Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    tomko_106

    @tomko_106

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 17

    tomko_106

    ☆quiet follow

    付き合ってそこそこ長いさねぎゆ。キメ学軸のはず。この後はえろになる未来しか見えない。こういう勘違い?すれ違い?ネタ大好きすぎて最早くるしい…

    #さねぎゆ

    冨岡が出勤すると、学校中とある噂で持ち切りだった。なんでも昨夜、不死川とカナエが宝石店から現れたところを学校関係者が目撃し、不死川の手には小さな包みがあったのだという。その時の二人の雰囲気は実に柔らかいものだったらしく、「おそらく婚約したのでは」と皆が騒いでいた。
    不死川もカナエも完全に否定しているが、誰もが「おめでとう」「幸せに」と祝福していた。
    その光景を見た冨岡は、嫉妬や悲しみよりもホッと安堵するような、心が軽くなったような、そんな気持ちを抱いたのだ。

    これでやっと、さねみを解放してやれる。
    もうこれで、いつ飽きられるのだろうと怯えずに済む。
    普通の幸せを、選んでくれたんだな。

    冨岡は心から祝福してあげたいと、穏やかな気持ちで不死川を見る。とてもとても優しい、本当に綺麗な微笑を携えて。


    その微笑みを向けられた不死川は、ぞわりと胸騒ぎを覚えた。
    同僚との噂話をアイツが聞かなければ良い。そんな願いも空しく、学校中が噂で持ち切りだったことに頭を抱えた。仕事が終わったら直ぐに否定をしなければ、と不死川が考えていた矢先のことだった。冨岡が綺麗に笑って、小さく手を叩いたのを見たのは。まるで祝福ではないか。
    「なんだそれ」
    何を勘違いしている。そんな噂を信じる程、己が信じられないのか。想いが通じ合っていると思っているのは自分だけだったのか。ふざけるな。

    仕事終わりのこと。逃げ場を封鎖しなければと、不死川が冨岡の自宅へ突撃する。冨岡は驚いたように目をぱちぱちとさせ、「どうした」と問うてきた。
    不死川がずかずかと部屋の中へ上がり、例の噂について口を開く。すると冨岡は「あぁ」と何でもないように言い、ゆっくりと頷いて言い放つのだ。
    「やっと、幸せになれるな」
    冨岡のその台詞に、不死川は崖から突き落とされるような気分であった。
    あぁ、あぁ、本当に分かってなかったんだな。知らなかったんだな。気付いてなかったんだな。
    どんなに己が幸せだったかなんて、気付きもしなかったのか。
    お前との未来の為に買ったコレを、今のお前に渡した所で意味は成さないのかもしれない。

    「ぎゆう」
    それじゃあ、分からせてやらないとな。そんな勘違いする必要ないのだと。それとも己から離れる為の言い訳だろうか。まあ、それは絶対に許さないけれども。
    思い知らせてやらないとな。己がどれ程、お前を愛しているのか。
    「少し、お仕置きが必要だなァ?」
    お前以外との幸せを、望んだことなど一度もない。それを頭にも体にも心にも、しっかりと教えてやろう。
    もう二度と、そんな馬鹿げたことを思わないように。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😇🙏💖😭❤❤😭❤😭😭🙏🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    ASIApixiv

    TRAINING昨日の自主練の手直し版。
    『縁取る』という表現を相互さんからいただいて広がりました!
    読んで感想いただけると嬉しいです😊
    同棲している恋人からの「明日は待ち合わせしねぇかァ?」という提案に、俺は「なぜ?」と質問で返す。

    「たまにはいいだろうがァ」と歯切れの悪い返事に少し疑問が湧いたが、昔を思い出して「懐かしいな」と返せば、「だろォ」と恋人は微笑んだ。




    待ち合わせに指定された場所へ向かう。
    恋人は俺よりも1時間以上前に家を出た。「色々寄ってから行くわァ」と言って。

    地図アプリが示したその場所は、大きな礼拝堂のある教会だった。
    重厚な扉を引くとギーっと音が響く。
    ゆっくりと中を覗き込む様に扉を開ける。

    最初に見えて来たのは、薄暗い中に並ぶ木製の長椅子。
    更に扉を開くと刺すような眩しい光が目に飛び込んで来た。それに俺は思わず眼を瞑る。

    開き切った扉から見えた室内は、中央に真っ白く大きな光を孕み、壁際の闇との対比を際立てていた。

    光の差し込む大きなガラス張りの窓には、十字架と薔薇の花や蔦のモチーフが施され、俺のいる入口まで真っすぐ伸びる艶めく通路にそのままの姿の影を落としている。

    闇と光の対比に眼が少しづつ慣れていく。

    高い天井まである窓からは、いくつもの光の環がまるで階段の様に俺へと伸びて 865