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    第24回 ラーヒュン1d1w
    お題:マフラー

    戦後、山奥で二人暮らしのラーとヒュンです。
    獣を追ったり、野菜育てたり自給自足生活をしてる設定。

    出かける前に 夜が明ける少し前。
     毛皮、塩漬けの肉、葉物の野菜と干した果物が少し。広げれば店代わりになる敷布。それから小銭。
     ヒュンケルは背負籠に詰めた荷物を確認しながら言った。
    「本当に行かないのか」
    「今日はいい。刃物の手入れをしたい」
     ラーハルトは机に短剣と鉈をならべ、刃こぼれの確認をしている。
    「じゃあ、早めに切り上げて日暮れ前までには帰る。たくさん売ってくるから」
    「ああ、今日は冷えるから持っていけ」
     差し出したのは丸い玉が連なった長いマフラーだ。黒、茶色、灰色と様々な色の毛玉でできている。
    「作ったのか」
    「鍋にしたウサギたちからの贈り物だ。試しに巻いてみろ」
    「温かい。すごいな、お前の手は。なんでもできる」
     思わぬアイテムの登場で明るい表情のヒュンケルの顔をじっと見ると、ラーハルトは椅子から立ち上がった。素早く、刃物と砥石をまとめると、壁にかけた外套を羽織った。
    「やはり俺もいく。町に一泊すれば帰り道を気にしないですむ。宿が満室なら、町の外で火を焚いて、あるだけの布にくるまって寝てもいい」
    「いいな、それ。旅してた時みたいだ」
     間もなくして、二つの人影が山道を下る。雲ひとつない空が東から柔らかな赤に染まりはじめた。

    《終》


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    Replies from the creator

    recommended works

    和花🌼

    DONE夏祭りワードパレットを使用したリクエスト
    7 原作
    ・帰り道
    ・歩調を落として
    ・特別
    ・あっという間
    ・忘れられない

    暑苦しいほど仲良しな二人を楽しんでいただけたら嬉しいです。
    夏祭り 7(原作) 夏祭りといえば浴衣を着て、友人や家族、それに恋人なんかと団扇で顔を仰ぎつつ、露店を横目で見ながら、そぞろ歩きするのが醍醐味というものだ。それに花火も加われば、もう言うことはない。
     だが、それは祭りに客として参加している場合は、である。
     出店の営業を終え、銀時が借りてきたライトバンを運転して依頼主のところに売り上げ金や余った品を届け、やっと三人揃って万事屋の玄関先に辿り着いた時には、神楽はもう半分寝ていたし、新八も玄関の上がり框の段差分も足を上げたくないといった様子で神楽の隣に突っ伏した。そんな二人に「せめて部屋に入んな」と声をかけた銀時の声にも疲れが滲む。暑いなか、ずっと外にいたのだ。それだけでも疲れるというのに、出店していた位置が良かったのか、今日は客が絶え間なく訪れ、目がまわるような忙しさだった。実際のところ、目が回るような感覚になったのは、暑さと疲労のせいだったのだが、そんな事を冷静に考えている暇もなかった。
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