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    幼馴染のバレンタイン

    「これを駿介と悠に?ああ、アイツら甘いモン好きだし喜ぶと思うよ」
    「そうかな、ありがとう六堂くん!」
    「六堂くんにも作ってきたの!良かったらこれ…」
    「ん、ありがと。嬉しい」
    -----
    「あれ香雅莉じゃ〜ん!そんなとこで何し、て」
    「………」
    「香雅莉〜?それ捨てちゃうの?」
    「…悠か。だって知らない奴からのって怖いだろ。それにこれ手作りっぽいし」
    「んえ〜でも食べ物でしょ?もったいないから左の袋の方ちょーだい!」
    「そうかよ、分かった。腹壊すなよ」
    「あいよん!で、その右の方は捨てちゃうんだ?誰からのやつ?」
    「B組の大宮さん」
    「エッ大宮さん!?駿介の事好きだって噂だよね!?」
    「そうなのか?『これ駿くんへ』って言われたんだよ」
    「あ〜〜〜……それは…ねぇ香雅莉的にも嫌だったワケだ」
    「まぁそりゃ」
    「じゃあそっちの方もオレ食べよっか?」
    「いやこっちは駄目。なんか分かんねぇけど完全にヤバそう。お前らに何かあったらその女殺っちまうかもしれねぇから」
    「あはは、そっかぁ。愛されてんね〜オレら♪」
    「何年の付き合いだと思ってんだよ」
    「それな〜!?幼稚園の頃からだしな!やっぱオレらってさいきょ」
    「コラ〜!!!」
    「何だ?」
    「熊城!!今日という今日は許さんからな!またお前授業中に爆睡しやがって…!しかも前列でだ!これからたっぷりみっちり授業してやるから大人しくA組の教室で待ってろ!」
    「えぇこわぁいセンセ〜!逃げろ〜!!」
    「待ちなさい!!」
    「って事でごめんね香雅莉!また後で!!」
    「お〜捕まんなよ〜」
    -----
    「香雅莉くんと悠くんの分なんだけど赤平くん、2人と仲良いよね!お願い!2人に渡しておいてくれる…?」
    「?何かあったっけ?」
    「やだなぁ赤平くんてば、何かって今日バレンタインだよ?」
    「あ〜あったねそんな行事」
    「本当にサッカー以外に興味が無いんだね」
    「んは、ごめんね。てことはこれチョコ?自分で作ったの?」
    「えっ!?うん、そう!可愛く出来たから!」
    「そっか。ちゃんと渡しておくね」
    「うんっありがとう!」

    「あ!おーい!駿介〜!!ちょーぐーぜん!!」
    「あれ、ハルだ。今帰り?」
    「そー!あらっ駿介サンてばモテ男なんだから〜!!」
    「そ、良いでしょ。あ、そうだ2人に渡してって言われてたやつあんだ」
    「否定しないトコ好きよ!それよりなになに!チョコ!?」
    「ん、はいこれ。手作りなんだって」
    「すご!!最早売り物じゃん!」
    「家に帰ってからデスヨ。…カガってもう帰った?」
    「んむ〜?はいふにゃらおんにゃのほにふかまっへふよ〜」
    「食べてるし。女の子に捕まってるの?久々に3人で帰りたかったけど仕方ないね」
    「放課後って腹減るじゃん?不可抗力不可抗力!そだね、こればっかりはしゃーなしやで…ってあれ?あそこにいるの香雅莉じゃね?」
    「!本当だ。行こ」
    「アッちょっと早いってぇ!!」

    「カガ!」
    「駿介!悠も!」
    「さっきぶり〜!上手く巻けたよん!」
    「ははっ先生も大変だな」
    「何?僕の知らない話?」
    「そ〜ホントにさァ聞いてよ駿介〜!!!」
    「はいはい聞くから待ってね。これカガにって。チョコだって」
    「あぁ、悪ぃな。ありがと。そうだ2人とも家来るだろ?母ちゃんとばあちゃん、弟の試合見に行くから夜まで帰ってこねぇんだと」
    「さんせー!」
    「良いの?じゃあ折角だしお邪魔するね」
    「了解」
    「それでなんだって、ハル?」
    「そー、センセ〜がさぁ…」
    -----
    「散らかってっけどあがれよ」
    「久しぶりだね、カガの家」
    「ね!マジ実家すぎて安心するよね〜」
    「手洗いうがいして来いよ。その間に飲み物持ってきてやるから」
    「わーいわーい!行こっ駿介!」
    「落ち着いて取り敢えず。ごめんね、ありがと」
    「気にすんな」

    「…………これ全部か、はは。貰い過ぎだろ。ゴミはゴミ箱に…ってな?」

    「ただいまー!オレファ○タ!」
    「お〜知ってる知ってる。駿介はミルクティーだよな?」
    「覚えててくれたんだ、ありがと。貰うね…あれ」
    「どうした?」
    「貰ったチョコの袋どこやったっけって」
    「学校に忘れてきたとかじゃなくて!?」
    「んん〜?確かに持ってきたと思ったけどな…」
    「まぁ明日探せば見つかるだろ。手伝うぞ」
    「オレも!エン○ラーアイのこのオレが見つけられなかった物なんて無いからな!!」
    「ハルそれ黒○スだから。赤司○十郎だから。でも迷惑かけてごめんね2人とも、僕の不注意で…」
    「そんな落ち込むなって。そうだ腹減ってねぇか?飯食ってけよ、1人分も3人分もそう変わんねぇから」
    「わー!!香雅莉のご飯だ〜!!楽しみ〜!!オレ今なら白飯10杯はいける!」
    「いけないです。バカなこと言ってないで手伝ってくれ」
    -----
    「もういい時間だしそろそろ帰ろうか」
    「ヤダーッ!泊まりたい!!」
    「分かるけど帰るよ、明日も学校あるんだから」
    「はは、またいつでも来いよ。泊まりはその時な」
    「約束ね!じゃあ帰ろかえろ!香雅莉ばいば〜い!」
    「ありがとね、おやすみ」
    「ああ、おやすみ2人とも。また明日な」
    -----
    「……はぁ…はは。ちゃんと持ってきてたよ。大事そうに持ってた。押し付けられて可哀想にな。断れなかったんだろ、アイツ優しいからなぁ。っはは」
    「ただいま、香雅莉。って何その大量の袋!?」
    「ン、今日部屋掃除してさ。そのゴミ」
    「そんなに沢山?もう、日頃から掃除しないからでしょ。明日がゴミの日で良かったわねぇ」
    「ホント、明日がゴミの日で良かったって熟そう思うよ」
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