IT社長の藍湛×優秀秘書の魏嬰「‥‥!」
魏嬰は目を覚まし、勢いよく起き上がる。全力で駆け抜けたようにハァハァと息が上がる。隣で眠っていた藍湛が不自然な呼吸音に気づき、体を起こした。魏嬰の様子がおかしい。落ち着かせるように優しく魏嬰を抱き寄せた。
「どうした?」
「は‥‥っは‥‥あれ、ここは‥‥?」
「ここは私と君の寝室だ。何か…悲しい夢でも見たのか?」
「俺のせいで…大切な人が…江家の人たちがたくさん亡くなったんだ…それで、俺は色んな奴から恨まれるようになって…」
魏嬰の涙を指で拭ってやり、抱き寄せた背中をさする。
「なぁ、今はいつだ?みんなは生きてるのか?」
「2021年10月31日。君の誕生日だ」
「…そっか、…そうだった‥‥」
「誰にも恨まれていない。江家は君を大切にしている。そして今日は私達の家族、友人を招いて祝うと決めた。これは覚えている?」
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