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    メルズ前沼。

    ユニバのメルズ前に沼った哀れな奴です。
    投稿するのは小説が主。

    リクエストは申し訳ないです、金銭目当てで書いてる訳じゃないので受け付けてません💦

    二次創作物になってるんで、中には地雷を踏む可能性はあります。
    中の人の名前が出る話には鍵掛けてるので、もし読みたい方はDM飛ばしてくれたら送ります!!
    Twitterでは@meruzu_numa_でやってるので、そっちからリクエストどうぞ!!DM飛ばしてくれたら読みます!!

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    メルズ前沼。

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    此方企画作品となってます。

    #メルズ前
    inFrontOfMels

    貴方から、貴方へ(ジョニボスver.)貴方から、貴方へ(ジョニボスver.)












    ある日、仕事をしていた私に私のKittyの一人が執務室を訪れた。






    「ボス、ボス宛に何枚か手紙が届いてますよ」


    「私に?」






    一体誰だろうかと持って来たKittyに礼を言って受け取れば、それは私の家族達からの手紙だった。


    私が手紙を読んでいる間、Kittyは紅茶を淹れて出してくれる。






    「何時もすまない、私のKitty」


    「いえ、ボスには少しでも寛いで欲しいですから····最近は特に働き詰めですし······」






    ちゃんと休んでますか?と首を傾げるKittyに軽く笑って頷く。


    私達始祖の吸血鬼達に“ 睡眠 ”と言う物は必要無い。
    無くとも人間の血を吸えば疲労は回復するし、飢えも満たせるからだ。


    だが、Kitty達のように元が人間だった存在は違う。
    睡眠を取らなければ力は出ないし、疲労も回復しない。






    「私のことよりKitty、お前はどうだ?」


    「俺···ですか?」


    「お前達Kittyは私に合わせる節があるだろう?私が寝て居なければKitty達も寝ない」


    「うっ······知ってたんですか······」


    「次からはちゃんと休め、これは命令だ」






    バツが悪そうに目線を泳がせたKittyの一人に力を使って命令をする。
    素直に従ったKittyの頭を撫で、再び手紙に目線を戻す。






    「·········ご家族からですか?」


    「あぁ、タクミの奴は相変わらず報告書のような手紙だな、見ていて疲れる」


    「そう······なんですか?」


    「それに比べてジェームスは······短過ぎる」


    「!これは手紙と言うよりか······感想ですね、一言しか書かれてませんし······」


    「ふふ、実にアイツらしい手紙だな」






    だが、どちらの手紙も私にとってはかけがえの無い大切な手紙で、今日届いた家族からの二通の手紙を引出しの中に仕舞い込む。






    「お返事は書かれますか?」


    「そうだな······書く、が今はKittyの淹れた紅茶を飲むのが先だ」


    「!······口に合えばその······良いですけど······ボス達が淹れる紅茶よりかは美味しくないですが······」






    Kitty達が淹れた紅茶は、確かに他の兄弟達が淹れる紅茶と比べれば味は劣る。
    だが、私にとってはそれすらも愛おしい。






    「そんなことは無い。Kitty達が私の為に何かをしてくれる、それだけで私は満たされる。まぁ、飢えはどうしようも無いがな」






    目を細めて笑う私に、私のKittyは首を傾げ、やがて「それなら良かったです」と微笑んだ。


    ほんのり赤く染まるKittyの頬が全身で“ 嬉しい ”と訴えている。


    その様子にまた私は満足して、ふと気付く。
    Kittyもそのもう一枚に気付いてあぁ!と思い出したように言った。






    「ボス宛にもう一枚後から届いた分ですね」


    「これは······宛名が無いな」






    至ってシンプルな手紙。


    宛名も何も無いその手紙はただ一言、






    『死ぬ程好きです』






    そう書かれてある。






    「これは······人間からのようだ」


    「ですね。ボスの魅力が分かる人間からみたいです」


    「私は人間達を糧にするが······こんな人間は好ましい」






    もし会えたなら、一度この屋敷に招待してみようか。



    そう考えている私に、Kittyはまた嬉しそうに頷く。
    今日のKittyはいつにも増して機嫌が良いらしい。






    「やけに今日は機嫌が良いな?」


    「それは、勿論ですよ。だってボスの魅力が分かる人間が居たんですから」






    この人間は中々見所がありますね、と元人間だったKittyが言う。






    「Kitty達が嬉しいと私も嬉しいものだな」






    軽く鼻歌すら歌っているKittyは、自分がそうしていることすら気付いていない。


    この歌は、恐らく人間だった頃に歌っていた物だろう。
    此処にKitty達が来て、彼等が歌っている姿など見た事が無いからな。


    無意識に出るKitty達の、元人間だった頃の記憶。
    吸血鬼の眷属になった今ではそれは足枷にしかならないだろう。



    だが······、






    「ボス、その手紙に返事は書きますか?」


    「そうだな······」






    嬉しそうに、私のことを思うKittyに微笑み呟く。






    「やはり、止めておく」


    「?それは······何故?」


    「書いた所で宛名が無いから届かんだろう?」


    「!············それも、そうですね」






    私の言葉を理解したのか、Kittyがこほんと一つ咳払い。












    Kittyが慌てたように後ろ手に閉めたレターセットが仕舞われている引出しは、Kittyの名誉の為に黙っていようか。
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