Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    1105remindyou

    @1105remindyou

    @1105remindyou

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💙 💜 🐾 ❣
    POIPOI 9

    1105remindyou

    ☆quiet follow

    #イラストを投げたら文字書きが引用RTでSSを勝手に添える
    @7razu_c 様 
    タグ4枚目をお借りしました。いつも素敵な曦澄のイラストやお話に活力をいただいて大感謝です。
    ※黒猫の阿澄とは異なる世界線です

    4枚目


    おとうさん=藍渙 パパ=江澄


     わたしは、大きいおとうさんと小さいパパと一緒に暮らす猫です。二人がああでもないこうでもないと丸一日話し合いながら決めてくれた名前がありますが、かわいいねって言われるほうが多いからもしかしたら「かわいい」がわたしの本当の名前かもしれません。
     大きいおとうさんはいつも白いシャツを着てわたしのご飯を用意してくれます。けれど撫でるのはおとうさんより、小さいパパのほうが上手。時々パパは知らない犬の匂いをぷんぷんさせて帰ってくるので、よその子に浮気して撫でているんだと思います。そんなときはおとうさんの膝に乗って抗議すると、パパは悪かったって、と言いながらわたしを抱き上げて代わりに空いた膝の上に座ります。そうやってソファの上でみんなでぎゅうぎゅうくっついて抱っこしてる時、わたし達はとてもしあわせです。

     ある夜、わたしがベッドでぐうぐう寝ているとリビングからがたん、と音がしました。なんだろうと思ってそっと覗いてみると、パパが床の上で腹をみせて仰向けになっています。わたしもパパに可愛がってほしい時はそうするし、思ったとおり上に乗ったおとうさんがパパを撫でてあげていたので、やっぱり、と嬉しくなりました。
    それからおとうさんは顔を寄せてパパのことを舐めていたので毛づくろいもしてあげているに違いありません。唇から耳の後ろ、首から腹まで丁寧に舐めたり触ったり、忙しそうに手を動かしています。そのたびにパパの足がびくびくと跳ねるので、思わず飛びかかりたくなる衝動をぐっとこらえました。だってわたしはかわいいだけじゃなくて、おりこうな猫なので。

     それにしても、パパがとても気持ちよさそうな声をあげているので、本当はおとうさんも撫でるのが上手なんじゃないか、わたしには手を抜いてるんじゃないかと疑ってしまいます。

     わたしも混ぜて、とふたりのほうに行こうと思ったら目の前にぽいっとパパの靴下が落ちてきて、一気にそちらに気をとられてしまいました。わたしはパパの靴下が大好きなのです。靴下ひとつもらっていくね、と小さな声でにゃー…と声をかけると、パパは毛づくろいが気持ちよくてそれどころではなさそうでしたが、おとうさんがちらりとこちらを見て一回だけ瞬きしたので、いいよって合図かなと靴下を片方だけ咥えました。 
     そうしてる間にパパの服はぽいぽいと散らかって、おとうさんももうわたしの事を見てはいなかったので、わたしは手に入れた靴下を大事にベッドに持ち込んでもう一度眠ることにします。リビングから聞こえてくるパパの気持ちよさそうな声は、ちょっとだけ、春先に外から聞こえる盛んな猫の声に似ているような気がしました。


     次の朝、服が散らかったままの部屋を横目にソファで狭そうに眠る二人のところに行って、そろそろ構ってよ、と鳴くと、目を覚ましたおとうさんが撫でてくれました。やっぱりあんまり上手じゃなかったので、この人はパパのことしか気持ちよくできないんだなあと、すやすや寝ているパパの顔をみながらほんの少し羨ましい気持ちになったのでした。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💕💕💕💕💕💕💕💖💒💞💞💞☺❤💖☺💒💘❤💞💒💒☺💒💕☺💞👍🍼💕💕💖☺👍💘💘💒💒💒💘💘💘💘💘💘💘💘💘💘💖💞💖💖💒😍💖💕💖💘
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    ヲしお

    DONE #イラストを投げたら文字書きが引用RTでSSを勝手に添える『今度の連休、お時間を頂いても?』
     恋人の入間銃兎に電話口でそう告げられたのは、つい2週間ほど前のことだ。
     その後もメッセージアプリでやり取りし、今日は連休のせまった木曜の夜。
     いつもなら「無理しないでください」「気にしないでください、また今度」なんて俺を気遣う言葉ばかり言うくせに、今回に限っては「金曜日の夜にお迎えに上がりますので、お仕事、必ず終わらせてくださいね」なんて念押しされてしまった。
    (珍しいな。入間さんがそんな風に言うなんて……)
     絶対にリスケしたくない。だから、今週はめちゃくちゃ仕事を頑張った。そして同僚や後輩にも「今度の週末は用事があるから!」と前もって伝えていたからか、スムーズに仕事が進んだ気がする。
    (まぁ、連休はみんなちゃんと休みたいよな……ははは……)
     とはいえ俺は、まだ会社のデスクへ座っているわけだが。
     23時も過ぎ、フロアの照明はほとんど落とされていて、光源といえば目の前のディスプレイ画面からの光りのみ。明日の午前中に必要だと言われた資料の確認が済めば、今週の大きな仕事はほぼ終わったようなものだった。
     資料の最終確認を始めようとした矢先、傍 4314

    recommended works

    sgm

    DONE曦澄ワンドロお題「秘密」
    Twitter投稿していたものから誤字と句点修正版。
    内容は同じです。
     冷泉へ向かう道の途中に注意しないと見逃してしまうような細い道があることに、ある日江澄は気が付いた。
     魏無羨が金子軒を殴って雲夢に戻りひと月ほどたった頃だったろうか。
     魏無羨が帰ってからというもの、江澄は一人で行動することが多くなった。
     時折は聶懐桑と一緒に行動することもあるが、半分かそれ以上は一人だった。
     藍氏の内弟子以外は立ち入りを禁止されているところも多くあるが、蓮花塢と違って、この雲深不知処は一人で静かに過ごせる場所に事欠かない。誰も来ない、自分だけの場所。かつ、仮に藍氏の内弟子に見つかったとしても咎められないような場所。そうして見つけたのが、この細い道を進んだ先にある場所だった。おそらく冷泉に合流するだろう湧き水が小川とも呼べないような小さな水の道筋を作り、その水を飲もうと兎や鳥がやってくる。チロチロと流れる水音は雲夢の荷花池を思い出させた。腰を掛けるのにちょうど良い岩があり、そこに座って少しの間ぼんやりとするのが気に入っていた。ともすれば、父のこと、母のこと、魏無羨のこと、五大世家の次期宗主、公子としては凡庸である己のことを考えてしまい、唇を噛み締めたくなることが多 3083

    takami180

    PROGRESS長編曦澄10
    兄上やらかす
     夜明けの気配がした。
     藍曦臣はいつもと同じように起き上がり、ぼんやりとした薄闇を見つめた。違和感がある。自分を見下ろしてみれば、深衣を脱いだだけの格好である。夜着に着替えるのを忘れたのだろうか。
    「うーん」
     ぱたり、と藍曦臣の膝に何かが落ちた。手だ。五指をかるく握り込んだ手である。白い袖を視線でたどると、安らかな寝顔があった。
    「晩吟……」
     藍曦臣は額に手のひらを当てた。
     昨夜、なにがあったのか。
     夕食は藍忘機と魏無羨も一緒だった。白い装束の江澄を、魏無羨がからかっていたから間違いない。
     それから、江澄を客坊に送ろうとしたら、「碁はいいのか?」と誘われた。嬉しくなって、碁盤と碁石と、それから天子笑も出してしまった。
     江澄は驚いた様子だったが、すぐににやりと笑って酒を飲みはじめた。かつて遊学中に居室で酒盛りをした人物はさすがである。
     その後、二人で笑いながら碁を打った。
     碁は藍曦臣が勝った。その頃には亥の刻を迎えていた。
    「もう寝るだけだろう? ひとくち、飲んでみるか? 金丹で消すなよ」
     江澄が差し出した盃を受け取ったところまでは記憶がある。だが、天子笑の味は覚えて 1652