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    しの☆

    @shinoooonxxx

    こちらにはpixivから移動させた松のお話が置いてあります。気になったら覗いて見てください😊

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    LINE松シリーズ3。やっぱりシリアスになる。

    年中松のLINE2いっち : …どうしようチョロリン

    チョロリン : 今度はどうしたの?

    いっち : カラ松兄さんにキス、され、あああああああああ!!

    チョロリン : 落ち着いていっち!え、何、どう言う事?カラ松兄さんに?

    いっち : ぼくが足もつれて、兄さんが支えてくれたんだけど…そん時にチュッて…

    チョロリン : わざと…?

    いっち : 分かんない…わざとな感じはしなかった…

    チョロリン : 偶然当たっちゃったって事?

    いっち : そんな感じ…それで、その後耳元で囁かれた

    チョロリン : なんて?

    いっち : 「一松の初めて、俺でごめんな」って…めっちゃくちゃ良い声で!もうわざとなのか分かんない!

    チョロリン : うわあ…耳元でそんなの言われたら感情ぐちゃぐちゃなるよな…

    いっち : でも別に謝らなくて良いのに…

    チョロリン : いっちにはご褒美だよねえ

    いっち : うん…初めてがカラ松兄さんで良かった

    チョロリン : 良いなあ、事故とは言え羨ましい!僕なんかおそ松兄さんのおそ松くんグリグリされたんだよ!

    いっち : え…それはちょっとwww

    チョロリン : でしょ!兄さん最近セクハラ凄いんだよねえ…そう思わない?

    いっち : え、ぼくにはしないけど

    チョロリン : え、そうなの…?

    いっち : チョロリンにだけじゃないの?

    チョロリン : え…え、何、どう言う事?

    いっち : もしかしておそ松兄さん、チョロリンの事…

    チョロリン : ま、さかあ!あの兄さんだよ?女の子大好きな兄さんだよ!?おっぱい星人な兄さんだよ!?

    いっち : ひwどwいw言wわwれwよwうw

    チョロリン : …でも、それでも良いかなあ。兄さんがいつか結婚とかしても、初めて抱くのが僕なら嬉しいなあ…

    いっち : チョロリン、健気…

    チョロリン : 良く言うじゃない。男は最初の男になりたがり、女は最後の女になりたがるってさ

    いっち : あー、それ凄い分かる

    チョロリン : ね。まあ、そんな事世界がひっくり返ってもないだろうけど!

    いっち : ぼく達、ホント不毛な恋してるよねえ

    チョロリン : でもいっちがいてくれて良かったよ。一人じゃ辛いからね

    いっち : ぼくも。ね、兄さん達に振られたらぼく達付き合っちゃおうか

    チョロリン : はは、それ良いね

    いっち : その前に告白する勇気なんてないけどね

    チョロリン : それな




    ◎◎◎◎◎



    いっち : …兄さん達、好きな人いるみたい

    チョロリン : え?

    いっち : さっきたまたまおそ松兄さんのスマホに通知来たの見ちゃったんだけど、カラ松兄さんからで。今日もmy Angelは可愛かったとか、兄さんの女神は綺麗だとか書いてあって…

    チョロリン : …あー。やっぱりいるんだね、そういう人。そうだよねえ、あの二人に好きな人いないなんて事、ないもんね

    いっち : うん…でもそれが、本当にその人が好きなんだなって分かるくらいの優しい文章で。…あー、ヤバい泣きそう…

    チョロリン : 兄さん達にそんなに想われてる人が羨ましいね

    いっち : うん…でもそんな話をしてるって事は、兄さん達はお互いの好きな人知ってるって事だよね

    チョロリン : あ、まあ…そうなるよね…

    いっち : ぼく達みたいに恋バナしては一喜一憂してんのかな、可愛い

    チョロリン : …これで良かったのかも知れないね、僕達は兄弟だからさ

    いっち : うん。兄さん達に気持ちバレる前で良かったかなあ…

    チョロリン : そうだね。恋人って別れたら終わりだけど、兄弟は一生兄弟なんだから

    いっち : …でもやっぱりしんどい

    チョロリン : …僕も

    いっち : …カラオケ行かない?

    チョロリン : 良いね。思い切り泣いて発散してこようか

    いっち : うん、そうしよ

    チョロリン : じゃあ駅前で待ってる

    いっち : すぐ行く




    ◎◎◎◎◎




    チョロリン : ……しにたい

    いっち : !?どうしたの、チョロリンがそんなの言うの珍しい

    チョロリン : 兄さんにバレた…

    いっち : 何が?

    チョロリン : …兄さんの事、好きなの

    いっち : …マジで?

    チョロリン : うん…

    いっち : 何でそんな事に

    チョロリン : 財布に入れてた写真落としたの見られた

    いっち : あのツーショットのやつ?

    チョロリン : そう…

    いっち : それで?兄さんの反応は?

    チョロリン : それが…すっごい無表情になって「へー…」って。「ほら」って返して来て、そのまま部屋出てっちゃった…

    いっち : うわあ…その反応辛い…

    チョロリン : あれ絶対ドン引きだ…どうしよう…

    いっち : チョロリン…

    チョロリン : 嫌われるならまだしも、軽蔑されたら生きていけない…

    いっち : まだそう決まった訳じゃないから!ぼく、今からすぐ帰るから死なないでよ!

    チョロリン : うん…

    いっち : 昨日兄さん達に好きな人いるって分かった後だから余計辛いよね

    チョロリン : 未練がましく写真なんて持ってないで捨てれば良かった

    いっち : そんな簡単に忘れられたら苦労しないって。チョロリン、どこにいるの

    チョロリン : 二階の押し入れの中

    いっち : 分かった

    チョロリン : 下に多分兄さん達いるから気を付けて


    -----


    ガラガラガラガラ!ピシャン!ドタドタドタドタ!
    居間にいた四人の兄弟が全員ビクリと肩を揺らすには充分な騒音だ。そんな帰り方をするのは六つ子に一人しかいないはずだが、一番可能性の高い五男は今、部屋の隅にあるバランスボールの上にいる。長男、次男、末っ子が揃って目を見交わす。ここにいないのは三男と四男だが、一番そんな騒音とは縁遠い二人だ。
    ダダダダダダ!開け放しの居間の襖の前を駆け抜けて行ったのは紫のパーカー。と言う事は、普段のそのそ歩く四男だ。


    「…一松?」
    「一松兄さん?」


    ぽかんとした直後、これまた勢い良く階段を駆け上がる足音と二階の襖を思い切り開け閉めする音が響いた。


    「…一松、あんなに走れるんだなあ」


    どこか論点のずれた感想を口にする長男おそ松に、全員頷いたのは今見たものが信じられないからだろう。


    「…何かあったんすかね…」


    心配そうに口元に長い袖を充てる五男の言葉に、ゆっくりと兄二人が立ち上がる。


    「ちょっと見てくる」






    一方、兄弟の困惑など一切目に入らないまま二階に駆け上がった一松は、まっすぐ押し入れの前に行くと今までの勢いが嘘だったようにそっと押し入れの襖をノックした。


    「…チョロ」
    「っ…」
    「ぼくしかいないから…開けて?」
    「……」


    すす…音一つ立てずに襖が細く開けられる。中から見えたのは不安そうな顔をした三男、チョロ松。


    「いち…」
    「大丈夫、ぼくだけ。…ねえ、出て来てよ」
    「…うん」


    そろそろと、まるで初めて巣から出る雛のようにチョロ松が押し入れから出て来る。そしてそのまま、目の前に座る一松に抱き着いた。


    「…どうしよう、いち…」
    「大丈夫、チョロはぼくが守るから」
    「いち…」


    腕の中で微かに震える体、続く小さな嗚咽。
    こんなに声を殺して泣くチョロ松を見るのはいつぶりだろうか。チョロ松は一松の前でしかこの泣き方をしない。兄二人には絶対に見せないし、末っ子達の前ではそもそも泣かない。一番近い位置にいる一松にだからこそ、見せられる姿。
    気の済むまで泣かせてやらないとチョロ松は不完全燃焼で引き摺るのに、遠慮がちにそっと廊下に続く襖が開く。


    「…っ!」


    ギッ、と睨み付けると次男カラ松が少し眉を寄せて薄く開いたそこから覗いていた。


    (向こう行け)


    普段は格好良くて頼れる大好きな兄だが、今はダメだ。今の一松にとっての最優先事項はチョロ松なのだ。


    (来んな)


    目でそう伝えるとカラ松は小さく息を吐いて頷いた。その隣からそっと顔を出したのはおそ松で、長男にも一松は消えろと指を突き立てる。


    「…いち…?」
    「ん、何でもない。大丈夫」
    「うん…」


    早く行けとばかりにシッシッと手を振ると、ようやく兄達は襖を閉めた。


    「…僕、やっぱり引かれたよね…」
    「そんな事ないって、兄さんパニクると意外と無表情になるじゃん…それだよきっと」
    「でも、あんな写真大事に持ってるとかさ、絶対僕が兄さんの事好きなの、バレた…」
    「好きなのは仕方ないじゃん、そんな簡単に諦められるもんじゃないんだしさ」
    「そう、だけど…」


    ひっく、小さい啜り泣き。多分一松が話した兄の彼女の事を思い出しでもしたのだろう。泣きたいのは自分も一緒だけれど、今はチョロ松を泣かせてやらないといけない。


    「っ、どんな人、なんだろ…」
    「…分かんない、けど…きっとすぐ振られるよ、あんなクズニートだしさ…」
    「そ、かなっ…」
    「そうだよ、彼女にも金貸してとか言ってビンタでもされてさ、ほっぺた赤くして振られて来るよ」
    「…っ、ふふ、…そう、かもね…」
    「そしたらさ、言ってやれば良いじゃん。“僕がいるのに彼女なんか作るからそうなるんだ”、って」
    「うん…うん、そうだね…」
    「だから大丈夫、ぼくがずっとチョロと一緒にいるから」
    「うん…ありがとう、いち…」


    階段を降りた音はしなかったから、多分話は聞かれているのだろう。けれど一松はそれで良いと思った。だってそうでもしないと、チョロ松の恋は知られずに終わってしまう。そんな、どこの誰だか分からない女神より、ずっと一途におそ松を想い続けている人間がいる事を知れば良い。


    「…ありがと、もう大丈夫」


    ぐす、鼻を啜りながら顔を上げたチョロ松の笑顔は無理したものではなかったから安心する。


    「もう良いの?」
    「うん。久しぶりに泣かせてもらったから、スッキリした」
    「そんなら良かった」
    「…ごめん、いちも泣きたいのにね」
    「ぼくは…まだ、気持ちバレてないから」
    「そっか…」
    「それよりさ、今夜は失恋パーティーでもしない?ご飯、食べに行こ」
    「…良いね。僕、焼肉食べたいな」
    「ワリカンね」
    「分かってるって。じゃあ顔洗って来るから先に玄関行ってて」
    「分かった」


    警戒しながら襖を開けると、そこに兄達の姿はなかった。そっと降りたのか、隣にある物置に身を潜めたのは分からないけれど、取り敢えずチョロ松に気付かれなくて良かったと安堵の息を吐いて静かに部屋を後にした。







    (何あれ、何の勘違い?)
    (彼女って何の話だ…?)


    二人が階段を降りて行く足音を聞きながら、案の定物置に潜んでいた兄二人は揃って首を傾げた。



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