After rain comes fair weather「ん、あー終わった」
ようやく仕事が一段落した。両手を上へ掲げて空を掴むような動作で、凝り固まっていた背筋を伸ばす。定期的に机から立ってみたり、姿勢を悪くしてしまわないように縫いぐるみを膝に置いたりだとかは最近になって試してみている。しかし数時間ものデスクワークとなると、どうしてもこの血流が悪くなっているのを全身で感じるような、特有の疲労の感覚を覚えさせられる。
椅子から立ち上がり軽くストレッチをして、凝りを解せないかと思っていると、ガチャリと勢いよくトレーナー室の扉が開かれた。
「トレーナー」
ノックもなしに、快活な声と共に部屋へと飛び込んできたのはミスターシービーだった。ノックに関してはもうとやかく言うのをやめにした。だいぶ前に諦めた自分が脳裏を過る。
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