君のテディベアになりたい「サンウその薬なに?」
「睡眠薬だよ」
「おい、袋に一回2錠って書いてあるのになんで4つ飲んだ」
「最近効きが悪いから」
「えー…それってよくないんじゃ」
「寝れない方が困るんだよ、大丈夫だから」
「う〜ん」
サンウの寝つきが良くなるように色々と工夫するギフン。湯船に浸からせて、アロマオイルでマッサージして、ホットミルクを作って飲ませる。
「ギフン兄さん、それは?」
「テディベアだよ。こいつを抱くとよく眠れるらしいよ」
「俺を何歳だと思ってるんだ…俺、熊にトラウマがあるから、兄さんがぬいぐるみの代わりになってくれない?」
「トラウマ?知らなかった!見えないとこにしまっておくな。一緒に寝ればいいか?」
「うん」
二人で同じ布団に入る。ギフンを背中から横抱きにするサンウ。首筋にサンウの吐息が当たってギフンが身震いする。
「んんっ、くすぐったい」
「兄さん昔から首周り弱かったよね」
「そうだよ、あっ、だから触るなって」
サンウがギフンの首筋を撫でて、そのまま手を襟ぐりに滑り込ませて素肌をくすぐっていく。
「んふっ、っう、こらっ、やめろっ」
「ぬいぐるみは喋らないよ」
「屁理屈言うな!こんなやらしい手付きでぬいぐるみを触るやつなんていないだろ…」
「そう?ぬいぐるみは手触りを楽しむものだと思うけど。兄さんが勝手にやらしい気分になってるんじゃない?」
「うるさい、んっ、ばかっ、ちがう」
「兄さん、嘘ついても分かるよ。ここをこんなにしておいて…」
「っそれは、お前が、変なところ触るから!もうっ、明日も早いんだろ?いい加減にして寝なさい」
「ちょっと運動して疲れた方がよく眠れそうな気がする」
「…」
「兄さん?怒った?」
「今の俺はぬいぐるみだからもう口きかない」
「好きにしていいってこと?」
ギフンはもう返事をしなかったので、サンウはその夜幼馴染の身体を隅々まで撫で尽くして、翌朝遅刻した。