どさり、どさり。
食材がたっぷり入った買い物袋二つをテーブルに置いて、ふぅと一息つく。
要冷蔵のものを手早く冷蔵庫に仕舞って、それから温かいカフェオレを入れて、テレビを点けてお昼のニュース番組を流し見する。束の間のゆっくりしたひと時を堪能して。
「…さて、そろそろ始めますか!」
僕は張り切って台所に立ち、晩ご飯の支度を始めた。
何故僕が昼間の早い内から夕食の準備をしているのか。単刀直入に言えば傑に食べてもらう為だ。
高専時代からの親友で、何よりも特別な存在で、大好きな人。その傑は最近激務続きで疲れてヘトヘトの状態だった。
万年人手不足なのは仕方ないと割り切れるけど、だからって一人にばかり負担がかかるのはいただけない。相手が傑なら尚更だ。
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