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    oxh16439848

    @oxh16439848
    ハンジさんが大好きな女

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    oxh16439848

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    ○メガ恋16の無配

    一応本編「触」の後日談ですが、本編の雰囲気は微塵もないただの触手ギャグです☺️

    syoku☆syoku☆shock この部屋のヘッドボードに置かれた皿には、サイズのあった手製のクッションが敷かれている。
     フカフカ。ポカポカ。寝心地の良いベッドで惰眠を貪っていた僕は、扉の開く音で目を覚ました。

    〈ミッ…〉
    「遅くなってすまなかったな。ほら、飯だ」

     僕の同居人である『調査兵団兵士長リヴァイ』あだ名はリー君。彼が手に持っていたコップをテーブルに置くと、僕は触手を伸ばしてヘッドボードから飛び移った。ヤツデの葉のように開いた先端をコップの中に浸ける。

    〈ミッ…♪ミッ…♪〉
    「上手いか」

     最近の僕の食事はもっぱら『バナナミルク』だ。それまではリー君の(自主規制)だったんだけどね。毎日出すのはしんどいらしい。彼には愛しい彼女がいるから、そっちに体力を残しておきたいってのもあるみたいだ。
     そんな時、リー君が残した牛乳を興味本位で啜ったら、ことのほか美味しくて僕はヤミツキになってしまった。たまたまあったバナナを一緒に入れると、味がまろやかになっただけでなく栄養価もぐんと上がった。おかげで最近触手の伸びが良い。

    「お前はいつもご機嫌だな」
    〈ミッ…?〉

     リー君はクラバットを解きながら溜息を吐いた。元々明るい男の子ではないけれど、その姿はことさら陰気で疲れて見えた。
     また食堂のおばちゃんに揶揄われたのかな?
    僕の存在は内緒だから、バナナミルクはリー君が飲むと思われているらしいんだ。
    「兵長って顔に似合わず可愛いの飲むわよねぇ」とか大声で話されるみたい。悪気がない分タチ悪いよね。
     バナナミルクを飲み終えた僕は、隣に置かれていた触手拭きでバナナのヌメリを拭いた。

    「お前の方がよっぽど綺麗好きだ」
    〈ミッ…〉

     それで分かった。リー君を陰キャにしているのはハンちゃんだ。今日も仲直り出来なかったんだね。
    〈ミッ…〉
    『調査兵団分隊長ハンジ・ゾエ』あだ名はハンちゃん。拗らせまくった長年の片恋が成就して、はれて恋人同士になった二人だが、最近しょっちゅう喧嘩している。
     主に彼女を構いたいリー君が、不摂生なハンちゃんに小言を言いまくることから始まるのだが。今回はもう一週間になる。いつもより長いなぁ。ハンちゃん大好きリー君としては、流石に色々限界みたいだ。彼は疲れた顔をしながら洗面所に向かった。
    〈ミッ…!〉
     僕は前もって用意していたモノを、キャビネットから取り出した。そして触手を伸ばしてドアノブに巻き付けると、立体機動のようにテーブルから一気に飛んだ。
     仕方ない。いつもバナナミルクを貰ってるからね。




    「ショク。どうしたの、一人で来たのかい?あれ、なに持ってるの?」

     触手を伸ばしてノックをすると、ハンちゃんはすぐに扉を開けてくれた。とにかく入りなよと僕を抱き上げる。彼女の身体からは石鹸の匂いがした。
     この部屋にも作ってくれた専用のベッド(皿にクッション。リー君の部屋のやつと色違いだよ)にそっと置いてくれて、僕を乗せたまま皿をテーブルに運んだ。

    「リヴァイはここに来ること知ってるの?」
    〈ミッ…〉
    「あ、その感じじゃ勝手に来たね?駄目だよ、一応君のことはエルヴィン達にも内緒なんだから」
    〈ミッ…〉
    「まあ、もう言ってもいいんだけどね。君はとっても良い子だし。今度リヴァイと相談して……」

     そこまで言いかけて、ハンちゃんは言葉を止めた。気まずそうに目を逸らして話を変える。

    「……そういえば、ショク。君はなにを持ってるの?……なんの紙かな?」

     ハンちゃんはさり気なさを装って、僕の持つメッセージカードについて聞いてきた。しかし僕は知っている。会話している最中も、彼女がこれをチラチラ見ていたことを。
     全く二人揃って素直じゃない。やっぱり僕が潤滑油になってあげなきゃね。そんなことを思いながら、触手の先端に挟んだカードを渡した。

    「これって」
    〈ミッ…〉

     僕は期待を込めた目でハンちゃんを見上げる。何故か戸惑っているようだったけど、やがて顔を緩めてふふっと笑った。
     やった。ミッション完了。これで仲直り出来るよね!ーーその時、均等な間隔でドアが強くノックされた。「俺だ」




     眉間に皺を寄せながら部屋に入ってきたリー君は、部下たちを震え上がらせるという眼光で僕を睨み付けた。〈ミッ…ミッ…〉いつも優しい彼しか知らないので、僕はすくみ上がって触手の先がプルプル震えてしまう。

    「勝手に部屋を出るな。帰るぞ」
    〈ミッ…〉

     ここまで来たのに収穫なしで帰るわけにはいかない。僕は触手を伸ばしてハンちゃんの肩に乗った。

    「おい」
    「そんな目で睨むなよ。ショクが怯えてるだろ」
    「ああ?」

     可哀想にと言いながら、僕の頭にチュッと音を立ててキスをする。それを見たリー君が、顔を顰めて僕を睨み付けた。普段のクールさは何処へやら。ハンちゃんに関してはとっても大人気ない男の子なのだ。

    「ショクは私の部屋に泊まっていけばいいよ」
    「おい、勝手に決めるな」
    「なんで?別に構わないだろ」
    「構うだろ。ショクは俺が世話してるんだ。……てめえ、まさかこいつにヤラせようとしてるんじゃねえだろうな」
    「は、はあ?!なに言ってるんだよ!リヴァイのエッチ!」

     ますます重くなる空気。このままじゃ駄目だ。僕はテーブルに置きっぱなしのカードに触手を伸ばし、彼女の目の前に突き付けた。
     ハンちゃん、もう一度これを見て!

    〈ミッ…!ミッ…!〉
    「……」

     はぁ。深い溜息を吐いたハンちゃんが、苦虫を噛み潰したような顔を僕に向ける。その表情の意味は分からないけれど、何だかまるで初めて出会った時の彼女みたいで、僕は懐かしいなと思った。

    「……ちゃんと風呂に入るよ。ご飯も食べる」
    〈ミッ…?〉
    「……なんだいきなり」
    「別に。それじゃ駄目なの」
    「なんだその言い方」
    〈ミッ…!〉
    「も〜!リヴァイは仲直りしたくないの?!」

     リー君のように眉間に皺を寄せて、口端を引き結んで、顔を真っ赤にしたハンちゃんだったが、一応和解を持ちかけている。如何にも仕方なしにといった風情だが。

    「そんな言い方でだな」
    〈ミッ…!〉駄目だよ、リー君!素直になって
    「大体お前が」
    〈ミッ…!〉リー君!君一応年上だろう?
    「……俺だって」
    〈ミッ…〉そう、その調子!
    「大体お前が」
    〈ミッ…!〉こら、話を戻さない!
    「……俺だって」
    〈ミッ…、ミッ…!〉アンヨは上手、アンヨは上手!
    「……仲直り、してえよ!」
    〈ミッ!ミッ!ミッ!〉コングラッチュレーション!!

     早足で駆け寄ってきたリー君が、座ったままのハンちゃんを抱き締める。肩から落ちそうになった僕は慌てて触手を伸ばしてテーブルに飛び移った。
     躊躇いがちにリー君の背中に手を回したハンちゃん。みるみる内に、引き結ばれた口許が解けていく。リー君の胸に顔を埋めながら嬉しそうに笑った。

    「……風呂に入ったんだな」
    「うん、流石に頭が痒くてね」
    〈ミッ…〉
    「嘘。まだ五日はいけるよ」
    「はあ?」
    「……仲直りしたくってさ」

     ハンちゃんの唇を強引に奪ったリー君は、そのまま引き摺るように彼女をベッドに押し倒す。やれやれ、若いな。僕は気配を消して、部屋に用意された専用の寝床に潜り込んだ。

    「ショク、お前も来い」
    〈ミッ…?〉
    「あれ、良いの?」
    「……たまにはな」
    〈ミッ…〉

     兵士に見つからないように、廊下の隅を這いずりながらハンちゃんに会いに来た。ので、実は疲れてるんだけど。

    「ショク、早く来い」
    〈ミッ…〉
    「ショク、おいで」
    〈ミッ…ミッ…〉

     ふぅ。僕は触手を伸ばしてベッドに移る。リー君は僕がまだ人間の体液が好きだと思っているんだ。いつもはハンちゃんに触るのを嫌がるくせに、仲直りの触手渡しをした僕に、ご褒美をくれるつもりらしい。

    「わっ、ショク。早速だね。あっ……ん」
    「おい、俺を差し置いて始めるな」
    〈ミッ…〉

     本当はバナナミルクの方が好きなんだけどなぁ。あの甘さに比べたら、○濁や○液なんてしょっぱ苦いだけだよね。

    「あっあっん、ああ!」
    「くっ、ショク。俺はいいからハンジを……、うぐっ!お、お前、おい」

     仕方がない。仲直りした記念に二人まとめて気持ち良くしてあげよう。全く、僕が居ないと駄目なんだから。
     胴体から出せる限りの触手を出した僕は、本格的に絡まり始めた。その際、伸びすぎた触手がテーブルの上のカードに当たり、ヒラヒラと床に落ちていく。

     所々ねっとりとした水滴付きのそこには、触手がのたくったような下手くそな字で「ハンジ、愛してる」と書かれていた。
     もちろん、リヴァイが書いたものではないし、ハンジはそれに気付いている。
     それでもやっぱり、これはショクのお手柄だった。






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    oxh16439848

    DONE無配として書きましたが、本とは全く関係のない話です。リヴァハンラップ楽しい。
    書いてる本人もちょっとよく分からない内容なので、読まれた方はもっと分からないと思います。
    リヴァハン幸せそうねと、ぼんやり思って貰えたら嬉しい。



    ※NO MUSIC LIFEの人間が書いているので、専門用語などあっているとは限りません。
    【ラッパーとして成功したリヴァイがマーレドームに中学からの幼馴染であるハンジさんを招待する話】





    「えっ、辞める? どうしてさ?!」
    「将来の事を考えて。ここら辺が潮時だ」
    「だ、だって! スカウトが来たって喜んでたじゃないか」
    「所詮弱小レーベルだ。それだけで食っていけるとは思えねえ。いつまでもラップなんてやってらんねえよ」
    「そんな……だって……」

     いつもは饒舌に回るハンジの口が、ハクハクと虚しい開閉を繰り返す。上手く言葉が出てこないのは、リヴァイの言う事もよく分かるからだ。
     大学四年ともなれば、周りは就職活動に勤しむ学生ばかり。やれ内定を貰っただの、これで何十社めの不採用だのと悲喜交々の会話が成される中で、リヴァイが将来を不安に思っても仕方がない。

    「で、でもさ。何方も並行して頑張れば良いんじゃない? 就職活動と、……ラップ。ずっと頑張ってきたじゃないか。リヴァイには才能があるんだから」
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