夜の時間近づく足音で李斎は目覚めた。
長椅子に座り月を見ていたがいつのまにかうたた寝をしていたらしい。
衝立から驍宗が現れると同時に李斎は立ち上がる。
「遅くなった」
すまない、と言いながら李斎をそっと抱きしめる。
「いいえ」
驍宗の香りを受け止めながら李斎は首を振る。
「お食事は?」
「済ませた。後は李斎と寝るだけだ」
驍宗は少し屈むと李斎を抱き上げる。
李斎は驍宗の首に腕をまわし頭を彼の肩に預けた。
驍宗が歩き出すと李斎の靴が片方だけ落下しことんと床が鳴る。
驍宗は気にせずそのまま寝台へと李斎を連れて行く。