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    1105remindyou

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    #イラストを投げたら文字書きが引用RTでSSを勝手に添える
    @7razu_c 様 
    タグ4枚目をお借りしました。いつも素敵な曦澄のイラストやお話に活力をいただいて大感謝です。
    ※黒猫の阿澄とは異なる世界線です

    4枚目


    おとうさん=藍渙 パパ=江澄


     わたしは、大きいおとうさんと小さいパパと一緒に暮らす猫です。二人がああでもないこうでもないと丸一日話し合いながら決めてくれた名前がありますが、かわいいねって言われるほうが多いからもしかしたら「かわいい」がわたしの本当の名前かもしれません。
     大きいおとうさんはいつも白いシャツを着てわたしのご飯を用意してくれます。けれど撫でるのはおとうさんより、小さいパパのほうが上手。時々パパは知らない犬の匂いをぷんぷんさせて帰ってくるので、よその子に浮気して撫でているんだと思います。そんなときはおとうさんの膝に乗って抗議すると、パパは悪かったって、と言いながらわたしを抱き上げて代わりに空いた膝の上に座ります。そうやってソファの上でみんなでぎゅうぎゅうくっついて抱っこしてる時、わたし達はとてもしあわせです。

     ある夜、わたしがベッドでぐうぐう寝ているとリビングからがたん、と音がしました。なんだろうと思ってそっと覗いてみると、パパが床の上で腹をみせて仰向けになっています。わたしもパパに可愛がってほしい時はそうするし、思ったとおり上に乗ったおとうさんがパパを撫でてあげていたので、やっぱり、と嬉しくなりました。
    それからおとうさんは顔を寄せてパパのことを舐めていたので毛づくろいもしてあげているに違いありません。唇から耳の後ろ、首から腹まで丁寧に舐めたり触ったり、忙しそうに手を動かしています。そのたびにパパの足がびくびくと跳ねるので、思わず飛びかかりたくなる衝動をぐっとこらえました。だってわたしはかわいいだけじゃなくて、おりこうな猫なので。

     それにしても、パパがとても気持ちよさそうな声をあげているので、本当はおとうさんも撫でるのが上手なんじゃないか、わたしには手を抜いてるんじゃないかと疑ってしまいます。

     わたしも混ぜて、とふたりのほうに行こうと思ったら目の前にぽいっとパパの靴下が落ちてきて、一気にそちらに気をとられてしまいました。わたしはパパの靴下が大好きなのです。靴下ひとつもらっていくね、と小さな声でにゃー…と声をかけると、パパは毛づくろいが気持ちよくてそれどころではなさそうでしたが、おとうさんがちらりとこちらを見て一回だけ瞬きしたので、いいよって合図かなと靴下を片方だけ咥えました。 
     そうしてる間にパパの服はぽいぽいと散らかって、おとうさんももうわたしの事を見てはいなかったので、わたしは手に入れた靴下を大事にベッドに持ち込んでもう一度眠ることにします。リビングから聞こえてくるパパの気持ちよさそうな声は、ちょっとだけ、春先に外から聞こえる盛んな猫の声に似ているような気がしました。


     次の朝、服が散らかったままの部屋を横目にソファで狭そうに眠る二人のところに行って、そろそろ構ってよ、と鳴くと、目を覚ましたおとうさんが撫でてくれました。やっぱりあんまり上手じゃなかったので、この人はパパのことしか気持ちよくできないんだなあと、すやすや寝ているパパの顔をみながらほんの少し羨ましい気持ちになったのでした。
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    ヲしお

    DONE #イラストを投げたら文字書きが引用RTでSSを勝手に添える『今度の連休、お時間を頂いても?』
     恋人の入間銃兎に電話口でそう告げられたのは、つい2週間ほど前のことだ。
     その後もメッセージアプリでやり取りし、今日は連休のせまった木曜の夜。
     いつもなら「無理しないでください」「気にしないでください、また今度」なんて俺を気遣う言葉ばかり言うくせに、今回に限っては「金曜日の夜にお迎えに上がりますので、お仕事、必ず終わらせてくださいね」なんて念押しされてしまった。
    (珍しいな。入間さんがそんな風に言うなんて……)
     絶対にリスケしたくない。だから、今週はめちゃくちゃ仕事を頑張った。そして同僚や後輩にも「今度の週末は用事があるから!」と前もって伝えていたからか、スムーズに仕事が進んだ気がする。
    (まぁ、連休はみんなちゃんと休みたいよな……ははは……)
     とはいえ俺は、まだ会社のデスクへ座っているわけだが。
     23時も過ぎ、フロアの照明はほとんど落とされていて、光源といえば目の前のディスプレイ画面からの光りのみ。明日の午前中に必要だと言われた資料の確認が済めば、今週の大きな仕事はほぼ終わったようなものだった。
     資料の最終確認を始めようとした矢先、傍 4314

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    takami180

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    兄上はおやすみです
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     江澄は端の席から集まる人々をながめた。
     やはり商人、荷運び人の数が多い。
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     まだ、活気は衰えていないが、川の不通が長引けばどうなるかはわからない。すでに蓮花塢では物の値段が上がっている。これ以上、長引かせるわけにはいかない。
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     彼は江澄の向かいに座ると、勝手に酒壺をひとつ頼んだ。
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    「藍湛の用事が終わったら帰るさ」
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    PROGRESS長編曦澄12
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