キスする星昴22カ所 #7【首筋】【首筋:執着】
「ちょっと、待ってください。だめです、ぁ、こら」
指の長細さが一番の魅力である、筋張った手の平が、星史郎の胸をぎゅうぎゅうと遠慮なしに押しやる。それを厚い胸の筋肉でもって、むっちり受け入れてやって首を伸ばした。
伸ばした先で目標とするのは、手と同様に筋をはっきり浮かばせる昴流の首筋。耳の下から鎖骨にかけて、すらりと芯が通っているそこは、少年と呼ぶべき頃なら、女の子と見紛うお淑やかな肌身であった。青年となればかくも艶やか、筋の張った筋肉を清楚に謳って美しい。
どの年代の昴流も大好きであり、いつでも、いまが一番だ。
「昨日のお返しですよ、昴流くん」
「せいしろうさん」
叱られた子犬が出す、情けない甘え声に似た音色。星史郎は助けを求めるようなそれにもなんのそのと、美味しそうに浮いた筋へ唇をつけて。口唇の合間より覗かせた、清雅な白い前歯を薄い首筋の皮膚に当てると、じゅうっと勢いよく吸い込んだ。
1977