「俺以外に知ってるやついる?」
ワクワクとした表情が僕を見る。エディはこんなにも幼い顔をしていただろうか。彼も僕と同じでヒーローというものには興味のある若者なのかもしれない。
彼の言葉に反応して瞬時に浮かんだのは親友の神経質そうな顔だった。
ハリーは僕がスパイダーマンだと知っている。知っている、というよりかはバレてしまったのだ。あの時のハリーもエディと同じくらい口をポカンと開けて僕を見ていた。
エディと違ったのはハリーが怒ったということだろう。
「なんで隠してたんだ!」
耳に響く声で怒鳴られ、心臓が縮こまる。そんな言い方ないじゃないか。僕は大切な人を思って隠してきたっていうのに。そう言えばまた、大切に思うならちゃんと言うべきだとか、俺のこと信用してないのかとか言ってくる。ぶつぶつ文句を言われるのが嫌で、あれからしばらくハリーには会っていなかった。
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