遠くない未来で君が待つ(書きかけ)「武々夫にフられた!!」
張り裂けんばかりの大声と共に、部室のドアは叩き壊される勢いで開けられた。
驚いた私の肩が大きく跳ね、手に持っていた赤のサインペンは宙を舞い、肩に乗っていたアルマジロのジョンは一瞬空を飛んだ。全開の入口から寒気が流れ込む。
文芸部の部室兼、私の書斎。この雑多な物に溢れ手狭な部室に訪れるのは、口うるさい[[rb:教頭 > クソヒゲ]]か、唯一の所属部員くらいのものだ。──来ると知っていれば、ちゃんと用意しておいたのに。後悔の念に駆られた。
銀色のショートヘアを無理矢理結んでワンサイドアップにしている“彼”は、学校指定の女子制服を身に着け、仁王立ちで私を見据えている。なにやら小さい紙袋を持っているようだ。
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