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    aoihiro_68

    @aoihiro_68

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    aoihiro_68

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    ビンゴするまでオーカイをいちゃいちゃさせるやつ。R18ではないですが、ほんの少し性的表現あり(色気はないです)。時系列は1.5部後、2部よりは前。今までのはTwitterの固定ツイから→@aoihiro_68

    オーカイCPチャレンジ(チャレンジ6) また、とんでもない場面に遭遇してしまった。
     今度こそ、本当に、さすがに、幻覚かと思って晶は目を指でごしごしと擦る。何せ、オーエンがカインにキスをしているわけで――。
    (どうしよう……現実だ……)
     そう認識した後、自分は今、命の危険に晒されているのではないかという可能性にぶち当たった。目撃者がいるだなんて知ろうものなら、オーエンはその存在ごと消し去ろうとするだろう。
     つまり、見ていることがばれたら死ぬ。
     幸いなことにオーエンはこちらに背中を向けていた。距離もそれなりにある――とはいえ気配くらい読まれてもおかしくないので、晶は音を立てないように慎重に回れ右をし、気配と声を殺しながら必死に見ていませんよアピールをする。
     どれくらい、そうしていただろうか。
    「あれ。そこに誰かいるか?」
    「うっっひぇあ!?」
     背中にかかった声に、心臓が本当に飛び出したんじゃないかというレベルで驚いた。その飛び出した心臓を捧げる覚悟を決めて振り返ると、立っていたのはカインだけ。どうやらオーエンは晶には気付かず――もしくは気付いていたのかもしれないが見逃してくれた?――去っていたらしい。
    「ええっと……だいぶ凄い声だったが……晶かな?」
    「そ、そうです。すみません……」
     ハイタッチして目が合うと、彼はいつものようににっこりと笑って「おはよう」と挨拶してくれる。晶はそれに「おはようございます」と返しつつも、どうにも気まずくて視線を逸らしてしまった。
     先程の声といいどう考えても挙動不審な晶に、カインは状況を何となく察してくれたようだ。
    「もしかして、今の見てたか?」
    「……はい……」
    「あー……はは。さすがにちょっと恥ずかしいな」
     それはそうだ。
     こちらよりもずっと感じているであろう彼の気まずさを、少しでも軽減する為に晶は口を開く。
    「か、課題ですよね!? あんなナチュラルにクリアするとは思いませんでした! さすが日本人とは違――」
    「いや、キスはとっくにクリア済なんだ」
    「……え?」
     一瞬、何を言われたのか理解できなかった。とっくにクリア済……ということは、課題に関係なくオーエンがカインにキスをした……ということになる……んだよな?
     理解したところで、頭が混乱するだけである。動揺を隠せない晶に対して、カインは拍子抜けするほどけろっとしていた。
    「最近良くしてくるんだよな」
    「そ、そんな何回もしてるんですか!? どうして……」
    「さあ? 流行ってるのかな、あいつの中で」
     ……流行りでするキスとは一体。
     西の国の魔法使いならあるいは……と思わないでもなかったが、相手はオーエンである。例えばカインをからかう意図があったとしても、取る手段としては違和感があった。頭の中に、ある可能性が浮かぶ。
    (もしかして、本気でラブコメ展開になってたりするのか……!?)
     カインがどう思っているのかがいまいち読めないものの、オーエンから何かしらの好意が向いているのはほぼ間違いないのではないだろうか。
     ほんの少しテンションが上がるのを感じながらカインの顔を見た晶は、「いや、違うな」と思い直した。カインがどう思っているのかは読めない……と思ったのだけれど。
    「課題、調子良さそうですね」
     カインは笑っていた。とても優しい表情で。
    「ああ。オーエンが俺の目を奪った奴で、いつか取り返してやるって思ってるのは変わらないが、なんかここのところ割と楽しくなってきちまってさ。不思議だよな」
    「別に悪いことではないと思いますよ」
     心というのは彼の言う通り不思議なものだ。正反対な想いが同時に存在し得るのだから。
    「うん。俺も悪い感じはしてない。そう遠くないうちに良い報告ができると思うから、心配しないでいてくれると嬉しいな」
    「はい。楽しみにしていますね!」
     カインと笑い合いながら、晶は「あの課題をクリアした二人からされる良い報告って、もうほぼ交際報告なのでは?」と思ってしまった自分を頭の中から必死に追い出したのだった。


    「げ」
     面倒な連中と遭遇してしまった。
     中庭を歩いていたオーエンはすぐに魔法で去ろうとしたのだが、その前に駆け寄ってきたスノウとホワイトに両腕をがっしりと掴まれてしまう。こちらに圧をかける為か、わざわざ大人の姿に変身していた。……本気でめんどくさいな。
    「オーエンちゃん、調子どう?」
    「課題は上手く行ってるぅ?」
    「うざ……」
     本当に、殺せるものなら殺してやりたい。
    「そんなこと言わずに、カインちゃんとのこと我らに教えて欲しいな!」
    「箒デートしたりとか、酔った勢いで添い寝しちゃったりとか、ドッキドキなイベントはあったかの?」
    「他の誰かさんと先にキスしたのが悔しくて、強引にキスしちゃったりとかしたのかの?」
     「きゃっきゃっ」といつものノリではしゃぐ二人だが、妙に出してくる例が具体的だ。オーエンは右にいるスノウ、左にいるホワイトの順で彼らを睨んだ。
    「まるで見てきたかのように言うんだね?」
    「……」
    「カードに監視用の魔法でもかかってたりして」
     ゆっくりと、同じタイミングで視線が逸らされる。
     子供の姿に戻った二人は、うるうるとした瞳でこちらを見上げてきた。
    「かかってないもん」
    「あくまでカード自身が我らと同じ判断基準を持って合否を決めているだけじゃもん」
    「分身のようなものじゃな。のう、ホワイト」
    「そうそれ」
    「へぇ?」
     どう考えても疑わしい。……ので、オーエンは口の端を吊り上げてある提案をしてやった。
    「じゃあおまえらをズタズタに切り刻めば、あのカードも粉々になるのかな。試してみてもいい?」
    「きゃーっ!?」
     結局。
     一目散に逃げていった双子を捕まえることができなかったオーエンは、ただただストレスと労力を蓄積する羽目になった。……いつか絶対に殺してやるからな。
    「あー……っと、オーエン? 疲れてるなら今日はやめにしとこうぜ」
    「は? 別に疲れてないけど」
     声に顔を上げると、「そうか?」と眉を潜めた寝間着姿のカインがベッドの上で胡座をかいている。
     そうだった。今夜も彼が部屋に来ているのだった。少し前まではオーエン自らカインを部屋に招き、ベッドに上げるだなんて考えられなかったことだ。無論、お泊まり会だとかパジャマパーティだとか、馬鹿げた催しをするためではない。
    「本当に今日もやるつもりなのか……?」
    「騎士様が痛いのは嫌だとか騎士のくせに情けないこと言うからだろ」
     そう。先日、中途半端な所でわざわざ中断してやったあれの続きである。
    「それは……まあ……。や、そもそもなんでやる方向になってるんだっけ……?」
    「むらむらしてるからじゃない」
    「ミスラみたいなこと言うんだな。まあ、魔法舎を破壊したりしないだけ健全……なの、か……?」
    「騎士様が」
    「俺が!? してるか……? してるかな……?」
     カインは少し困ったように考え込んだ後で、ふと真剣な眼差しでこちらを見つめてきた。「オーエン」と呼ぶ声は何処か思い詰めたような響きを帯びている。
    「何にしても、慣らすのは正直自分でやりたい」
    「やだ」
    「やだかぁ」
     がっくりと肩を落とすカイン。ふふっと、オーエンは笑う。
    「騎士様のそういう微妙な顔を見るのが楽しいからね」
    「相変わらず悪趣味だな……」
     溜息を吐くカインの体を引き寄せて、背中に腕を回した。つい先程風呂に入ってきたばかりの彼からはふわりと甘い香りがする。
    「腰上げろよ」
    「あー……恥ずかしいのもあるが、何か変な気分になってくるんだよな、これ……」
     普段他人に触れられることのない部分を弄られるのだから、何も感じない方がおかしいだろう。それが不快感か、別の何かなのかは置いておくとしても。
     ごく自然な流れで口を塞ごうとしたところで、カインが何か言いたげに――否、笑うのを堪えながら?――こちらをじっと見つめていることに気付いた。
    「……なに?」
    「いや、おまえキスするの好きだよなぁって思って」
    「はぁ? 別に好きじゃないし」
    「そうか? ならどうして……んっ」
     それ以上の会話は不要だと思ったので、唇を押し付ける。
     だっておまえ、キスしながらの方がしんどそうにしないだろ……なんて。言ってやるもんか、そんなこと。
     彼の服に手を滑り込ませて――ふと、誰かに見られているような感覚を覚えて、オーエンは動きを止めた。
    「……」
    「どうした?」
     ――どうしたもこうしたも。
     どう考えても、昼間したスノウとホワイトとの会話のせいだ。オーエンは軽く舌打ちすると、一度ベッドから降りた。テーブルの上に置いてあるビンゴカードを手に取る。
    「オーエン?」
    「クーレ・メミニ」
    「オーエン!?」
     カードを消したことに驚いたのだろう。カインが慌てた様子で隣まで追いかけて来た。
    「何をしたんだ?」
    「別に。北の国の山奥まで飛ばしてやっただけ」
    「いや、なんでだよ」
    「いいよね、騎士様は。暢気でさ」
    「はあ?」
     意味がわからないと顔をしかめるカインだったが、実のところオーエンも自分が何故こんなことをしたのか――しようと思ったのか良くわからないのだ。ただ、恐らく自分以外は――少なくとも魔法舎では誰も知らないであろうカインの表情を、双子に見られたくないと思った。彼らの言うように監視の魔法などかかっていないのかもしれないが、気になってしまったらもう排除するしかないわけで。
    「良くわからないが……燃やしても破ってもすぐ元通りになるんだから、普通に戻ってくるんじゃないか……?」
    「戻ってくるだろうね。でも、時間稼ぎにはなるでしょ」
    「何の時間を稼ごうとしてるんだよ……」
     不安要素は消し去ったものの――水を差されたということもあり、その日はあまり集中できなかった。
     カードが戻ってきたのは朝方のことだ。ちょうど鍛錬に出ようとしていたカインは、横からオーエンの手元を覗き込んで首を傾げる。
    「なんで二十三番に丸がついてるんだ……? 昨夜まではついてなかったよな?」
     二十三番。可愛らしいことをする。
     何処からともなく「オーエンちゃん、かわいいーっ!」という声が聞こえてくるようだった。
     やっぱり見えてるだろ……!


     廊下のど真ん中に、二つの小さな体が転がっている。正直、見なかったことにしたかったが、心配なので晶は声をかけることにした。……なんか、焦げたような匂いもするし。
    「えーっと……スノウ、ホワイト……? 大丈夫ですか……?」
     仰向けで天井を見つめた状態のまま、スノウが口を開く。
    「オーエンが激おこでの。不意を突かれてしもうた」
     なるほど。犯人はオーエンか。
     うつ伏せで床を見つめた状態のまま、ホワイトが続いた。
    「本当に見てないのにね。我らそこまでデリカシーないわけじゃないもん」
    「ただカードがかわいいの波動を感じただけだもんね」
    「かわいいの波動……?」
     謎の単語に引っ掛かりは覚えたものの、何となく状況を察する。カードを通して覗かれているのではないかと疑ったオーエンに強襲された、といったところだろう。……彼らの態度を見れば疑ってしまうのも仕方がないような。
     然程ダメージがあるわけではないのか、二人はあっさりと立ち上がった。
    「オーエンちゃん、意外と気になる子は大切にするタイプみたいじゃの」
    「あと、独占欲つよつよなタイプじゃ!」
    「「かわいいー!」」
    「確かにそれはかわ……いや、やっぱりあんまり良くないですよ。こうやって楽しむのは……」
    「えー、賢者ちゃんだって結構楽しんでるくせにぃ」
     にやにやと見上げてくるスノウとホワイトに、罰の悪さを感じながら、晶は苦笑する。
     まあ、ちょっと浮わついた気持ちになっているのは事実なわけで。
    「それは……その、恋ばな、割と好きなんで、俺……」
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    aoihiro_68

    DONE媚薬を盛ってやったはずなのに気付かないカインに「まじかこいつ」ってなるオーエンの話です。本当はエッッッな部分も書く予定だったのですが間に合わなかったので全年齢です。いつかリベンジしたいです
    ロマンスなんかじゃない「なんだろう……ムラっとするな……」
     ベッドから上半身を起こした直後、無意識に口からこぼれ落ちた言葉。身も蓋もないその内容に、カイン・ナイトレイは苦笑いをした。昨夜、散々そういった行為をしたばかりだというのに。……否、その時の熱を――自分にしては珍しく――まだ引き摺っているのだろうか。
    (昨日は微妙に酔ってたしな……。オーエンがシャイロックから変わった酒を貰ったとかで)
     薄い桃色の甘いような苦いような、不思議な飲み口の酒だった。オーエンから晩酌の誘いがあること自体大変珍しいことで、つい飲み過ぎてしまった自覚がある。
     そのオーエンはというと、既に姿はない。朝早く任務に出掛ける予定があると言っていたので、カインが寝落ちるとすぐに出ていったのだろう。まあ、予定の有無に関係なく彼が朝まで部屋にいることはほとんどないのだが。ベッドの下に脱ぎ散らかしたはずのカインの衣服が、ぐしゃぐしゃの状態のまま布団の上に乗せられていた。相変わらず微妙に律儀な男だ。
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