Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    miyu_hoshiya

    @miyu_hoshiya

    書いたものを投げるところ

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 28

    miyu_hoshiya

    ☆quiet follow

    安室×風見のカフェパロ4

    ##安風

    【ワンドロ】オレの大切な人たち【放っておけない】 とある組織へ潜入していた諸伏景光の幼馴染は、組織壊滅作戦の折に負ったケガが原因で警察官という職を辞している。今ではほぼ元の体調に戻ったようだが、どうにも雨の日には動きが鈍くなっているように感じる。
     組織が壊滅するまで潜入捜査官としてバリバリ働いていた幼馴染も、今では探偵兼カフェのオーナーだ。三つの顔を使い分けていた頃よりは落ち着いているのだろうが、万全とは言い難い体になった幼馴染に、兼業はやめた方がいいと再三言ったが、幼馴染に景光の助言が聞き入れられることはなかった。
     幼馴染と共に壊滅作戦へ参加していた景光は、現在警視庁捜査一課に配属されている。上層部は当初景光を公安部から異動させる気はなかったが、退職し探偵となった元警察庁警備局警備企画課 (ゼロ)との接点を持たせるために異例の異動が決定された。
     こういった経緯もあり、景光は休日おきに幼馴染のもとを訪れ、手伝い(監視)をしているのだ。

    「零(ゼロ)、やっぱり一人じゃ無理があるよ」

     モーニング終了後、テーブルの上を拭きながら景光はキッチンでランチに向けての準備をする安室を見た。安室は手元から目を離さないまま口を開く。

    「……いや、こうして景光(ヒロ)がたまに手伝ってくれるだけで充分助かってるよ」
    「でも……」
    「まぁ、もう一人自分が居たらと思うことはあるけど」
    「零(ゼロ)がもう一人かぁ」

     己の懐へ誰とも知れない人間を入れる事への躊躇はよくわかるが、本当にこれで良いのだろうか。旧知の人間との連絡が絶たれた今、本来の幼馴染の姿を知っているのは景光だけだ。
     どうにか偶然接点ができないかと幼馴染を現場へ定期的に呼び出しているが、警備部機動隊の二人と同じ現場になることはほぼないうえ、景光と同じ警視庁刑事部捜査一課に所属する伊達とも何故か再会させることを果たせないままでいる。
     おそらく、安室が故意に会わないよう動いているのだろう。
     景光がどうしたものかと頭を悩ませていると、スラックスのポケットへ入れていた携帯端末が着信を告げた。液晶画面にはブラック企業で忙しくしている先輩の名前が表示されている。

    「あ、零(ゼロ)ごめん」
    「構わないよ」

     景光は店舗から出ながら着信のボタンをタップした。

    「風見先輩、お久しぶりです!」
    『あぁ、久しぶり』

     久々に聞いた先輩の声は覇気が無く、沈んでいるように感じた。これは何かあったのだと思い、景光は携帯端末を耳へ強く押し当てる。

    『……諸伏、今日時間あるか?』
    「すっごく暇してたところですよ」
    『そうか、急で申し訳ないんだが今から会えたりしないか』
    「今すぐ行きます。先輩、今どこにいます?」

     景光は先輩の居場所を聞き出すと、急いで安室の待つカフェへと戻る。

    「ごめん、零(ゼロ)! ちょっと大学の先輩のとこ行ってくる!」
    「何かあったのか?」

     荷物を置いているバックヤードへ駆け込みながら景光は「何かあったみたい」と叫ぶ。景光との交流が続いている大学の先輩といえば、彼が慕っている風見という人間だろうと安室はあたりをつけ、荷物を抱えて出ていく景光の背中へ声をかけた。

    「僕にできることがあったら何でも言ってくれ」
    「ありがとう、いってきます!」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👍💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    KaraageMitsu

    MOURNING #ルクヴィル版ワンドロワンライ60分1本勝負


    【秘密】


    時間内に書けなかったので。




    *****************
    『願いが叶う赤いリンゴ』

    それは、伝統あるポムフィオーレの寮長が、代々受け継ぐものの一つ。

    「ヴィル、少し話があるんだけどいいかな?」

    外の仕事から戻ってきて、そろそろ一時間ほど経っただろうか。
    恐らくこれぐらいの時間であれば、ヴィルの白く美しい肌を保つための入浴を済ませ、柔らかな表現を可能にするためのストレッチも終えた頃合い。

    留守の間にあったことを報告するために、彼の自室を尋ねるが一向に出てくる気配がない。

    「ヴィル?」

    私の隣にあるヴィルの部屋の扉が開く音がしたのは、一時間前の一度きり。
    つまり、再び出かけたとは考えにくい。

    …となれば、残された場所は一つ。

    鏡台の一番高いところに成る艶やかで美味しそうな赤い禁断の果実。
    その果実に手を伸ばし、優しく撫でるとゆっくりと沈み込みカチっと何かにはまる音がする。

    「やはりここにいたんだね、ヴィル」
    「…ルーク」

    姿見の後ろの壁に隠された小さな小部屋。
    そこにヴィルはいた。

    願いを叶えるリンゴがもたらしてくれるのは、大釜や珍しい薬品など。
    願いを叶えるために最終的には自らの努力が必要という辺りが我が寮に相応しい部屋だ 1286

    KaraageMitsu

    DONE『名前を呼ぶ声』
    #ルクヴィル版ワンドロワンライ60分1本勝負





    ****************
    「で、今日はどこで油を売ってたわけ?」
    「オーララ。そんな険しい顔をしていては、せっかくの美貌に翳りが出てしまうよ?」
    「…誰のせいよ」

    明日の寮長会議に提出するために、今日中に仕上げなくちゃいけない書類があってルークを呼んでいたのに……。

    「私のせいかい?」

    きょとんと大きく目を見開き小首を傾げてみせるルークに、思わず口から漏れるため息で肯定をしてしまう。

    「つい、珍しいものがいたから、学園の外の森まで追いかけてしまってね」
    「外で暴れたなら、アタシの部屋に来る前に、きちんと身をきれいにしてから来てるわよね?」
    「もちろんシャワーは済ませてきたよ。キミと約束していたから、これでも急いで駆けつけたのだけどね…」

    約束をしていた時間は3時間前のことで、ルークは来ないと判断して仕方なく一人で山積みの資料を纏めて一枚の企画書を作り終え、いつもより遅くなったストレッチとスキンケアを手は抜かずに、けれどなるべく急いで済ませ、後はベッドの中で身体を休ませるだけといったところだったのに…。

    「…アタシは、もう寝るから」

    部屋から出て行ってと少し睨みつけるような視線を投げかけていたけれど 1344