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    はぱまる

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    はぱまる

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    ふと思いついたから書きました。お昼休みのいっときです。

    #つかみず

    花占い「好き、嫌い、好き、嫌い……」
    「何やってるんだ」
    「あ、先輩」
     お昼の時間。珍しく学校に来ていた瑞希は花壇のそばにしゃがみ込み、萎れかけた花の花弁をプチプチとちぎり取っていた。通り掛かったらしい司が空のお弁当箱を手に瑞希の隣にしゃがみ、手元を見つめる。
    「花占いか?」
    「そだよー。好き、嫌い、好き……あー、嫌いで終わっちゃった」
    「奇数の時は好きから、偶数の時は嫌いから始めると好きで終わるらしいぞ」
    「そうなんだ。でも一々花弁の数なんて見てないよー」
     笑いながら瑞希は花弁の取れたそれをポイと投げ捨て、また新しく萎れかけの花を手に取る。
    「先輩もやってみる?」
    「類に怒られそうだから辞めておく」
    「あー、案外好きだもんね、類」
     また、好き嫌いと言いながら花弁をちぎり取っていく。
    「……誰のことを想定してやっているんだ?」
    「ん? いや、特に相手はいないよ。暇潰しにやってるだけ」
    「そうか」
    「好き、嫌い、好き……あー、また嫌いだってー。しょげる〜」
    「残念だな」
    「ね〜。もしかして花に嫌われてたり?」
     なんてね、と笑って手元を見つめる。花弁がもがれ無惨な姿の茎が一本、指に回されくるりと回転する。同様の有様な茎と共に地面に散らばる鮮やかな花弁たちが、悲惨さを態々演出しているようにも見えた。
     嫌われるのも仕方がないのかもしれない。所詮そういう人間だ。それでもやりたいことをやる。所詮そういう人間だ。
    「もう一回やろっかな」
     花弁の取れたそれを投げ捨て、また萎れかけの花を摘む。
    「オレは暁山のこと好きだぞ」
     ぷちりと細い茎が千切れる。
     チャイムが鳴る。
     スッと立ち上がった司はそのまま校舎の方へ駆け足に去っていく。
     花を見つめていた瑞希は、同じように立ち上がり、司を追いかけた。
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    はぱまる

    MAIKING書き掛けで放置してあった互いに成り代わる🌟❄️です。滅茶苦茶中途半端なとこで終わる。
    その内完成させたいとは思ってるんだけど、暫く手をつけられそうにないから今の状態を投稿してみます。
    完成させるなら今書いてある部分にも修正を加える予定。書いたの結構前なのもあって本当変えたい部分が沢山ある……。けど、まあ、これを読んでもし「ここ好き!」ってなったところがあったら教えていただけると嬉しいです🥳
    死に代わり 雨が降っていた。
     雲が重く空にのしかかり、空気さえも暗い都内は雨音ばかりで何処か静かにも思えた。
     雨が降っていた。
     傘も刺さず、少女は歩道橋から道路を見下ろしていた。
     雨が降っていた。
     道路には幾つもの車が水溜りを蹴飛ばしながら走っていた。
     雨が降っていた。
     少年が傘を握り締め歩いていた。
     雨が降っていた。
     少女が手摺りによじ登った。
     雨が降っていた。
     少年が少女に気がついた。
     雨が降っていた。
     少女は手摺りの向こう側で、ゆらゆらとしていた。
     雨が降っていた。
     少年は傘を投げ捨て走っていた。
     雨が降っていた。
     少女の体が揺れ、揺れ、ガクンとバランスを崩した。
     雨が降っていた。
     少年が少女を追った。
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