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    annojo_94

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    annojo_94

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    病んでルクさまと自信無しルドくん

    「ところで、これは提案なんだが」
    「強い衝撃を与えたら記憶消えたりとか」
    「その前に死ぬぞ私は。いや待て、先に話を」
    「分かった。俺の記憶消すわ。ちょっと待ってろ、壁に頭叩きつけてくる」
    「早まるなアホ。そこに止まれ」
    「嫌だ。テメエはさっさとソレ飲ませてくればいいだろ。相手が誰だか知らねえけど。……俺なんか放っとけよ」
    「気が変わった」
    「はあ?」
    「たった今、必要が無くなったんだ」
    「……」
    「いくら君がにぶちんゴリラといえど、流石に察してくれるね?」
    「いや、まだだ。信じねえぞ。これで誤解だったら、俺……」
    「そう。じゃあ何をしたら信じてくれる?」
    「へ?」
    「そういうオネダリなんだろう?」
    「おねっ……!?」
    「ふふ、君ってば存外欲張りじゃないか。さあ、何をしてほしいか言ってごらん」
    「……家……」
    「家? ……えっ、なにルドくん。家ってなに」
    「もし。家、出ていくなら。先に言ってほしい」
    「は……?」
    「ずっとここに居てくれなんて贅沢言わねえから、だからせめて。飽きてどこかに出ていくとき」
    「……」
    「黙って行かないで、くれ……」
    「そんなことが、好意の証明になるの。……ならないでしょ? 駄目。考え直して。今すぐ。ほら向こう。思いつくまで予備室に篭ってろ」

    「……」

    「──……もしもし。ああ、ええ……効果のほどというか……例の薬は必要がなくなったというか。代わりにお願いしたいものが」

    「ゴリラも余裕で仕舞えるような檻を一基、用意していただきたいのです」

    「出て行く気も無ければ、出て行かせる気もないのだと、解からせてやる必要がありましてね」
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