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    keiyoajhyy

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    recommended works

    高間晴

    DOODLEチェズモク800字。ツーカーの二人。■明日を待ちわびて


     モクマは現在、敵アジトに潜伏中だった。腕の立つ用心棒という立ち位置を得てはや数日が経つ。便宜上の『仲間』が「一緒に飲まないか」と誘ってきたが、笑って断った。与えられた個室に戻ると、ベッドに座ってこの数日でかき集めたアジトの内部構造をまとめ、タブレットでチェズレイに送信する。と、同時にタブレットの中に保存した情報を抹消する。
     ――やれやれ、これで明日はチェズレイのもとへ帰れるな。
     そこまで考えてベッドに寝転がると、自分が帰る場所はチェズレイのところになってしまったんだな、なんて今更なことを思う。
     そこでいきなりピコン、と軽い電子音が響いた。寝返りを打って見れば、メッセージアプリにチェズレイからのメッセージが入っている。
    〈無事ですか〉
     ただ一言だが、モクマの脳裏には心配でたまらないといった様子の彼が思い描けた。
    〈大丈夫だよ〉
     そこまで打って送信し、返事を待つ。数分の後にまた通知音が鳴った。
    〈行き先は確認しました。明日のデートが楽しみですね。何時に行けばいいでしょうか?〉
     『行き先』は内部構造図、『デート』は潜入ミッションの隠語だ。事前の打ち合わせ 846

    高間晴

    DOODLEチェズモク800字。今度はモさんがうだうだしてる。
    https://poipiku.com/108543/4050417.html の続き。
    ルクアロルクの描写を含みます。
    ■最近の悩み(Side:M)


    「じゃあまたコーヒー淹れてくるわ」
     モクマはチェズレイの空になったカップを受け取って書斎を出た。さっき彼の手にしていた携帯の画面が、遠目でちらりと見えてしまったのを思い出す。
     さすがにここまで共に過ごした上であれを見て、彼が自分以外の誰かとセックスがしたいんだなんて思うほどモクマは朴念仁ではなかった。
     おじさん、求められてるんだなぁ。あんな美青年に。
     ぼうっとそんなことを考えながら、キッチンでカップを洗う。
     きっとチェズレイはどっちも未経験だろうから、俺がネコ側やるのが妥当なんだろう。
     でも、あいつは知らないかもしれないが、セックスなんてのは時としてみっともなくて滑稽なものだ。ただでさえこんな――あの美しい男にこんなおじさんの喘ぎ声だとか痴態を晒すなんて、とてもじゃないができない。我慢すればいいだけの話だなんて言わないでほしい。人生で初めてこれだけ惚れた男に求められて触れられて、抑えられるだけの自信がないのだ。
     それが恥ずかしいなんて可愛い感情ならまだどうにかできた。だが自分が抱えているのは恐怖と惨めさ、とでもいえばいいのだろうか。
     も 853

    高間晴

    DOODLETLに花見するチェズモクが流れてきて羨ましくなったので書きました。■夜桜で一杯


     新しく拠点を移した国では今が桜の花盛りだそうだ。それを朝のニュースで知ったモクマは「花見をしよう」と期待たっぷりに朝食を作るチェズレイに笑いかけた。
     日が沈んでからモクマはチェズレイを外へ連れ出した。桜が満開の公園へ行くと、ライトアップされた夜桜を楽しむカップルや友人連れの姿がちらほら見える。一箇所、満開の桜の下が空いていたので、そこにビニールシートを広げて二人で座る。持ってきたどぶろくの一升瓶からぐい呑みに注ぐとモクマはチェズレイに渡す。続けて自分の分もぐい呑みに注ぐと、二人で乾杯した。
    「や~、マイカから離れてまた桜が見られるとは思ってなかったよ」
    「それはそれは。タイミングがよかったですね」
     モクマがいつにも増して上機嫌なので、チェズレイも嬉しくなってしまう。
    「おじさん運がなくてさ。二十年あちこち放浪してたけど、その間に桜の花なんて一回も見られなかったんだよね」
     でもそれもこれも全部、なんもかも自分が悪いって思ってた――そう小さな声で呟いてぐっと杯を干す。
     このひとはどれだけの苦しみを抱えて二十年も生きてきたんだろう。事あるごとに何度も繰り返した問い 1240

    高間晴

    DONEチェズモクワンライ「傷跡」。一緒にお風呂。■揃いの傷跡


    「はぁ~いい湯だ……」
     二十年に渡る放浪時代や、あのミカグラ島であった一連の事件。その間、ゆっくり湯に浸かるなんて考えられなかった。
     場所はヴィンウェイのセーフハウス、バスルーム。広々とした大理石調のサーモタイルが敷かれた空間。そこに鎮座する大きめの猫足バスタブに湯を張って、モクマは風呂の時間を楽しんでいた。
     実は家主から先ほど連絡があり、『帰りが少し遅くなります』とのことだったので先に風呂を済ませてしまおうと思ったのだ。
     ざば、と湯船から湯をすくって顔に浴びると、生き返るような心地がする。鼻歌でも歌いたい気分だ。ふと顔を上げれば、ラックにはチェズレイが使っているシャンプーや洗顔料、ボディソープのたぐいがずらっと並んでいるのが目に入る。マメな男だなぁ、なんて感想しか出てこない。
     そこへ声が飛び込んできた。
    「モクマさん、入ってもいいですか?」
     ああ、あれか。あの洗顔料、確か洗面所に置いてあるやつだったはず。忘れてたのを取りに来たのかな、なんて思ったモクマは軽く返事した。
    「はいよ。どうぞ」
    「では失礼して」
    「……って、お前どうしたの!?」
     モクマが驚い 1663