Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    健気大好き

    @kenageuke_kawai

    @kenagesyousetu
    オリジナル小説書いてます。
    健気受けBLを専門に取り扱ってます。小説はこちらです。
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14359183

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 13

    健気大好き

    ☆quiet follow

    教育者BL、夏目の生態
    【教育者の在り方】の設定一部です
    フィクションです。
    SFを書くのはこれが初めてです。

    #教育者の在り方
    theEducatorsWay

    1998年、宇宙人ナツメが地球にやってきた(こんな星があるなんて)

    それがこの星に到着して第一に思った事である。
    これほどまでに水が多い星など見た事がなかった。

    ナツメの故郷であるエプラー星は約4万光年前に惑星と衝突した。生物はほとんど絶滅し、肉体のまま地上に住むのは非常に困難な環境になってしまったのである。

    エプラー人は哺乳類で、肉体を持って人の体から生まれる。しかしエプラー星の大気は二酸化炭素で充満しており、地中で生きていくほかなかった。

    エプラー人は13歳を過ぎたころ、二つの道を選ばなければならなくなる。肉体を捨てインターネットの住民になり、永遠とも言われる命を生きるか、それとも二酸化炭素に対応できるよう己の人体を改造し、200年の限られた命を生きるかだ。遺伝子を改造した代償は大きく、自我を失う事もある。
    多くは己の肉体を捨て、インターネットの住人となって意識をロボットに移す事を選ぶ。

    二つに一つの選択を必ず選ばなければならなかった。なぜなら地下で生きられる人間の個体数は制限されており、ほんの数人の優秀な遺伝子を持った人間だけが己の体をいじらず約80年から100年の生を生きられるようになっていたからだ。
    ナツメの肉体は優秀な遺伝子として選ばれる事はなかった。地下に残る事が出来るのは数千万人に一人の確率である。13歳の時、当然ながらナツメにも選択をしなければならない日が訪れた。彼は肉体を捨て、電子となり、インターネットの住民になる事を選んだのである。

    電子になる事で自分の意識をロボットや宇宙船に宿らせる事ができる。
    そしてナツメは選んだ。自らが宇宙船になり、いつか安全な星で己の肉体を復活させるという事を。
    それには生まれ持った肉体を捨てる選択を選ばざるを得なかった。

    その後3万光年もの年月を費やす事となる。
    数億個の惑星が集まった銀河系全てを宇宙船やロボットになり調べて尽くした。しかし人が住める土地は存在せず、さらに視野を広げていかねばならなかった。数千個の銀河を見て回る旅を続け、やっと見つけたのだ。
    奇跡の星、地球を。

    3万光年という時間はあまりにも長かった。溜まった不要な知識は削除し、意識が壊れないよう細心の注意を払った事でどうにか”ナツメ”という自我を失わずに済む事ができた。彼が地球に降りてまず実行した事は、己の肉体を作る事だった。地球にもエプラーと同様にロボットという存在がいた。ロボットにナツメの電子を流し込めば意識を移す事ができ、自在に体を動かす事ができた。

    地球という星の文明はある程度発達していたが、エプラー人である己と比べるとまだまだ遅れていた。ナツメが世界中を電子となって飛び回っても、気づく者は誰一人としていなかったのだ。
    人造人間を作るのに障壁は少なく、誰にもバレる事なく作業を進める事が出来た。ナツメは各国で好みの遺伝子を選び、さらにそこから選んだ遺伝子を自由に組み替え、理想の体をデザインした。

    地球は広く資源が豊富だった。この星に適した体の核を作るのにそう時間はかからず、2年で胎児を生み出す事ができた。髪はブラウンで、目は青く。ナツメがエプラー人として生まれた時の外見と近しいものに作り上げた。

    ナツメの電子は地球のインターネットととても相性が良く、世界中を見て回る事が可能だった。

    住居となる場所については慎重になった。新生児から大人になるまで、安全な場所で過ごすべきだと考えていた。何があるかわからない。なるべく目立たず、治安がよく、もっとも住みやすい場所を選んだ。
    日本という国だ。非常に変わっている国民性を持った国だったが、世界中で比較した際、この国がもっとも興味深く感じられた。

    電子チップを脳に埋め込み、人造で作った個体の脳とナツメの意識をにうまく溶け込ませた。ロボットで赤ん坊の己を育てる方法はあったが、それだとアメリカのNASAにばれてしまう恐れがある。電子チップが埋め込まれた赤ん坊を日本の信頼できる児童養護施設に預ける事にした。ナツメは施設長が玄関を開ける日時の確率を調べ、ロボットの体で赤ん坊を施設のドアに置き去りにする。

    そしてナツメは13歳になった頃、完全にインターネットとは縁を切りる選択肢を選んだ。約100年という寿命のこの体で、ナツメという自我を終わらせたいと思えたのである。
    ナツメは己が3万光年も昔の存在であるエプラー人だった事以外のほとんどの記憶を電子チップから削除し、地球に生まれた人間として、新たな人生を歩み始めたのだった。

    夏目進(ナツメススム)22歳。
    彼は大学卒業と同時に学校を設立し、在学中に建設しておいた小学校にて運営者という立場で働き始める。

    夏目は女性よりも男性を好む性癖だった。エプラー人だった時からずっと。そして出会う。彼の運命の相手となるある男性教師と。

    その男性は近くの公立小学校の教師だった。見た目も、話し方も、夏目の好みそのものだ。
    ここはゲイバー。話しかければきっとそれなりに気が合うはずだと、夏目は勇気を出して誘ってみた。




    ***






    ~続く~




    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works