問題ないそりゃ、付き合い出したのだから、それなりに……したい事あるさ俺にだって!!だけどいざ俺の部屋でキラをベッドに組み敷いたら真っ先に「え?君が抱く側なの?!イヤだよ僕に譲って!!」「……はぁ?!」なんてことになったのだから当然ムードもへったくれもない。まだキスですらお預けなんだが…。
の文章の続きを妄想せよ。
黙々と仕事を片付けて、さっさとキラの部屋に行く。
ちなみに例の件以来すっかり避けられている。
俺の顔を見かけると急いで逃げるキラ。
何であいつは逃げ足があんなに速いんだ?
埒が明かないので、ミレニアムの士官室に乗り込むことにした。
シンが「隊長なら今シフト休憩入ってるけど……」というので丁度良い。
コンパスの仕事も少しずつだが減少して来ている。
緊急アラートは早々鳴らないだろう。
「アンタ!隊長に無理させるつもりじゃないよな?!!」
食い下がるシンに「何も怖い事ないだろう?」と言った。
「お前にキラの代わりが出来ないとは思ってないが?」
「………え?」
「まぁまだまだだけどな」
「!!……隊長の留守を守るのが俺の務めだよな……!」
まあなんだ。シンの扱いも慣れて来た気がする。意気揚々としているシンを置いて、俺は溜息を吐いた。
キラの部屋のコールを鳴らすと、「今シャワーしてるから入って来ていいよー」との事だった。
………俺だったから良かったが、そんなに緩いのかコンパス?
キラの士官室に入って、ベッドに座りながら待つ。
ベッドの上に放り投げてあるコンパスの白い隊服を広げて、何度この服を脱がす想像をした事かと思った。
俺が悶々としていると、ガチャっとシャワー室が開いて、キラがタオルで髪を拭きながら出て来た。
半袖短パンのコンパスのインナーを着ているキラは湯上りで火照った顔で「ゴメン…お待た…せ」とまで言った所で固まった。
バっと出口に向かおうとする身体を背後から抱きしめた。
「キーラ?俺の言いたい事は判ってるよな?」
「わあ……何かな?僕にはさっぱり判らない……」
「なら、身体で判らせてやるから」
「え?!」
そのままベッドに押し倒した。大きな紫色の瞳が、俺を見てふっとその視線をそらした。
「……無理やりしたい訳じゃない。そこは判って欲しい」
「ホントに?なら僕にさせてよ?僕頑張るから……」
「俺が、お前を抱きたい…」
「なんで?!!」
泣きそうな声でキラが足をジタバタさせる。可愛い抵抗だが、俺が片方の手を足に這わせて押さえ込むとビクっとなって止んだ。
「お前を愛してるから、抱きたいとずっとずっと想って来た……」
「………」
「何度も想像して、お前を気持ち良くしてやりたいと思って来た」
「……ヤダよ」
「?!」
キラは真っ直ぐに俺の目を見つめる。その瞳が潤んできていた。
「僕も君を気持ち良くしたいんだ………いっぱい」
「………そうか」
「…ダメ?」
「駄目」
「ケチ!!!エッチ!!!スケベ!!!」
「ったく……遠回りさせて、お前は……」
俺が耳元でキラに囁くと、みるみるうちにキラは真っ赤になって行った。
どうせ抱く側だって気持ちが良いに決まっている。抱かれる喜びに目覚めればキラだって……。
「恥ずかしいのは最初だけだから?な?」
「うううううう………そんなに気持ち良いの?だったらやっぱりアスランにも…」
「勿論、俺も気持ちよくしてもらうつもりだが?」
「わーーーーーーーーーーーー!!!!」
キラの唇を塞いで、息が溶け合うくらい求めて、それからインナーを脱がして行った。ベッドの中で暴れる二つの身体が少しもどかしい。一つに溶かしてしまいたい。
「嘘は吐いてないだろう?」って聞いた頃にはキラはとろんとした目をして俺の背に腕を回しコクコク頷いていた。ほとんど意識が飛んでるのかもしれない、と思った。
………本当に可愛いんだが。
まあそんな、やり取りがあったのも忘れるくらい俺がキラを気持ち良くし続ければいい話だな。