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    mksb_94

    落書きとワンクッションが必要系置き場

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    MEMOちまちま続き書いてた鮫ロナ君監禁話その3。ドちゃ視点で初めての食事まで。
    吸血鬼と鮫の人魚③ 再会した時に見せたあの表情は、確かに喜びに満ちていたのに。ここに来てロナルド君が最初に見せたのは怯えた表情だった。なにが怖かったのだろう、こんな脆弱な私に恐怖する要素なんてないはずなのに。私を殺した後は恐怖の色が消し飛んでいたので、これで元に戻るかと期待したけれど、あの柔らかい表情は戻らなかった。
     しばらく窓の外を見ていた彼がひとつ大きなため息をついた後、尾ビレで床を叩いて水槽に飛び込んだ。その際の水飛沫が身体を貫き、私はまた砂になった。
    「えっ、簡単に死にすぎだろ!前は外で風もあったのに平気だったじゃねぇか、あっ、もしかして俺がお前の砂食べたから?」
     ロナルド君はその生まれ持った強さに似合わない精神構造をしている。自分は怖がられる存在であることを受け入れているし、その恐怖を与えられる力を求められているとも理解している。海では神格化され、実際に力を行使すれば敵無しな事実もあるのに、何故か自分に全く自信がなく、自らの行動が他者に与える影響はよくないものだと思い込んでいる。だから殺しにかかって殺せなかった私の心配までしてしまう。
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