おチビちゃんは告白したい【フェイジュニ】 それは唐突だった。
「好きだよ、おチビちゃん」
そういうことは、今からクラブに行ってくるとかなんだとか、そんな普通の会話の中で言うことではないと思う。
なにを言われたのか咄嗟にはわからなくて、おれの口がぽかりと開く。問題の発言をした男は、おれのそんな顔をじっくりと眺めてから、ニヤニヤ笑って手を振った。
「じゃ、俺、もう出るね。いってきまーす」
「お、おう……? いってらっしゃい……?」
「夜更かししたら、背が伸びないからね。おチビちゃんはいい子で寝てなよ」
「お、おう……?」
「アハ、いつもみたいに噛みついてこないんだ」
こうして一人残されたおれは、脳内でクソDJの発言をくり返した。
……あ! あいつ、おれのことチビ扱いしやがった!
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