「あっつ!」
「当たり前だろ、焼きたてなんだぞ。気をつけて食えよ」
「あー……舌火傷した……でもやっぱり焼きたて、美味い」
「そうだな」
目の前のカザマは専用のピックで器用にたこ焼きを回転させながら笑う。……あんまそう無防備に微笑まないで欲しい。ただでさえ予定外に今日は二人っきりなワケだし。そもそも今日の発起人はダーホンじゃん? そりゃ急な家の用事は仕方ないけどさ、こんな急に二人っきりにされたらこっちの心臓が持たないんデスよ。
目の前のカザマはそんなこっちの気持ちなんて素知らぬ顔で『焼けたぞ』なんて言いながら俺の皿に焼けたたこ焼きを放り込んでくる。……あーあ。意識してるの、俺だけなんだろーね、コレ。
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