べチャリ。
「あっ」
「あーあーなにやってんだよ」
七ツ森が口に運ぼうとしていたフルーツサンドが机に落ち、隣りに座っていた風真がポケットからティッシュペーパーを取り出す。器用に机についたクリームを拭き取ってから、風真は自分のアンパンを半分に割って七ツ森に差し出した。
「ん、やるよ」
「え…あ、サンキュ。……てか、その。今、なんて?」
動揺が抑え切れないまま、七ツ森は前の席に座る本多に問う。本多は隣りに座っている小南とちらりと視線を交わしてから、先程の問をもう一度声を潜めて口にした。
「ミーくんとリョウくんってつきあってるの?って聞いたよ」
「で、俺が「そうだ」って答えた」
「いやそれなんだけど」
七ツ森は半分に割られたアンパンを齧りながら風真を見やる。
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