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    kusaka_dr

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    赤い退治人をねらい撃ち!3
    のTwitter/タイーツの企画 #0808赤い退治人さん24時 に参加するつもりで書き始めたものの、通りすがりのモブで収まらず、ロナルドくん以外の人たち(モブ含む)によるロナルドくん観測日記になってしまいました。ドラロナです。
    企画の趣旨とは外れてるし、ただの雑文ですがなんとか着地できたので、上げます。
    ロナルドくんお誕生日おめでとう!!!!!!!!!しあわせであれ!

    #ドラロナ
    drarona

    8月8日ロナルドくん。00:22 【残業終わりモブ子】:ヴァミマ

    仕事が遅くなった。もーやだ。
    もうこんな時間だけどがんばった自分にご褒美しちゃお!ってヴァミマでハイカロリーごはんとスイーツ買ってレジ打ち待ってたら、ビックリするくらいキレイな顔した退治人さんが同業?らしき人たちと入店してきた。赤いジャケット、暑くないのかな。ヴァミからこそ美味いだ、ヴァミチキが正義だ何だって小競り合いしてて、微笑ましかった。なんていうんだろう、男子校ノリ?ってかんじ。仕事中かな、終わったのかな?私も明日もがんばろう、とちょっとだけ思えた。


    01:00 【ツンヨコ署当直受付モブ】:シンヨコ警察署
    あ~さすがにこの時間は、ヒマ。でも仕事だから寝ちゃいけない、わかってるって。ほら、夏だし、アレだろ、人もいないのに勝手に自動ドアが開いちゃったりしてさ~ってつまんない妄想してたら、吸対の…見た目ほんと女の子なんだけどさ、副隊長のヒナイチさんが入ってきた。
    彼女も仕事中だ。慌てて立ち上がって、おつかれさまです、って声をかけたら、彼女のすぐ後ろに、やたら派手な色のジャケットを羽織り、同じ色のハットを被った、まるでゲームの世界から出てきたようないでたちの退治人。と、彼に俵みたいに担がれたおじさん。彼はまずぺこり、とこちらに会釈してから、吸血鬼騒ぎじゃなくて良かったじゃん、とヒナイチ副隊長に声をかけた。彼女は心底申し訳なさそうに、それなのに手伝わせてすまないな、と言った。吸対が出動したのに空振りだったらしい。あっ嫌な予感。ヒナイチ副隊長は今度はこちらを見て言った、「こんな時間にすまないが、引き継ぎを――」
    あ~ヒマだとか自分でフラグ立てちまった。はいはい、仕事しますよ。おじさんは何した人かな。
    にしてもあの退治人、衣装もだけど見た目も芸能人みたいだったな。なんだっけホラ、なんとかいう本とか出してる人じゃなかったっけ。


    04:30 【カメ谷】:ロナルド退治人事務所の近くの路上
    吸血鬼退治人を追ってると、必然的にこっちの生活時間も彼らと似たようなものになる日が多い。今日は、とある退治人の密着取材!と称して仕事について回っていたが、正直どう味付けしたものか、というような地味でかつそのくせやたらバタバタした夜だった。いやいちばん大変だったのは退治に奔走した彼らこそなのだが。恩恵を受けるばかりのいち一般市民として頭が上がらない。

    夏の夜は短い。明るくなり始める空の下、荷物をまとめて帰宅の途につこうとしたら、見慣れた赤い退治人服が目に入った。
    声をかけると、こんな時間まで動き回ってさぞ疲れているだろうに、先に労いの言葉をかけられた。いやお前がだろ、むかしからそういうところは変わらない。
    今日は大変だったみたいだな、と返すと、間食に食ったヴァミチキが秒で消化されたわ、と笑っていた。名は体を表すとはよく言ったもので、お日様みたいな、という比喩がぴったりの笑顔。
    いつも隣にいる痩せっぽっちの吸血鬼の所在を訊ねると、いつも勝手について来るくせに今日はやりてぇことがあるからっつって来なかったんだわ、と少し不服そうに零した。
    …ああこれは、今年も忘れてるんだな。相変わらず自分のことにはまるで頓着しない男。少しあの吸血鬼に同情する。もう寝てっかな、と言いながら拗ねた子供のような顔をしている。
    あの吸血鬼が彼の家に転がり込んでからというもの、あのきれいで優しい笑顔を覆う、どこか見えない隔たりのような、張り詰めていた何かがずいぶん薄らいだ気がする。何者でもいい、この不器用で真っ直ぐすぎる男の救いになっているのなら、何よりだと思う。
    別れ際、おつかれ、帰ったらちゃんとすぐ寝ろよ、と声をかけた。ありがとう、と返した彼は、相変わらず太陽みたいな笑顔だった。


    05:00 【ドラルク】:ドラルク棺桶
    いいかげん空が白んでくる気配がして、若造の帰りを待たずに棺桶に入った。イマイチ眠気が来なかったためゴロゴロしていると、事務所のドアの鍵をガチャガチャする音が薄い壁越しに聞こえてきた。程なく扉が開く音がする、若造が帰ってきたらしい。灯りが消えているのを見て遠慮したのか若干控えめな足音はクローゼットの方に向かい、洗面所の方に消え、割とすぐにこちらに向かってきた。棺桶のそばで気配が止まって、きし、蓋の上に何か寄っかかっている気配。
    「ドラ公、寝てんの」
    珍しくあからさまに構ってちゃんな声をしている。
    「寝ようとしてた もう明るいもの」
    「そうだな」
    そっけないセリフに拗ねた色が見えたので、ふたを開けて、きょとんとする若造の腕を引いたら、棺桶に転がり込んできた。勿論、私の腕力じゃない、半分は若造の意思だ。
    そのままふたを閉めて閉じこめる。死なないように多い被さってくる若造の体温が熱くて、こっそりエアコンの温度を下げた。暗闇の中、困り顔を真っ赤にしてるのも、銀の睫毛が震えてるのも、昼の青をたたえた瞳も、薄く開いた口も、すぐ近く。
    「…寝るんだろ」
    「君がかまってほしそうだったから」
    「そんなこと、ね……っん、」
    素直じゃない口を塞ぐ。物欲しげに緩む口元を舌でこじ開けて、中をてろてろと舐めてやると、合間に甘い声が洩れて、悦ぶ身体を抑えるように、控えめに身を捩った。
    ひとしきり唇を貪った後、首から胸元へするすると唇を這わせて、インナーの上からも明らかに膨んだ突起をやわく食んだら、今度はあからさまに身体が跳ねた。
    「あ、も、こら、風呂、入ってねぇから、汚ぇ、って、っあ、」
    「えっちな匂いがするよ」
    「ばっ…か、」
    ちゅく、ちゅく、ふくらんだ突起を舌で転がして、甘噛みして、きつく吸って、片方は指で弄って。若造はあっという間にふにゃふにゃになった。かわいくて仕方ないけど、今日はこれくらいにしないと、と手を止めてもういちどキスをしたら、若造から、ごめん、寝るじゃまして…と、半ば逃げるように棺桶を出て行った。閉めた蓋の上から、おやすみ、と声がした。照れて怒ったみたいな顔が目に浮かぶ。ああ、今晩は、どんな顔を見せてくれるんだろう。

    11:00 【キンデメ】:居住スペース
    眠い。起きたくて起きているわけではない。できれば、寝直したい。だがここの住人たちは騒々しいものが多い。今もそう。
    ここの家主であるロナルドが起きたらしい。キッチンの方から、セロリを目撃した時に上げる例の音もとい悲鳴がして、我輩の睡眠は強制中断された。
    ぶつくさ文句を言う声によると、どうもキッチンにいつの間にか置いてあったサブ冷蔵庫に気づき、中身を確認しようとしたらセロリ在中注意と書いてあり、本当か嘘か分からないから中身の確認を断念したらしい。まあ、ドラルクの仕業だろう。状況はわかった、とりあえず、これ以上起こしてくれるな。

    12:00 【半田】:ラーメン屋
    昼休みだ!今日は昼番だ!気分がいい。
    今日はおか…母が友人たちと旅行に行っているから、お弁当がない!ので、久しぶりにラーメンを食べに来た。
    席について程なく、すぐ近くからうげっ、という失礼な声が聞こえた。ロナルドだ。珍しい。
    昼時で混んでおり俺の隣しか空席がなく、ロナルドは不承不承という体でそこに腰を下ろした。つくづく失礼なやつだ。
    そわそわしているのでどうしたのか聞いたら、セロリがいつ飛び出すかわからんと言う。バカめ。俺も誕生日くらいは敵にも優しくする。もしやコイツ、自分が誕生日であることに気づいていないのか?
    セロリの気配がないことに安心したらしいロナルドは、なんで昼に出勤してんの?などと聞いてきた。バカめ!昼に仕事する者がいないとどうやって他の部署の人や役所の人たちとやりとりするのだ!と言うと、さも合点がいったかのように、なるほどな!と言う。バカだが素直なので許してやる。
    そういえばドラルクは日頃からやたらコイツの食事の面倒を見たがっているが、今日はどうしたのだろう。
    「は?飯?いやアイツ寝てるし。いやまあ大体作り置きがあるけど…っていうか聞いてくれよ、アイツなんでか今日は事務所休みにしろって駄々こねて聞かなくてさ」
    ああ、本当にコイツは何も気づいていないぞ、ドラルク。
    「それとご飯と何の関係がある」
    「休みにしてやるからたまには好きなもん食わせろって言った」
    ドラルクはああ見えてコイツにはめちゃくちゃ甘い。たしか食事もいつも好物か少なくとも口に合うものばかり作って貰ってなかったか、コイツ。
    「…で、ここなのか」
    「おう。ほんとはジョンと来たかったのにさ~今日はジョンもまだ寝てて…」
    流石にため息を禁じ得ない。同情するぞ、ドラルク。
    「…貴様はもう少し日々ごはんを作ってくれる人に感謝をした方がいい」
    「どうしたの、急にまともなこと言って」
    「俺はいつもまともだバカめ!!!!!」
    「おまちどおさま、醤油豚骨大盛りチャーシュー倍盛りと餃子」
    「うむ、いただきます!」
    「なんなんだよ~~」
    そう、いつものことだ。お前のことを気にかけているのは周りばかりで、本人はまるで無だ。
    いつか、そうでなくなる日が、来るのだろうか。


    19:00 【宅配配達モブ】:ロナルド退治人事務所
    夜に花を届けることは珍しくない、が、その届け物はそうしょっちゅうあるようなものではなかった。365本の真っ赤なバラの花束。両手で持てば抱えられるようにアレンジしてある。
    こんなくっそ気障な思い切りのいいもん頼む奴の顔も見てみたいし、貰う相手も気になった。
    想像していた方面ではなかったので住所をナビに入れて、車を走らせた。そもそもあて名に店の名前がなく、意外だとは思っていたが、あれ、本当にこれ、合ってるか?ナビは駅もほど近く、飾り気のない、けして新しくはないオフィスビルの前で終わった。部屋番号をポストで確認すると、吸血鬼退治人事務所の屋号が書かれている。何度確認しても、合ってる。まあいいか、間違ってればすぐ分かるだろ。
    階段を上がって、呼び鈴を押す。中で何かを言い合う声がしている。男の声が、2人分。あれ、マジで合ってる??不安になってきた。自分が出るから待ってろだの、俺が近いから俺が行けば良いだのいう声が聞こえたんだが、何???
    はいはい、すみませんお待たせして!というその片割れの男の声とともに、ドアが開いた。
    わ、美人。男だけど。すげえデカくて美人な男が出てきた。合ってる?ねえ、合ってる???いつでも謝れる体勢を取りながら、お届け物なんスけど~ちょっとデカくて…と置いていた箱から花束を出そうとしたら、奥から今度はビックリするくらいガリガリのおじさんが飛び出してきた。あれ、これ吸血鬼のひと?退治人事務所のなんか奥から出てきたけど???
    「ええいだから私が受け取ると言ってるだろうこのきかん坊5歳児!」
    「別にどっちだっていいだろうが!それにデカいって言ってるし尚更俺の方がいいだろ!」
    「お荷物、こちらなんスけど~…」
    とりあえずデカいのと渡してしまいたいので、目の前にいた銀髪の美人さんに、花束を渡した。
    「ああ~~~ッッッ!!!!!」
    おじさんが失敗した!!!!!という顔をしている。しまった。届け先は間違ってなかったし、もしや今俺は全力でサプライズクラッシャーしてしまったのか。
    「え?え??え??????」
    一方うっかり俺なんかにクソデカバラの花束を渡されてしまった銀髪の美人さんは、動揺やらようやく何かを察したのやらで目を白黒させながら真っ赤になっていた。
    必死の形相で近づいてきたおじさんが美人さんから花束を横取りして――おじさんが花束持った瞬間急に塵になったから、心臓飛び出るかと思った。塵はみるみる間におじさんの姿に戻り、思ったより重いな!と言った。もしかして、花束重くて死んで、一瞬で再生したの??おじさんマジすごくね?????
    「なに??これ、なに???」
    美人さんは動揺しすぎてるのか鈍感なのか、まだ状況が掴めずオロオロしていた。ちょっとかわいい。
    「だから!ああもう、このニブニブニブ男!!!」
    「なんなんだよ!」
    美人さん訳わかんなさすぎてキレてるよ、おじさん、がんばれ。
    「お誕生日おめでとうロナルドくん!!!!!!」
    「………!!!」
    ………おめでとう。がんばったな、おじさん。俺、ちょっと感動しちゃったよ。大変だな、おじさん。美人さん、マジでその言葉聞くまでなんも理解してなかったよ。がんばってくれよな、おじさん。
    ちょっと目元が涙で滲んだ美人さんは、マジで破壊力抜群だった。ちょっと息止めて見ちゃったね。
    でもさ、俺、今気付いたんだよ。
    「あの~………」
    「「なに!!!!!」」
    すっげ、ユニゾンのキマリ方半端ねえ。夫婦かよ。あれ、夫婦だったのかも。

    「受け取りのはんこ、ください………」

    2人揃ってそれはもう気恥ずかしそうにしながら(俺、ちゃんと空気になれてたよ。さっきまではさ。今、完全に水ぶっさしちゃったけど。)、はんこを押してくれ、お見苦しいところをお見せしました、とめちゃくちゃ謝られた。いえいえこちらこそ気が利かなくて、ごめんなさい、と謝って、ああでも、このまま謝ってこの場を去るのはなんだか違う気がして、つい、こう、言ってしまった。

    「おしあわせに!!!」
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    kusaka_dr

    DONE赤い退治人をねらい撃ち!3
    のTwitter/タイーツの企画 #0808赤い退治人さん24時 に参加するつもりで書き始めたものの、通りすがりのモブで収まらず、ロナルドくん以外の人たち(モブ含む)によるロナルドくん観測日記になってしまいました。ドラロナです。
    企画の趣旨とは外れてるし、ただの雑文ですがなんとか着地できたので、上げます。
    ロナルドくんお誕生日おめでとう!!!!!!!!!しあわせであれ!
    8月8日ロナルドくん。00:22 【残業終わりモブ子】:ヴァミマ

    仕事が遅くなった。もーやだ。
    もうこんな時間だけどがんばった自分にご褒美しちゃお!ってヴァミマでハイカロリーごはんとスイーツ買ってレジ打ち待ってたら、ビックリするくらいキレイな顔した退治人さんが同業?らしき人たちと入店してきた。赤いジャケット、暑くないのかな。ヴァミからこそ美味いだ、ヴァミチキが正義だ何だって小競り合いしてて、微笑ましかった。なんていうんだろう、男子校ノリ?ってかんじ。仕事中かな、終わったのかな?私も明日もがんばろう、とちょっとだけ思えた。


    01:00 【ツンヨコ署当直受付モブ】:シンヨコ警察署
    あ~さすがにこの時間は、ヒマ。でも仕事だから寝ちゃいけない、わかってるって。ほら、夏だし、アレだろ、人もいないのに勝手に自動ドアが開いちゃったりしてさ~ってつまんない妄想してたら、吸対の…見た目ほんと女の子なんだけどさ、副隊長のヒナイチさんが入ってきた。
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    DONE赤い退治人をねらい撃ち!3
    のTwitter/タイーツの企画 #0808赤い退治人さん24時 に参加するつもりで書き始めたものの、通りすがりのモブで収まらず、ロナルドくん以外の人たち(モブ含む)によるロナルドくん観測日記になってしまいました。ドラロナです。
    企画の趣旨とは外れてるし、ただの雑文ですがなんとか着地できたので、上げます。
    ロナルドくんお誕生日おめでとう!!!!!!!!!しあわせであれ!
    8月8日ロナルドくん。00:22 【残業終わりモブ子】:ヴァミマ

    仕事が遅くなった。もーやだ。
    もうこんな時間だけどがんばった自分にご褒美しちゃお!ってヴァミマでハイカロリーごはんとスイーツ買ってレジ打ち待ってたら、ビックリするくらいキレイな顔した退治人さんが同業?らしき人たちと入店してきた。赤いジャケット、暑くないのかな。ヴァミからこそ美味いだ、ヴァミチキが正義だ何だって小競り合いしてて、微笑ましかった。なんていうんだろう、男子校ノリ?ってかんじ。仕事中かな、終わったのかな?私も明日もがんばろう、とちょっとだけ思えた。


    01:00 【ツンヨコ署当直受付モブ】:シンヨコ警察署
    あ~さすがにこの時間は、ヒマ。でも仕事だから寝ちゃいけない、わかってるって。ほら、夏だし、アレだろ、人もいないのに勝手に自動ドアが開いちゃったりしてさ~ってつまんない妄想してたら、吸対の…見た目ほんと女の子なんだけどさ、副隊長のヒナイチさんが入ってきた。
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