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    Fantome

    コラロだらけ やりたい放題
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    バレンタインこら⇄ろ

    ホワイトデーこら→ろ

    【現パロ】バレンタインの続きバレンタインが終わって1週間も経っていないと言うのに店内はもうホワイトデー一色で笑ってしまう。

    "ホワイトデーフェア"

    水色のポップに目を惹かれてショーウィンドウを覗くと若者向けブランドのアクセサリーと青や水色、白のハートのバルーンが並んで飾られていた。
    ハートのモチーフのアクセサリーは特にホワイトデーフェアの目玉なのか目立つ様に飾られていた。冷やかすように眺めていたが一際目立つように陳列されている"CORAZON"のコーナーを見つけて思わず足を止めた。

    兄ドフィが手掛けるティーン向けのアパレルブランド"CORAZON"その名の通りハートをモチーフにしている。ハートのモチーフと言っても男女どちらがつけても甘すぎない違和感のないデザインでカッコいいと思う。
    初めてのバイト代でローが買ってくれたオイルライターもCORAZONのものだ。若者向けとは言えCORAZONは高校生が購入するには安いものではない。いつも世話になってるからと言って贈ってくれたローの気持ちが嬉しくて今も大事に使わせて貰っている。
    アクセサリーを眺めていてローに似合いそうだと思って思わず店員に声をかけてあれよこれよと会計までしてしまった。

    (いつも家事やってもらったりして世話になってるし。そんなに高いもんじゃないし)

    誰に聞かせるわけでもなくいい訳を浮かべつつホワイトデー仕様のショッピングバッグを受け取る。

    「ありがとうございましたー!」

    いい買い物をしたとホクホクした気分で店を後にする。この後は実家に寄ってマンションに帰る予定だからホワイトデーまでこれは実家の自室に隠しておこう。


    ◻︎ ◼︎ ◻︎ ◼︎


    「ただいまー。」
    「おぉ、ロシーちょうど良かった。母さんにどれが似合うと思う?」

    実家に戻るとちょうど父御用達の宝石商が来ていていた。母へのホワイトデーのお返しにアクセサリーを贈るつもりらしい。母なら父からの贈り物はなんでも喜びそうだと思ったが、そんなことを言ったら全部買いかねないので、何点か候補を絞っていた中から手持ちのアクセサリーとデザインが被らないものがいいのではないかと言うとすんなりと決まった。
    喜ぶといいなと言う父上に、大丈夫だと言いながら自分のプレゼントも喜んで貰えるといいなと紙袋に視線をやると宝石商の男が反応した。


    「おや、そちらは恋人へのプレゼントですか?」
    「おぉ、いつの間にそんな娘が?」

    「いやいやいや、ローにあげるやつだから!」

    恋人になったら嬉しいなとは思うけれどいい大人なので成人を迎えるまでは待とうと思ってる。二人に見せてくれとせがまれたので箱を開ける、水色の箱の中にはハートのトライバルデザインのネックレスで父はローに似合いそうだと褒めてくれて気分がいい。

    「素敵なプレゼントですね!こちらのデザインでしたら石とかも入れられますよ。世界に一つだけのデザインになりますし、良かったらいかがですか?」

    宝石商の男がにっこりと微笑む。いつ来ても商魂たくましい人だ。

    (石か…それもいいな…)

    世界に一つだけのデザインという言葉に心惹かれる。石を入れるならローの瞳の色の黄色か、赤がいい。

    「ちなみに黄色か赤系の石って今ありますか?」
    「ちょうど赤系の宝石でしたら持ってきているんですよ。黄色の宝石ご希望でしたら後日お持ちします!」

    赤色が気に入らなかったら黄色を持ってきて貰おうととりあえず見せて貰うことにした。ガーネットにルビー、ストロベリークォーツ、レッドジャスパーなど様々な宝石名と一緒に石言葉なども教えてくれた。

    ピジョンブラッド

    紹介された中でも一際色が良く、ルビーの石言葉もいい。
    サイズもちょうどよく特別に加工しなくてもすぐに仕上げることが出来るということだったのでその場で決めて宝石商に預けた。



    マンションに戻ると先に帰ってきたローが夕飯の支度をしていた。2人で食卓を囲んでいる時、向かいに座るローの深めのVネックから覗く肌を見て、先程のネックレスを思い浮かべる。白い肌に赤い石は映えるだろうなと想像しただけで頬が弛む。

    「なんかいいことでもあったのか?」
    「おう!それがな…ぁ、」
    「今日買い物行ったら母上のお返しにいいのがあったんだよ。うん」
    「それは良かったな。」

    締まりのない顔を不思議に思ったローに聞かれて思わずバラしてしまいそうになったが適当に誤魔化す。サプライズが成功しなくなってしまう。
    出来上がり次第家に届けてくれるらしい。ホワイトデーが来る前に渡してしまおうかと今からすごく楽しみだった。


    ◻︎ ◼︎ ◻︎

    「あちぃ…」
    三月に入り、天気がいい日はジャケットが要らないくらい暑い。
    外回りで動き回って喉も渇いたので休憩がてら行きつけの喫茶店に向かう。久しぶりに足を運んだ喫茶店はいつもより混み合っていて暑いからかと思いながら空いてるテーブル席に座っていつものアイスコーヒーを頼む。

    目についた見慣れないピンクに彩られた写真入りのメニュー表。気になって手に取ってみると春限定メニューと書かれていてイチゴや桜のメニューが載っていた。可愛らしいクマの形のカプチーノなどもあり女の子ウケも良さそうだ。よくよく店内を見渡してみると今日は若い客が多い。いつもはサラリーマンや年配の客が数人いるイメージだったが客層の拡大でも狙っているのだろうか。

    可愛いクマのカプチーノの写真をみてローの顔が浮かぶ。クールな顔に似合わず可愛いものが好きだから今度連れて来ようと思った。きっと喜んでくれる。

    「それでー、ホワイトデーのカレシからのお返しなんだけどー」
    「えー、ヤダー」
    程なくして運ばれてきたアイスコーヒーで喉を潤していると後ろに座っていた女の子たちの会話が耳に入った。制服ではないから年齢としてはローと同じ歳くらいの子だろうか、そんなに大きな声ではないがホワイトデーと言う単語に思わず聞き耳をたててしまう。要約するとカレシからのお返しが何が欲しいかとか意中の男の子から何を貰ったら嬉しいとかの話らしい。とても参考になる。
    1人の女の子が去年は付き合っているカレシからアクセサリーを貰って嬉しかったから今年は何かなと楽しそうに話している。もう1人の子は気になってる男の子にチョコをあげたらしくお返しを楽しみにしていると言う話になっていてアクセサリーだったらどうする?の回答が気になって仕方ない。


    「んー、でも付き合ってるなら嬉しいけどぉ、付き合う前にガチ目なプレゼントってちょっと重くない??」
    「あー、わかるかも。本命でもちょっと冷めちゃうかも」
    「さらに義理チョコでアクセサリーとか贈られてきたらドン引きだよねー。」


    (な、なんだって!)

    あまりの衝撃に思わず立ち上がりそうになったがすんでのところで止まる。
    ローからの手作りチョコを貰って本命だとばかり思っていたがよくよく考えたらローからとは言われていないし、数も2粒。てっきり照れて他の子から貰ったチョコに忍ばされていたと思っていたが、たまたま手作りしただけで本命チョコが勘違いだったとしたらだいぶ痛い男になるのではないか。

    日頃の態度から少なからず好意を寄せてくれていると思っているけれど、付き合ってない男からガチ目のプレゼントが返ってきたら気持ちも冷めてしまうらしいし、危なかった。冷められたらショックで寝込むかもしれない。

    (よかった、渡す前で…)

    ホッと胸を撫で下ろした。残ったアイスコーヒーをグイッと飲み干して店を出る。
    今日この喫茶店に入って本当に良かった。


    ◻︎ ◼︎ ◻︎ ◼︎


    次の休みの日、ホワイトデーのお返しを用意したいとのことでローと2人でショッピングモールに来た。ホワイトデーの特設コーナーでばら撒き用の焼き菓子を見繕ってすぐに用事が終わった。久しぶりに2人でショッピングモールに来たので服や雑貨も見ようとぶらぶらすることにした。雑貨屋に入ると何かに気づいたローが奥へと進んで行く。気になってついて行くとそこにはローの好きなキャラクターのベポグッズコーナーがあった。

    ふと目についた可愛らしいキーホルダー。ベポが手にラインストーンを持っているデザインでラインストーンは誕生石カラーなのか12色ある。大きさも鍵に付けても邪魔にならない小さいキーホルダーだ。

    「なぁ、ロー。お揃いで付けるか?」
    「いいのか?」
    「おれからのホワイトデーってことで」
    「…俺、あげてないけど」
    「いつものお礼」
    ローの中でバレンタインはあげてないことになっているらしい。いつものお礼と言う漸く納得してくれたのか嬉しそうにベポを選んでいる。

    「じゃあ、色はこれがいい。」
    そう言ってローが選んだのは誕生石カラーではなく、黄色と赤の石を持ったベポだった。

    「誕生石カラーじゃないのか?」
    「これ、コラさんの瞳の色みたいで綺麗だろ?」
    そう言って楽しそうに笑うローが可愛い。19歳の男がこんなに可愛いくていいのだろうか。
    赤と黄色のラインストーンのベポの会計をして、喉も渇いたので買い出しの前に休憩しようと某大手コーヒーチェーンに入る。おれが運ぶと溢すからとローも一緒に並ぶ。大丈夫だと言うのに信用がない。

    席に着いてさっそく先程の買い物袋からベポを取り出す。キーケースをテーブルに置くと、ローの鍵も横に並ぶ。

    「ローのはこっちな!」

    黄色い石を持ったベポを自分のキーケースに、赤い石を持ったベポはローの鍵に付けてやると一瞬驚いたような顔をした。すぐに鍵を受け取って鞄にしまい俯いたローの耳が少し赤くなっていてなんだかこちらも照れてしまう。

    ホワイトデーのお返しはこのくらいで正解だったらしい。

    用意していたネックレスではなくなったけど自分の瞳の色を想い人が身につけてくれるのは嬉しいなと思った。


    そしてドジなおれはすっかり忘れていたのだ、実家ではなくマンションにネックレスが届くことを。


    ◻︎ ◼︎ ◻︎


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    Replies from the creator

    Fantome

    DONEフレバンスがあったら
    きっとローさんは頭がよくて顔も医者としての腕もいいと自覚しているスーパーモテ男なんだろうな。と思った妄想の産物(コラ←ロに見えるコラ⇄ロ)
    それは恋におちたと言うには長い前フリで女ってのはなんて面倒くさいんだろう。わざと相手に聞こえるようにため息を吐いた。感情が昂っているからか相手は気にする様子もない。

    「俺に不満があるなら別れればいい。」

    違うそう言う意味じゃないと騒いでいるが、興奮した高い声が頭に響いて耳障りだ。

    「付き合う時に言ってあるだろ?お互い面倒になったら別れるって、あんたもそれに了承した、だから付き合っていた。」

    物分かりのいい女だと思っていたが勘違いだったみたいだ。特に不満も無かったんだがこんなに面倒な女だったとは誤算だった。

    「今までありがとう。お別れだ。」

    話しは終わったと伝票を掴んで席を立つ。私はこんなに貴方を愛してるのにと叫んでいるがよくこんな公共の場で恥ずかしげもなく騒げるものだ、お店の人にも迷惑だろう。迷惑料も兼ねてレジに多めにチップを置いて、振り返ることなく店を出る。結構気に入っていた店だったが当分来れないなと本日何度目になるか分からないため息を溢した。この店の挽きたての珈琲がしばらくは飲めないのは惜しい、もう少し味わっておくんだった。そもそもデート場所に使うべきではなかった。
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