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    hozumiya

    @yoru_h_i

    書いたものを投げるところ

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    hozumiya

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    昨日、忙しさを言い訳に聞き流していたドラマCDちゃんと聞いたら、想像の斜め上(いい意味で)方向に向かって和解してるさまささがいて、私はどうしたらいいのか分からなくなった。

    ##さまささ

    【さまささ】距離感バグモンスター 簓はマンションのエントランスにあるインターフォンを押そうとしていた指をぴたりと止めた。
     ふぅ、と小さく息を吐き、カバンの中を漁る。カバンの内ポケットに仕舞っていたキーケースを取り出し、自分の家のモノとは違う鍵を鍵穴へと差し込む。手首をひねると、特につっかかることもなくくるりと回った。そして、固く閉じられていた自動扉は開錠する音を立て、静かに開いた。

    「ほんまもんかい」

     呆れを含んだつぶやきを漏らしながら、簓は導かれるままマンションの中へと入る。
     ガキ扱いがどうとか、暴力がどうとかで仲直りをしたんだかしていないんだか分からないまま、距離について悩んでいたところに突如投げてよこされた鍵。左馬刻の意思を掴みかね、簓は「これ、なんや?」と尋ねた。

    「俺の家の鍵」

     当然の顔をして宣う相手に、お前の距離感はバグっとんか? と声に出しそうに……否、実際に口から出ていた。

    「は? なんで合鍵?」
    「ねぇと不便だろ」
    「いや、別に。なんも不便なことあらへんよ」

     そもそも合鍵貰うような仲とちゃうやんと言うのは、簓自身の胸へナイフを突き立てるようなものなので控える。ただ、恋人でも家族でもない人間にこんなにも簡単に鍵を渡してしまう左馬刻の危機管理能力に不安を覚えた。

    「ロケとかでこっち来ることあんだろ?」
    「それはそうやな」
    「なら持っとけ」

     左馬刻は一度言い出したら聞かないところがある。突っぱねて返しても「持っとけって言ってんだろ」と口の中にねじ込まれかねない。ねじ込まれないにしても、鍵に紐を通して首からさげさせられる可能性は十二分にある。
     鍵っ子と化した己の姿を想像して、簓は頭をぶるぶると横へ何度も振り、その光景を脳裏から追い払った。

    「あんまホイホイこういうの人に渡さん方がええと思うで」
    「誰がウチの鍵をそこら中に撒くンだよ」
    「え? 飴ちゃんみたいに配っとる本人が言うか?」
    「あ? テメェ、俺様が考えなしにこれ渡したと思ってんのか?」
    「深い深いお考えがある方は、鍵を最近よーやくまた話すようになった人間には渡さんからな? 鍵渡すっちゅうことは、俺がいつお前ん家行ってもええって言っとるようなもんやで」
    「だー、うるせえ! いいから次来るときはそれ使って入ってこい!」

     ついに左馬刻は体を翻し簓に背を向けると、のしのしとその場から離れて行ってしまった。その場に残されたのは重過ぎる鍵と、状況についていけない簓だけだった。
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    recommended works

    KaraageMitsu

    MOURNING #ルクヴィル版ワンドロワンライ60分1本勝負


    【秘密】


    時間内に書けなかったので。




    *****************
    『願いが叶う赤いリンゴ』

    それは、伝統あるポムフィオーレの寮長が、代々受け継ぐものの一つ。

    「ヴィル、少し話があるんだけどいいかな?」

    外の仕事から戻ってきて、そろそろ一時間ほど経っただろうか。
    恐らくこれぐらいの時間であれば、ヴィルの白く美しい肌を保つための入浴を済ませ、柔らかな表現を可能にするためのストレッチも終えた頃合い。

    留守の間にあったことを報告するために、彼の自室を尋ねるが一向に出てくる気配がない。

    「ヴィル?」

    私の隣にあるヴィルの部屋の扉が開く音がしたのは、一時間前の一度きり。
    つまり、再び出かけたとは考えにくい。

    …となれば、残された場所は一つ。

    鏡台の一番高いところに成る艶やかで美味しそうな赤い禁断の果実。
    その果実に手を伸ばし、優しく撫でるとゆっくりと沈み込みカチっと何かにはまる音がする。

    「やはりここにいたんだね、ヴィル」
    「…ルーク」

    姿見の後ろの壁に隠された小さな小部屋。
    そこにヴィルはいた。

    願いを叶えるリンゴがもたらしてくれるのは、大釜や珍しい薬品など。
    願いを叶えるために最終的には自らの努力が必要という辺りが我が寮に相応しい部屋だ 1286

    KaraageMitsu

    DONE『名前を呼ぶ声』
    #ルクヴィル版ワンドロワンライ60分1本勝負





    ****************
    「で、今日はどこで油を売ってたわけ?」
    「オーララ。そんな険しい顔をしていては、せっかくの美貌に翳りが出てしまうよ?」
    「…誰のせいよ」

    明日の寮長会議に提出するために、今日中に仕上げなくちゃいけない書類があってルークを呼んでいたのに……。

    「私のせいかい?」

    きょとんと大きく目を見開き小首を傾げてみせるルークに、思わず口から漏れるため息で肯定をしてしまう。

    「つい、珍しいものがいたから、学園の外の森まで追いかけてしまってね」
    「外で暴れたなら、アタシの部屋に来る前に、きちんと身をきれいにしてから来てるわよね?」
    「もちろんシャワーは済ませてきたよ。キミと約束していたから、これでも急いで駆けつけたのだけどね…」

    約束をしていた時間は3時間前のことで、ルークは来ないと判断して仕方なく一人で山積みの資料を纏めて一枚の企画書を作り終え、いつもより遅くなったストレッチとスキンケアを手は抜かずに、けれどなるべく急いで済ませ、後はベッドの中で身体を休ませるだけといったところだったのに…。

    「…アタシは、もう寝るから」

    部屋から出て行ってと少し睨みつけるような視線を投げかけていたけれど 1344