○○しないと出られない部屋[セックスしないと出られない部屋with目金兄弟]
「ねえ噓でしょ何で僕たちなの?!」
「この部屋に来てから腕時計の針も止まっちゃいましたね。つまり外の時間は止まったまま?……はっ、まさかここは精神と時の部屋でもあるのでは!?」
「ツッコミどころ絶対そこじゃない……ねえ兄貴、どうしよう?」
「うーん、そうですねえ。……この部屋におけるセックスの定義が何かは分かりませんが、恐らくどちらかがモノを後ろに挿入されれば条件はクリアでしょう」
「うん……」
「例え挿れるものが何であろうと」
「うん?」
「そこで先程この部屋で見つけたのがこちら、遠隔オナホです」
「うん???」
「どうやらこれ、二次創作でよく見る設定と同じく、対象者の中と繋げられるみたいです。流石セックスしないと出られない部屋。製作者のどうしようもない癖を感じますね!後はこれを一斗のナカに設定し、勃った君のモノを挿れるだけ。いやあ、我ながら中々いいアイデアを思いついたものですよ。これならどちらか一方が負担を背負うだけで済みますからね!」
「……いや、あの、兄貴。僕それ、やなんだけど……!」
「あーあ、一斗は泣き虫ですねえ。だーいじょうぶですよ。僕だって君のモノを勃たせる手伝いをしますし、この部屋の事だって誰にも言ったりしません。だから、安心して下さい」
「いやだから、そういう事じゃ……!」
「一斗。少しでも早くこの部屋から出られるよう、おにーちゃんと一緒に頑張りましょうねぇ~」
「ひっ……!」
(誰かー!早くここから出してーーー!!!)
[ver芸夢と目金]
「嘘ですよね何で僕と芸夢君が!?」
「おいおいマジかよ……。……っおし、メガネケツ貸せ」
「言うと思いましたよ絶対に嫌です!君の思い切りの良さは美徳ではありますがもう少し提示された条件以外の手段を試そうとは思わないのですか!?」
「そうは言っても、俺たち非力なんだから力づくでどうにかするのは不可能だろ」
「それは、そうなのですが……」
「おし、分かったらさっさと済ませるぞ」
「だから早いんですよ!芸夢君は僕とする事には抵抗は無いんですか!?あと何で当たり前のように僕が下なんですか。僕童貞よりも先に処女を散らしたくありません!」
「……お前、俺相手に勃つのか?」
「そ、れはあ……勃、たない、でしょうね……」
「俺はAVを脳内再生させたらお前をその女優だと思い込むことが出来る」
「嘘でしょ……」
「つー訳だ。やるぞ」
「うう、まさか僕のハジメテがこんな形で散るだなんて……」
「野郎同士の行為なんざノーカンでいいだろ」
「僕は芸夢君の様にそう簡単には割り切れないんですよ……。あーあ、どうせボトムに回るなら僕の事を好いてくれてる相手としたかったなあ」
「……その条件ならクリアしてるからさっさと寝ころべ」
「はいはい。……ん?え、芸夢君、今さらっと重大な事実暴露しませんでした?」
「気のせいだろ」
「いいや確かに聞きました。え?何時ですか?芸夢君はいつから僕のこと好きになったんです?!」
「うるっせえなあ!どうでもいいだろそんな話」
「どうでもよく何かありません!僕のモチベに関わってくる話なのですから一から十まで話してもらいますからね!」
[ver萌目]
「いやあまさかこんな摩訶不思議な部屋に閉じ込められるなんてねえ強引には出られなさそうだし困ったものだねいやあ困った」
「いや漫画君率先して扉開きましたよね?突如現れた扉に驚くまでは僕と同じ反応でしたけど扉に記された条件を見るや否や僕の手を掴んで飛び込んで入りましたよね?」
「……出られない部屋って突然閉じ込められる以外のパターンもあったんだね」
「気持ちは分かりますが今はそこに感心している場合ではありませんよ漫画萌先生」
「……それでさあ。このままだと僕たちずっとこの部屋に閉じ込められちゃうけど、どうする?」
「……。役割は指定されていませんし、別にどちらがトップに回ってもいいわけですよね?」
「嘘でしょ僕こんな特殊な状況下で初めて君に抱かれるの?」
「冗談です。冗談なのですが……漫画君、僕たち久し振りに何のしがらみも無いオフの時間を過ごしていましたよね?」
「え?ああうん、そうだね。僕がようやく原稿から解放されたから二人でイチャイチャしてたね」
「……イチャイチャは置いておきますが」
「わー、目金君照れてる可愛いー」
「うるさいですよ!……ええとですね。つまり!僕たちは貴重な時間をやりくりして二人の時間を過ごしていたわけです。それを踏まえてですが。漫画君、この部屋に入ってから時計の針が動かなくなりましたよね」
「へ?……あ、本当だ!」
「片方の時計が動かなくなっただけなら故障の可能性も考えられますが、僕の時計も動きを止めました。となるとつまり、この部屋で過ごした時間は外の世界では存在しないものとして扱われるのではないでしょうか」
「……つまり、イチャイチャし放題ってこと?」
「仮説が正しいものなら」
「……。あー僕疲れが溜まってるからかすぐには出来そうにないかもー」
「おや、それは大変ですねえ。急いであの立派なベッドの上で休まなくては」
「そうさせて貰うよ。……ふふっ、目金君」
「何ですか?」
「僕ら二人の気が済むまで、いーっぱい遊ぼうね」
「……この部屋で歳を重ねるのだけは勘弁願いたいですかね」
「!……っはは!そうだねえ。そうなる前には、出なくちゃね」