現パロ鯉月SS たまたま起きていた。たまたまスマホの通知に気が付いた。
『起きていますか?』
たった一言送られてきたラインに鯉登は即座に返事をした。
『起きている』
その返事にパッと既読が付く。画面の向こう側にいる月島はスマホの文字入力が遅いので、ここからが長い。『どうした?』とか『明日は早くないから大丈夫』とか追加のメッセージを送りたくなるが、それをグッと抑える。返事を書いている間に追加でメッセージを受けるとそれに対する返事でまた時間がかかるのだと、知っているから。窘める口調で鯉登を見上げた月島の顔を思い出す。両手に収めたくなる、苦い表情の顔。鯉登はトーク画面を開いたまま、吐きそうな気持ちで待っていた。つい三日前に、思いの丈を告げて、まだ返事を聞いていないのだ。とはいえ、また十日後に会う約束を取り付けていた。だから、話をするのはその時だろうと少し気を抜いてたのだ。やっぱり会いたくもない、など言われたら? 知らずのうちに額を抑えていた鯉登の元へ、新しいメッセージが届く。
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