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    ushio0410

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    ushio0410

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    あと少しで終わるんだけどここまで書いて満足してしまった冬のココ日

    #贄の町
    townOfSacrifice
    #ココ日

    長夜の静寂「ん?」
     ココが脱衣所から廊下に出ると、広間の奥から冷たい風が流れてきた。風呂で温まったばかりの身体に、冬の冷気が刺さる。
     誰かが縁側の雨戸を開けたのだろうか。
    「まったくもう……あ」
     誰にしろこんな真冬の夜に戸を開けるなんて、とその誰かに文句を言いながら角を曲がる。
     ココの予想通り雨戸は開いていた。予想外だったのは、そこにいた人物だった。
     驚き足を一瞬止め、今度は静かにその人物に近付く。雨戸の外を眺めていた人物、日天はココがそばに来るのに気付かない。
     日天の真後ろまで行くと、ココは目の前の身体を抱き締めた。
    「寒くない?」
    「わっ、……何だ、ココか」
     ビックリしただろ、と軽く睨まれるが本気で怒っていないのは分かっている。
    「ごめんね。何してるの?」
     すっかり冷たくなっている日天の身体に、自分の体温を移すように密着させながら訪ねる。
     日天も寒かったのか、ココの体温に擦り寄ってきた。
    「雪を見てたんだ」
    「雪? ……本当だ」
     日天に言われ外を見ると、はらはらと白い雪が降っていた。どうりで寒いはずだ。庭に点々と置かれた灯りに照らされ、幻想的なその景色に思わず感嘆の声を漏らす。
    「綺麗だね」
    「だろ? 冬の夜ってさ、凄く静かで、その中で降る雪って何か良いよな」
     静かに降り続ける雪を見上げ、日天が言う。確かに、夏や秋の夜に聞こえていた虫の声が今はしない。都会のような喧騒も無ければ、昼間の騒々しさも無い。ただただ無音で、まるで時が止まった世界で雪だけが降っている。
     この世界には自分たちしかいない、そんな錯覚すら覚えてしまう。けれどもそこに恐怖は無く、空気は冷たいのに心は温まっていく。
     愛しさが込み上げ、ココは冷たくなった日天の手を掴むと指先に口付けた。それを日天は擽ったそうにくすくすと笑う。しかし手を振り払う事はせず、掴まれた手を握り返す。
    「明日、雪積もるかな?」
    「どうだろうね」
    「積もったら雪だるま作りたいな。雪合戦も。皆としたら楽しそうだ」
     にこにこと楽しそうに話す日天に、ココも笑みを深める。
    「じゃあ僕は、遊んだ後に温まる物を作ろうかな」
    「良いな、それ。甘酒、甘酒が飲みたい!」
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