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    メルズ前沼。

    ユニバのメルズ前に沼った哀れな奴です。
    投稿するのは小説が主。

    リクエストは申し訳ないです、金銭目当てで書いてる訳じゃないので受け付けてません💦

    二次創作物になってるんで、中には地雷を踏む可能性はあります。
    中の人の名前が出る話には鍵掛けてるので、もし読みたい方はDM飛ばしてくれたら送ります!!
    Twitterでは@meruzu_numa_でやってるので、そっちからリクエストどうぞ!!DM飛ばしてくれたら読みます!!

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    メルズ前沼。

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    此方企画内容の作品となってます。

    #メルズ前
    inFrontOfMels

    貴方から、貴方へ(サイバー四号ver.)貴方から、貴方へ(サイバー四号ver.)












    私の名前は、サイバー四号。






    今私は、目の前に置かれた一枚の手紙に理解不能なエラーを起こしている。






    シンプルなデザインに宛名の無い手紙が今朝、始祖様から届けられた。


    その時の始祖様は「ちゃんと大事に、必ず目を通すこと」と言って、何故か私の頭を撫でて微笑んでいた。






    “ 理解不能だ ”






    けれど始祖様が言うなら仕方ない。


    紙を持つのは······本当は少し苦手だ。
    この爪は何でも切ってしまうから。






    私はちらりと部屋にあるゴミ箱に目を向ける。


    そこにあるのは、始祖様達に書くはずだったメモの残骸。
    私が、切って破ってしまった紙の束。






    “ 始祖様は人間が書いたと言っていたが······ ”






    再び机の上に置かれた手紙を見る。


    コレに私が触って、破ってしまったら始祖様の命令を遂行出来なくなってしまう。


    どうにか破らないようにと机の上にまでは持って来れたが、それ以降の動作が出来ない。
    他の仲間達にも信号を送ってみたが、ボス達にどうやら止められているらしい。






    “ 私に、これを一人で見ろと始祖様は仰った ”






    ならば仲間達の力を借りるのは駄目だろう、始祖様の命令は絶対だから。


    仕方ない、と覚悟を決めてなるべく爪が入らないように手紙を持つ。


    開いてみれば、やはり良く分からない内容が書かれてある。






    『髪がふわふわな所、ダンスがキレッキレでお上手な所、塩対応な所...もぅぜんっっっぶ大好きです。
    たまには素直にハートを受け取って下さいね。
    死んだ魚の目で見られてもただのご褒美です!愛してます〜〜〜ッ!』






    そう書かれた、理解不能な言語の数々。






    “ 髪?塩······は掛ける物では無かったか?ダンス······は恐らく前に始祖様達と向かったX様の······ ”






    やはり良く読んでみても、理解不能だ。


    けれど、私のこの温かくなった部分は何だろうか?






    “ 愛、は分かる。それは始祖様達に良く人間達が言っている言葉だ ”






    その意味は酷く温かな意味で、私には程遠い。
    けれどこの手紙を読むと、どうやらコレは私に向けられた言葉らしい。






    「あぁ、やっぱり困っていたか」


    “ 始祖様、この手紙の意味が理解不能です ”






    部屋に現れた始祖様、マット様が苦笑しながら私に近寄る。


    マット様はタクミ様と同じく、普段はとても忙しい方だ。
    けれど何故か私の元に来ては、私の身を案じる言葉を放つ。






    「この手紙は······あぁ!デクランが言っていた手紙のことだね」


    “ デクラン様が? ”






    どうやらデクラン様が、私宛に手紙が届いたのだと何故か嬉しそうに屋敷内を駆け回っていたらしい。






    「すまないねサイバー四号。手紙が駄目になってしまうからとジョニーが取り上げてお前に渡したんだ」


    “ いえ、問題ありません ”






    デクランには後で言っておく、と笑う始祖様に分かりました、と言って頷く。


    そして先程の質問に答えるかのように、マット様は私が見せた私宛の手紙を読み、ふふっと微笑まれた。






    「······これは、デクランが嬉しがる気持ちも分かるな。私も、お前がちゃんと周りから愛されてると知って嬉しいよ」


    “ ······理解不能です。私は······ ”


    「紛い物だと言いたいのだろう?だがね、私達はそんなお前が、お前達が好ましいんだ」






    返すよ。と始祖様は私に手紙を渡す。


    どうやら私の質問に答える気は無いらしい。
    ならば自分で正解を導くしか無いが、それは何処の資料を見れば分かるのだろう?


    恐る恐る始祖様から手紙を受け取り、引出しの中に仕舞おうとして······、






    “ !! ”


    「おや、破れてしまったか?」






    ビリッ!!と嫌な音が響く。


    見れば私の爪が、手紙を真横に裂いている。


    始祖様の命令を遂行出来なくなってしまう、そう焦った私にマット様は何故かポケットから透明なテープを取り出して私に持たせた。






    「東の国では紙をこれで直すらしい。確か人間はセロハンテープ、と言っていたな」


    “ せろはんてーぷ······ ”


    「使い方は切れた紙をこうしてくっ付けて······はい、出来た」


    “ !!直りました ”






    破れた紙が、元通りになっている。


    その様子にマット様は再び私の頭を撫でた後、お前にあげようと言って下さった。






    「これを渡せばお前は私達ともっと話してくれるかと思ってね。つい買ってしまったんだ」


    “ 有難う、御座います。大切に使います ”






    良くお前は紙を破って申し訳無さそうにしているから。


    そう言って笑うマット様に、私は手紙を······今度は破らないよう慎重に引出しに仕舞う。



    深く頭を下げた私を見てマット様は、また来るよ。と姿を消した。










    ほんのりとまた温かくなったこの心臓の意味は······やはりまだ、私には理解不能である。
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