Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    健気大好き

    @kenageuke_kawai

    @kenagesyousetu
    オリジナル小説書いてます。
    健気受けBLを専門に取り扱ってます。小説はこちらです。
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14359183

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 13

    健気大好き

    ☆quiet follow

    カルガモが歩道を歩いていた。高校生の池場はカルガモたちの安全を考えて警察へ電話をした――――

    #BL
    #オリジナル
    original
    #健気#
    #カルガモ
    mallard
    #警察官
    policeOfficer
    #高校生
    highSchoolStudents
    #お菓子
    sweets
    #永久就職
    permanentEmployment
    #年の差
    differenceInAge

    カルガモ親子から始まる恋カルガモの親子が歩道で歩いていた。高校3年生の男子生徒が急いで携帯で連絡を入れた。どこに電話すればいいかわからなかった池場(イケバ)はとりあえず110に電話をかけた。

    すぐに交番から駆けつけてくれた男性は20代後半の見た目で、ガッシリとした体躯をしていた。


    「よし、いいぞ。このまままっすぐ行けば池につくぞ」

    カルガモに向かって話している警官から目が離せなくなっていた。

    ****

    翌日


    「やぁ、君は昨日カルガモの電話をくれた子だね。こんにちは。どうしたんだい?」

    「あ・・・の・・・」

    池場の声は震えていた。用意した菓子を右手で押し出すようにサっと出す。

    「あっ、抹茶クッキーかい?ありがとう。大好きなんだ、抹茶味のお菓子」

    喜ぶ顔を見て、池場はホっとした。

    「昨日の・・・カルガモを池まで送ってくれたお礼です・・・」

    「いいんだよ。お礼なんて。仕事だしね。でも、もらえるものはもらっとかないとね。あ、本当はこういうのもらうと上司に怒られるんだ。ナイショね」

    「あ・・・ウ、ウス・・!」

    翌日、そのまた翌日も一人でいるときを狙って池場は菓子を届け続けた。

    来るなと言われるまで行こうと決めた池場だったが、半年経過した今も一度も拒否されることはなかった。

    「わ、今日はマドレーヌかあ。本当に器用だね。こんなに難しいお菓子が作れるなんて。将来はパティシエを目指してるのかい?」

    「ぇっ?い、いや・・将来は・・・特に何も」

    「もう高校三年生だって言ってたよね。来年は大学生になるの?」

    「いえ・・・どこか就職できればとは・・・思ってます」

    「そっか。ならさ、ぼくんちの料理人として就職する?・・・なんて」

    「しゅ、就職します」

    「え」

    「お、おれ・・・あなたのとこなら・・無給でもいい・・」


    「え・・・」

    「お、おれ、カルガモと一緒に歩いてるの見て・・・惚れました・・・」

    「ハイ?!」

    「迷惑だったら・・・スンマセン・・・!でも、あなたの家でご飯、作れたら死んでもいい・・・!」

    「死んでもって・・・いや、さっきのは冗談で・・・」

    「え・・・冗談・・?」

    池場の顔がみるみる顔が赤くなっていった。

    「すいませんでした・・・!」

    池場がダッシュで交番から出ようとした。

    「わ、あ、ちょ・・と待って」

    逃げる人間を捕まえるプロだ。警察官、中野は言った。

    「キミ、もしその気持ちが本当なら・・・高校を卒業した後その言葉、もう一度僕に言ってくれるかな」

    「・・・!」

    池場が驚きでへたりとその場で座り込む。

    「最近気になる子ができたんだ。料理が上手で、カルガモの心配ができる、純粋な子」

    「・・・へ」

    ダバ、と池場の目から涙が出る。

    「はは、泣いちゃったね」

    中野が手元のティッシュで池場の目元をぬぐう。

    「ひぐ・・・ッウソみたいだ」


    「嘘じゃないさ。でも、僕の気になる子はまだ高校生でね。告白もできない。君なら理解してくれるよね」

    「・・・ひっく・・・・はい」

    「良かった。僕に永久就職するのはまだ早いから、とりあえずは週一のアルバイターとしてうちに来てくれるのはアリかな」

    「はい・・良いですけど・・・いつからですか?」

    「うーん。次の土曜日からなんてどうかな」

    「え」

    「週2がいいんだけど、僕まだ新米だからあんまりお給料出せないんだよね」

    「いいえ・・・給料なんか、いりません」

    「そうかい?」

    「そうです・・・」

    先ほどまで泣いていた池場の目元がだんだんと赤くなる。

    「そっか。ありがとう。食費は全部僕が出すから、手ぶらで来てね。住所はココ」

    「あ、ありがとうございます・・・ウチの近所だ」

    「そうなの?すごい偶然。じゃあ、次の土曜日、よろしくね」

    ぎゅ、と両手を握られて、池場は顔が溶けるような思いをした。




    fin.
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works