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    yana0u0

    絵と日常SSを載せています。
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    yana0u0

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    ありそうで絶対にない日常二つ目。
    贈り物をする兄さんと、受け取る王妃様のSS。

    兄さんが誰かに贈り物とか絶対あり得ないけれど、あったらいいなと思いながら書きました。

    ##キン肉マン
    ##アタル
    ##小百合

    素直じゃないとこも可愛くてよろしい(アタル・王妃) 人払いをした自室に、小百合は戻る。
     パタンッと扉を閉めたと同時に軽く息を吐いたのは、ほとんど無意識に近かった。
    (大勢の人に、お祝いされるのは嬉しいけれど……)
     寄る年並みには敵わないのか、気疲れしてしまうのは否めなかった。
    (偶には静かに一日を過ごしたいものね……)
     王族であるため中々に難しいところはあるが、また昔のように家族でどこかに出かけて息抜きをしたいと思う。
     しかし今は世代交代の最中でもあるため、自身も夫も息子夫婦も、それぞれで忙しい。
     暫くは叶わないであろう願いに苦笑をしつつ部屋の奥へ進むと、ドレッサーの上に見覚えのない花が一輪置かれていた。
    「?」
     白い包装紙に赤いリボンが巻かれたシンプルなラッピング。そして、その中には一輪の桃色のスターチス。
    「一体、誰が……」
     ここは王族の私室である。城の中でも奥まった場所のため、侵入がしにくい。警備も厳重なので、誰にも気づかれずに行き来することは、並大抵の実力では不可能だ。
    「……ふふふっ」
     本来であれば、すぐにでも警備を呼ばなければならないのだが、なぜだか小百合は微笑んでいた。今の一瞬で脳裏を過った存在が、きっと犯人だろうと思ってしまったから。
     それはもう理屈云々の話ではない。敢えて言うのであれば、母親としてのカン。みたいなものだろう。
     不器用な彼が自ら進んでするとは思えない。もしかしたら、別の誰かかもしれない。
     けれど、あの子だと信じたかった。きっと背中を押した存在がいるのだろう。
    (あの子に、こんな素敵な入れ知恵をしたのは誰かしら……)
     そう、思いたかった。
     
     風の噂で、あの子が新たな組織を立ち上げると聞いた。もちろん便りはない。和解したとは言え、今までの事を思えば仕方のないことだろう。
     元気でやっているなら、それでいいと思っていた。けれど気にしていないわけではない。
    「組織が出来たら一度だけ、手紙を送ってみようかしら……」
     返信は恐らくないだろう。あの子はそう言う子だ。むしろ今更なんだと迷惑になってしまうかもしれない。
     ただ願わくば許してほしい。こんな素直じゃないことをされて、身勝手にも可愛いと思ってしまう母のことを。
     
     部屋の窓辺に飾られた桃色のスターチス。
     花言葉は、永遠に変わる事のない愛。
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