ドラロナ 魔法少女?ネタ「私と君が魔法少女だったとしよう」
「そっか。お前遂に催眠耐性もダメになっちまったか」
「憐れむな。続けるぞ」
「続けんな」
「私達はバディを組んでいる」
「あー、設定似せてんのか。現実と」
「君は暴力、私は知力を駆使して敵を倒していく」
「魔法使えや」
「君は私を信頼している」
「……一応は」
「ある日、君は強大な敵の気配を察知する。そこには私の気配も混ざっていて、君は心配になりながら単身駆けつける」
「……」
「しかしそこに居るのは私一人。敵の姿はどこにもない」
「テメエ一人で倒しました。めでたしめでたし」
「それならば良かった。だが違った。その強大な敵こそが私だったのだ」
「──アホくさ」
「はじめから狙いは君だった。君を我が物にするため、か弱い味方を演じて騙してきた。今か今かと、時が来るのを待ち続けていた」
「知るかよ。そうなったらテメエなんざぶん殴って……」
「君は私に同情を覚えていた。君は私を信頼していた。君は……君は、私を愛し始めていた」
「違う」
「君はろくに抵抗も出来ず、私の毒牙に掛かるのだ」
「……やっすい話だな。くだらねえ」
「そう。ありきたりで下らない──事実に基づく、ただの作り話さ」
「は……?」
「なーんてウソウソ。やだー暴力はんたーい。私か弱いんだから。ね?」