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    ふゆつき

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    ふゆつき

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    #七風食堂
    sevenWindsCanteen

    足りない甘味は君で満たしていつもよりタイトな撮影に向けて節制生活を送ってる。風真が作る食事はヘルシーなのに美味しくてとても助かってる。
    「でもお前、甘味が恋しいって顔してる」
    「うっ……バレました?」
    「バレバレ。顔に出過ぎだろ」
    食事は文句無しに美味しい。けれど、甘味は別ものなのだ。仕方ないだろ。そんな会話をしてたら余計に甘いものが食べたくなる。餌を前に待てと言われたワンコみたいにうーっと唸ってしまう俺を見て風真は軽く肩をすくめた。
    「まぁ、あんまり我慢し過ぎも良くないし、ちょっと待ってろよ」
    そういうといそいそと何か作り始めた。ボウルに卵を割り入れる。
    「カザマさ、その片手で卵を割るの難しくないの?いつもやってるケド」
    「慣れだよ、慣れ」
    七ツ森もやればすぐに出来るようになると思うぞなんて言いながら、卵を溶いて純ココアを入れて混ぜている。何を作るんだろと思っていると風真は意外な物を引っ張り出してきた。
    「オートミール?」
    「これなら罪悪感へるだろ」
    コーヒーミルで砕いて粉状にしたそれをボウルに入れて、蜂蜜と少量のサラダ油を入れてまた混ぜる。
    「蜂蜜も本当はもっと入れたいし、バターも使いたい所だけど、今回は我慢な」
    「うん」
    牛乳で伸ばした生地に謎の粉(聞いたらベーキングパウダーだと応えてくれた)を入れて混ぜた物を型に流し入れてレンジに入れる。程なくして、チョコレートケーキみたいな香りが広がって俺は思わず喉を鳴らした。
    「ケーキっていうか蒸しパンな」
    「うまそう」
    見るからにふわふわのそれは、口にするとしっとりと濃厚にココアが薫る。
    「カザマ、これ美味しい!」
    「満足いただけたようでなによりです」
    俺の言葉に嬉しそうに笑う風真の顔が何よりも甘くて全部満たされた気持ちになった。
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    oredayo_mino

    DONE七風食堂:冷蔵庫の残り物でごはん作ってくれ……風真……。
    明日は買い出しへ買い物に行く日は週に一度と決めている。自宅から徒歩十五分のスーパーは金曜が特売日で、カードで支払うと5%値引いてくれる。一週間分買いだめした食材を小分けにして冷凍し、作り置きのおかずを作っていれば「主婦みたい」と緑の瞳がいつも笑う。
    食材がほとんど底をつく木曜は俺の腕の見せ所だった。すかすかの冷蔵庫の中にはシチューの残りとサラダに使ったブロッコリーの残り。冷凍庫の中には食パンとピザ用チーズ。戸棚の中には使いかけのマカロニ。
    今日の夕食は決まりだ。残り物を工夫してそれなりの料理に変化させるのは意外と楽しい。まず冷凍の食パンを常温に戻す。その間にシチューをあたため、マカロニを湯がく。マカロニは少し芯がある位でざるに上げ、グラタン皿に盛りつける。その上からブロッコリーを乗せ、常温に戻した食パンを一口サイズに切り、同様に皿に盛りつける。その上からシチューを流し込み、冷凍してあったピザ用チーズを振りかける。それからオーブントースターで約8分焼くだけ。すると、チーズのいい香りに誘われたのか、ふらふらと実がキッチンへやってくる。
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