、と声を掛けようとした瞬間。
    「お待たせ、蛍。魈もありがとう、ここまで妹に付き合ってくれたんだな」
    とんとんと肩を叩かれ、振り返れば空の姿。息を弾ませている姿から察するに、走って来たんだろう。
    魈は空の姿を確認すると、ほとんど手のつけていないラテを手に取り立ち上がる。
    「別に構わん。お前が来たなら我は帰る」
    「え、なんで?一緒に帰ればいいじゃん、近所なんだし」
    「近所⁉」
    思わぬ情報に蛍は目を丸くした。近所ならば見知った顔であってもいいはずだ。何故今まで知り合わなかったのだろう。目を瞬かせ魈を凝視する蛍に、察したらしい空が苦笑いする。
    「なんだ、言ってなかったのか魈。少し前に引っ越してきたんだよ。」
    「言う必要などない」
    「相変わらずクールだなぁ。テイクアウトしてくるからもうちょっと待っててよ。蛍、おかわりは大丈夫?」
    「あ、うん、おかわりは大丈夫」
    とても魅力的な提案ではあるけれど、蛍の手にしているカップはまだ一口しか飲んでいない。空は蛍の返答に頷いてカウンターへと向かった。その背を視線で追い、魈は諦めたように小さく溜息を吐き、また椅子へと腰掛ける。
    「ごめんね、魈。空が無理強いしちゃって」
    「別にお前が謝ることじゃないだろう。謝るな」
    「ありがとう」
    ぱたりと会話が途切れてしまう。蛍は慌ててなにか話題をと考える。
    「あ、そうだ、近所なら空と登校したりしないの?」
    思い出したように話題を振れば、魈はこくりと頷く。杏仁ラテを一口啜り、カウンターに並ぶ空に視線を移した。
    「お前と登校するからと空は言っていた」
    「もー、お兄ちゃんってば、いつまでたっても過保護なんだから」
    「お前は危なっかしいから仕方ないのではないか? 空がよく話しているぞ」
    妹としてはいついかなる時でも自分を優先してくれる兄に、嬉しく思うと同時に申し訳なくも思う。でも、友達が近所にいるならたまには友人と登校したいのではないか。
    「あ、じゃあ今度、三人でならどう?」
    空が蛍を心配して友達と学校に行かないのなら、そこに自分がいればいい。名案だ、とばかりに提案する。
    「……お前達と?」
    「そう。」
    「……」
    俯いて何も言わない魈に、蛍の不安が募る。馴れ馴れしすぎただろうか。友人の妹とはいえ、登下校一緒にどうか、なんて。
    「あ、だめなら……」
    「それも悪くないかもしれんな」
    慌てて言葉を取り下げようと口を開いた蛍と魈が顔を上げるのは同時だった。ふ、と口元を緩めた魈に、蛍は急に泣きそうになる。彼の声は決して大きくないのに魈の声以外の物音が全く耳に届かず、心の奥がじわりと熱を持った気がした。どうしてだろう。なんでこんなに、懐かしい気持ちになるのだろう。
    魈の顔を見ていられなくて、こぼれ落ちそうな涙を唇をかみ締め、ぐっと下を向いて耐える。
    「どうした、妹」
    黙りこくった蛍に魈は首を傾げた。妹。自分のことを指しているのだと理解するまで数秒かかる。この呼び方は新しい。驚いて涙は引っ込んでしまった。
    「あ、妹じゃなくて蛍って呼んでくれた方が嬉しいな、嫌じゃなければ。」
    にこりと微笑みながら蛍がそう告げれば、魈は遠慮がちに口を開く。
    「……蛍」
    遠慮がちに呟かれた声にドクン、と蛍の心臓が大きく跳ねた。名前を呼ばれただけなのに。まるで、自分の名が彼に呼ばれるために出来た言葉かのように、胸の奥にすとん、と収まる。
    「ねぇ魈、私達前にどこかで会ったことある?」
    口をついて出た言葉。彼の金色の瞳が、僅かに動揺の色を写した気がした。自分が忘れているだけで、もしかしたら彼とは知り合いだったのではないか。何故かそんな予感がして、問う。 何も言わない魈をじっと見つめた。
    「……」
    「……」
    お互いに、何も言わない。店内は学校帰りの学生も多くどちらかと言えば騒がしい雰囲気なのに、魈と蛍の周りの空間だけ切り取られたかのように、喧騒が遠くに聞こえる。
    「我は、」
    「蛍……さすがにその口説き方はないと思うよ」
    しん、とした空気をぶち破る一言。カフェラテを手にした空が、引き攣った笑みを浮かべている。
    口説き方。……口説き方?
    「待って、違うのお兄ちゃん、私別に口説いてた訳じゃないの」
    空の言葉に蛍は弾かれたように立ち上がり、顔を真っ赤にしながら首をぶんぶんと横に振る。
    第三者に指摘されてようやく、自分がとんでもないことを口走ったのだと自覚した。
    「魈はかっこいいけど、もう少し言い方があると思うよ」
    「ちがう、違うんだってばお兄ちゃん、誤解なの!」
    羞恥心に声を荒らげる蛍と、蛍がごめんねと謝る空。それに対し、魈は気にしていないと呟く。いや、気にしないのもどうなんだという話なのだけれど。
    行こうかと店を出ていく空に続き、鞄と飲みかけのカップを持って外へ出る。不意に、カップを持つ逆の手を誰かに掴まれた。自然とその手をぎゅうと握り返す。はた、と冷静になってみれば、先を行くのは空で、ということはこの手は空ではなくて。驚いて振り返れば、同じように目を瞬かせる魈がいる。魈の手は蛍の手をしっかりと握っていて蛍は内心パニックになった。なんで手を握られているのだろう。今日が初対面のはずなのに、普通なら不快感があってもおかしくないはずなのに、やけに落ち着いてしまうのはなんでなんだろう。
    「す、すまない」
    「ううん、こちらこそ」
    なにがこちらこそなのかはわからないけれど、お互い謝って手を離す。握った手もあるべき場所に納まったかのようになんだかしっくり来て、妙な既視感を感じた。
    もしかして、小さい妹か弟でもいるのかな。それで手を繋ぐ癖がついているのかもしれない。私もよくお兄ちゃんと手を繋いでいたから落ち着いちゃったのかもしれない。そう結論付けて、蛍は自分を納得させる。人並みにあると思っていた異性への耐性はどうやらなかったらしい。心臓はうるさいし、耳の裏まで熱くなってきた。逸る心臓を抑えながら先を歩く空を追いかける。

    帰り道、三人でいろんな話をした。とはいっても、魈は双子の言葉に軽く相槌を打つくらいだったけれど。
    魈は蛍達の近所に住む親戚の家で暮らしていること、空とは一年の半ばくらいから仲良くなったこと。
    蛍の存在は、空から聞かされていたから知っていたということ。
    すっかり冷めてしまった杏仁ラテは甘すぎて、なんだか気持ちまで甘く浮ついたものになっていく気がする。

    その日から、毎日の登下校に一人加わることになった。

    ―――春。新緑芽吹く、暖かい頃。どこか不思議な雰囲気を纏った彼に出会った。




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