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    kadekaru_kaname

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    20巻表紙についての半ロナ妄想小話

    屠毒筆墨「いや、だから今から週バンの撮影があるから帰れよ」
    「来るのはカメ谷だろう、別に不都合があるわけでもない」
    「ならその手に持った緑のバケモノを捨てろ!」
    丁度、パトロールのエリアにロナルドの事務所が含まれていたので隊服のまま見回りに来たらロナルドに凄い剣幕で怒鳴られたのでなんとなく反骨精神が働き、一歩も動いてなるものかと居座ることにした。パトロールから戻る時間までは余裕があるし、第一にヒナイチ副隊長も勤務時間に此処にやってくることがあるのでヒヨシ隊長に怒られない限り問題ないだろう。折角、青果屋で良いセロリと悪いセロリの見分け方を教わったばっかりだから試したくて来たのだが、ロナルドはどうもそれが嫌なようだ。俺は、その表情だけで飯が食える。だが、カメ谷の仕事の邪魔をするのは本意ではないので仕方なくドラルクの棺桶の上に置いた。まだ日も高いから起きることは無いだろうし問題はないだろう。
    「仕事中のカメ谷を俺は知らないがどうなんだ」
    「なんか敬語で話されるから気持ち悪い」
    「まあ、仕事だから仕方ないとはいえ普段の食事や飲みはタメ語なのにと思うと複雑だな」
    「普通の食事や飲みなんてねえだろ! 大体、なんか変な場所行くじゃん!」
    「その後に食事も飲みもするだろ」
    「するけど!」
    二人でガヤガヤと話していると事務所のドアがノックされる。俺は仕事の邪魔にならないように部屋の隅で壁を背に立っていた。
    「どうも週バンの取材です~、ロナルドさんよろしくお願いします」
    「だから毎回言ってるけど普通に話せよ……」
    「まあこっちも仕事の規定みたいなのがありまして……って半田?」
    仕事着のカメ谷がこちらを見てくるので、小さく頭だけで挨拶をした。カメ谷はロナルドを見て「何で居るの?」と聞いていたが、ロナルドは「分かんねえ」と言っていた。無論、貴様の驚愕する顔が見たいだけだ。他意はない。どうやら週バンの取材はロナルドの退治人に関する仕事のピンナップ撮影らしく、いつも俺が五冊以上買う特集号の一幕だったらしい。こうやって撮影の現場を見たとしても、見たから良いとは言わず、まあ買うのだけれど。退治人の赤い服を着て、帽子を身に着けたロナルドはやはり様になる。高校時代の間抜け加減を知っている身をしては、よくもこうやって黙っているとまともな表情を装えるのだなと感心してしまう。リボルバーから弾を抜いて、カメラに向けている写真や、銃口に唇で触れている写真、あとは本人の希望で恐らく格好いいと思っているだろうダサいポーズを撮っていた。カメ谷の仕事じゃなければ思う存分馬鹿にしてやるのに、と思うがそれも仕方ないだろう。時の運というヤツだ。思えば俺達三人はよく遊びに行くが、仕事中に全員揃うのは珍しいかもしれない。ロナルドとは吸血鬼退治について仕事を共にすることがあるが、カメ谷とは仕事で会うことは無い。吸対にも守秘義務があるので話すことのできないことも多いのだ。だから週バンはあまり吸対特集をやらない。たまにカズサさんから市民へ警告まではいかないが「吸血鬼に気を付けるように」のようなインタビューが載っている程度である。そんなことを考えているとカメ谷の声がこちらに掛かる。
    「なあ、折角なら半田も写らないか?」
    「ム? ロナルドの特集なのだろう」
    「いや仕事とは関係なく普通に仕事着のお前らを撮りたいんだよ」
    「ねえ、なんで半田にはタメ語なのに俺には敬語なの!?」
    「ロナルドさんとはビジネスの関係だから~って嘘だよ、今は仕事の外だから普通に話すよ。学生時代は二人の写真を沢山撮ったけど、大人のお前等を撮る経験ないからさ。格好いいの一枚頂戴」
    学生時代のカメ谷によって撮られた写真というのは俺の意識の外の出来事でいつの間にか号外とされていたので、しっかりと被写体になる瞬間ということに関しては、俺はロナルドより無知だ。
    「どうすれば良いのだ」
    「あー、そうだな。背中合わせにしよう。二人で吸血鬼退治でバディ組んでるみたいに」
    「バディになったことはない」
    「いや、でも俺等一緒に吸血鬼倒したことあるじゃん!」
    「馬鹿め! あれは他の退治人も居ただろう。個人的にバディになったつもりはない!」
    話は途切れる事はなく、結局カメ谷が「じゃあ、ロナルドはリボルバー構えてもらって……」と位置を決めてくれた。ロナルドはモデルのように澄ました顔をしているが俺はどんな顔をすればいいか分からない。とりあえず、ダンピールっぽさを出すためにマスクをずらして武器である刀に手を掛けて、とのことなので言うとおりにした。
    「あと半田、もうちょい笑って」
    「笑えと言われてしっかりと笑えるヤツが居るか!」
    「じゃあ、ロナルドがセロリトラップに引っ掛かった時の顔で」
    背後から「なんで!? やめろよ!」と聞こえたが、カメ谷が「大人しくしてくれ、撮るよ」と言ったのでまたスンと大人しくなった。そうやって一枚の写真がこの世に残ったのだが、俺はそれを確認する前にパトロールに戻らねばいけない時間になった為、急いでその場を後にした。あの写真はカメ谷から買うとして、ロナルドと背中合わせになった時に、僅かに頼もしい、楽しい、負ける気がしないという気持ちが湧いてきたのが不思議だった。商売敵の筈なのに、何故。でも、また今度共闘の機会があれば背後を預けても良いかもしれないと思ったのだ。

    後日、カメ谷の元に写真を受け取りに行くと「お前等、華があり過ぎて逆に毒」と良く分からない説教を喰らった。あわよくば週バンに載せられないか画策をしていたらしいが、他の記事を食いかねないということで没になったらしい。だからこの写真を持っているのはこの世で被写体の俺達と写した記者の三人だけなのだ。



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    kadekaru_kaname

    DONE性癖のうちの一つです……、書くか迷っていると言ったら、書きなよ!と言ってもらえたので断片ですが……!半ロナです。
    貞盲ぷちん、ぷちん、と音もたたずに。ただ、微睡みの中でわずかな痛みが痴丘から取り除かれていく。脛とか、腕とか、たまに脇とか。そういうところから千切るように、陰茎を刺激しない程度にあまり自分で直視することのない白銀を抜く。ただ、別に悪いことをしてるつもりも、恥ずかしさもない。ぼんやりと眠気と、エッセンス程度のちくりとした感覚がなんだかほんわかと気持ちがいいのだ。誰にも言えねえよなあ、と今では思う。服を着てる方が珍しいと言われる退治人の仕事でも、流石に帰宅する前には局部程度は隠すので、まだ、きっと、おそらく、なんとなくだが、他人にはバレていないと思うのだ。朝になって、目が覚めて、覚醒した意識の後に待つ、生来の気質にうんざりするのは分かっているのだが、夢精をコントロール出来ないように、欠伸や鼾に原因があるように、俺にとっては不可逆の行為だった。陰毛抜毛症、それが多分一番俺の症状に近い名前なのだと思う。勝手に抜けるのではなく、何故か抜いてしまう。人によってはそれが頭皮であったり、それこそ指の毛とか腕の毛とかにもなるのだろう。ショットが聞いたら、何らかの冒涜だと嘆き悲しむだろう。人によってこの症状は様々だ。そこに毛があるのが気に入らないとか、落ち着かないから適当に抜いてしまうとか、人の数だけ抜毛症はある。俺の場合は、気持ちいいから以外の何物でもないのだが。何度もやめようと思って、それでも無自覚に繰り返すうちに、俺の痴丘は焼け野原のように疎らな銀しか残らなかった。だが問題ないと思っていたのだ、半田と付き合う前までは!
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