ワンドロ【仕事中】【日記】「最近、アルハイゼン書記官の機嫌がいいわね」
知恵の殿堂で古代建築の図面を漁っているときに聞こえてきた言葉。
(アルハイゼンが?)
視線だけでそちらを見て、カーヴェは聴覚に意識を集中する。
「本を持って執務室でランチをしているのはいつものことだけど、午後の仕事もいつも以上にテキパキと仕事をこなしてるわよね」
「何かいいことでもあったんじゃない?」
くすくす笑いながら遠ざかっていく教令院の教官を横目で見送って、本を閉じた。
(ランチの時間って、ここ最近は毎日弁当を持っていってるけどな)
数日前、アルハイゼンはランチをカーヴェに作って欲しいと伝えてきた。
もちろんこんな可愛げがある言い方ではなく、なんだかんだ言い合いみたいなことをした結果そこに着地した。
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