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    こたなつ(ごゆ用)

    @natsustandby

    しぶに置いてある話の番外編が主。
    予告なくひっそり加筆したり消したり。

    いつも応援ありがとうございます。
    ニヤニヤしながら創作の糧にしていますもぐもぐ。
    ぴくしぶ→https://www.pixiv.net/users/1204463

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    POIPOI 8

    突発ごゆ短編

    恋人とは甘えるものである・謎原作平和軸で付き合ってるごゆ
    ・ツイで呟いた話が元です
    ・あまーーーーーーい!
    ・本当に推敲なし&短時間クオリティなので誤字脱字は無視で
    ・熱が出た苛立ちをゆじにぶつけるために書いた話なので雑ですサーセン





     五条先生と付き合い出してから、俺は色んなことを知った。
     デートの待ち合わせはメシ前の犬よりソワソワして先生が現れるまで何回も時間と場所を確認してしまうとか、ふとした時に目が合うと嬉しさより照れが先にくるとか。あと、大人と子供の身体の差とか、触れてくる手が熱いとか、先生の舌が長いとか…なんかそういうやつばっかになったけど。とにかく、色々と知った。
     その中で一番びっくりしたことは、アレだ。
     恋人ってのは、甘えるもんってことだ。


    「部屋♡ってこれだけ送ってくるんだもんなあ」
     最初はそりゃもうびっくりした。「え、これ先生の部屋に来いってこと?それとも俺の部屋にいろってこと?」って困惑したし、恐る恐る先生の部屋に行ったら行ったで、先に帰ってた先生に「なかなか来ないからフラれたのかと思ったじゃん!」と軽く怒られた。
     その後も先生は俺にべったりで、ことあるごとに「あれして」「それやだ」「そっちがいい」「トイレ以外で離れるの禁止」と甘えてきた。いや、最後のは何か違う気もするけど。
     正直、俺は物凄くびっくりした。あの先生が!?ってのもあるけど、そもそも「恋人」がこうやって相手に甘えるもんだってのもその時初めて知ったのだ。
    「先生、今までもこんな感じだったん?」
     あまりにびっくりして聞いてしまった俺に、先生は首を振った。
    「僕の初めての恋人は悠仁だから比較対象がないね」
    「え……じゃあ、世間的には?」
    「どうかな。個人差はあるだろうけど、でもまあ、このくらい普通じゃない?」
     先生はケロリとそう言った。
     マジか。そうなんだ。恋人ってこんなに甘えてもいいんだ。それが許されるもんなんだ。
     初めて知ったその事実と、その特別感に衝撃を受けたし、正直言ってドキドキした。自分が先生の甘えられる相手になったことが嬉しくて堪らなかった。

     そんなこんなで今はこういうことにもすっかり慣れた。もう迷わずに職員寮の先生の部屋で待っていられるし、大抵のことに「はーい」で応えられる。我ながら順応早いけど仕方ない。だって先生に甘えられんの結構好きだし。
    「あのでろ〜ってした顔が好きなんだよなあ。先生だから許されてるんだろうけど…っと、そろそろ帰ってくるかな」
     連絡が来てからすでに三十分。大体いつもこのくらいで帰ってくる。どうにも落ち着かなくてソファから立ち上がり、ドアを気にしていた時だった。
    「悠仁ィ〜!」
    「うおっ!」
     勢いよく開いたドアから先生が入ってきて、そのままの勢いで俺に突進してきた。来ると分かっていたから受け止められたけど、たぶん伏黒や釘崎とかなら吹っ飛んでる。
    「おかえり、先生」
    「ただいまぁ!もうつっかれたぁ!」
     やる気出なーい働きたくなーいとないないを繰り返す先生に笑いつつ、ぽんぽんと背中を撫でた。
    「お疲れ先生。とりあえず座らん?」
    「え〜じゃあ膝枕してよ」
    「……硬いよ?」
    「それがいいんじゃん」
     と言われても。絶対女の人の柔らかい太ももの方がいいだろうに。
     ソファの端っこに座ると、すぐに先生が横になって頭を乗せてきた。ポイっと目隠しが放り出され、ちょっと疲れ気味の目元が出てきた。
    「先生、今日はマジでお疲れだね」
    「そーなんだよ〜今日はマジで移動が多くてさあ。横浜で一件祓ってそのあと名古屋に移動して浜松と静岡と熱海で一件ずつ討伐って馬鹿じゃない?新幹線かよ」
    「こだまかな?」
    「ひかりも一部停まるけどね」
    「もしかして先生って新幹線とか飛行機の運行時間に詳しい感じ?」
    「いつも乗るのはもう覚えちゃった。出張多いサラリーマンより詳しいよ?」
    「マジでか。えー大変だったな先生」
     心なしかいつもより輝きが少ない頭を撫で回す。それでも十分サラサラだし、いい匂いもした。イケメンずるい。
    「よすよす」
    「あ〜〜〜年下彼氏の膝枕よしよしきくぅ……」
    「んふ、それ温泉入った時のやつじゃん」
     可愛い。普段の飄々としてる感じとはまた違って、大人の男の人なのに可愛く見える。ほんとずるい。
     ちょっと悪戯心が芽生えて、ほっぺたをぎゅむっと潰してみた。
    「やば。これでも変顔にならんてどういうこと?」
    「ふふん、ごめんね顔面宝具で」
    「もっと潰しちゃろ」
    「こらこら。……ね、どうせならこのままキスしてよ」
    「なっ…んで、そうなんの」
    「えーだって両頬挟むのって映画じゃキスの基本じゃん」
     だから。ねえ。ほら。
    「ゆーじ」
    「っ……」
     ずるい。そんな声で呼ばれたら言う通りにしちゃうじゃん。
     ん、と分かりやすく目を閉じてキス待ちをする先生の唇に、俺は身を屈めてキスした。軽く触れるだけのやつ。でも、それで先生が止めるはずもなくて。
    「ゆーうじ。一緒にお風呂入ろ」
     ね、と優しく促されたら、俺はもう頬を染めて頷くしかなかった。


     と、まあこんな感じで先生は結構甘えてくる。付き合う前からスキンシップは元々多い方だったけど、付き合ってからは尚更だ。
     俺はそれを素直に可愛いと思うし、甘えてくれて嬉しい。それだけ心を許してくれてるんだろうなって。
     でもそうなると一つ気になることがある。
     恋人に甘えるのってどんな感じなのか、だ。
    「つってもなあ……俺が甘えるとかフツーにキモいもんな」
     何せゴツいゴリラの男だ。先生と違って綺麗な顔をしてるわけでもない、ただのガキ。
    「ううーん……でもちょっと、試してみたい」


     なんて思ったのがきっとフラグになったんだろうか。
     俺は見事に風邪を引いた。数年に一度しか引かない結構重めのやつだ。
     授業も任務も休み、家入先生の「よく飲んでよく寝なさい」に従ってベッドの住人と化していた。机の上には伏黒と釘崎、それから先輩達からの差し入れが並んでいる。治ったらお礼しなきゃ。

     コンコン。ヒューヒュー。
     静かな部屋には俺の咳や喉の音しかしない。寂しいもんだ。でも風邪を引いた時なんてそんなもんだろう。
     少なくとも俺はいつもそうだった。もちろん爺ちゃんは看病してくれたけど、その爺ちゃんに風邪を移したくなくて俺から遠ざけていた。
     だから今のこの状況だって慣れたものだ。大丈夫、多分、きっと。

     枕元でブブッとスマホが震えた。短いから多分メッセージだろう。となると相手は先生が最有力候補だ。
     先生はいま出張中だった。「今度は九州一周なんだよ。合間で観光しなきゃやってらんなーい!悠仁も行く?」と数日前に誘われた。流石にこれには応えられずに首を振ったけど。
     その先生に最後に連絡を取ったのは確か昨日の夜だ。もうちょっと喉が痛かったから電話じゃなくてメッセージにした。わりと無難なやつで、先生からも短い返事が来ていたはず。
    「うぅ〜……」
     唸りながらスマホを手に取る。いつもならパッと取れるけど、高熱のせいで関節が痛いし頭も重いから動きが鈍い。こういう痛みは苦手だ。腹に穴開く方がまだ我慢できる。
     のろのろとスマホをタップして、やっぱりメッセージが来ているのを確認した。送り主も予想通り先生だ。
     でも、出来たのはそこまでだ。とても返事をする気力がない。というか指が震えていてまともに文字が打てる気がしない。無理だわこれ。

     ごめんね先生。でも熱あるからさ、許してね。ん?あれこれもしかして先生に甘えてる?マジかよ初めてじゃね?マジかよこんな甘え方ってありなんかな。ま……いっか。

     重くなる瞼を下ろし、うつらうつらと意識を飛ばす。
     浮いて沈んで、また浮いて。熱が高すぎて熟睡したとは言えない。現実と夢の狭間ってやつ。しかもどっちにしても苦しい。
    「うぅ〜〜……」
     どうせ夢ならこういう痛いのとか辛いのは無しにして、もっと良いものだけ見せてくれたらいいのにな。
     そう、たとえば。

    「悠仁」
     そうそう。こうやって、先生を出してくれればいいのに。
     先生ーー俺の好きな人。五条先生。
     思い描きながら瞼を上げれば、そこにはその通りの人がいた。先生だ。
    「悠仁、大丈夫?」
     覗き込んでくる顔には目隠しがないから綺麗な瞳がよく見えた。晴れた空みたいな色だ。すげえな俺。あんまり見たことないのに、めちゃくちゃ先生の再現度が高いじゃん。やっぱ好きな人のことだからか?なーんて。
    「悠仁?」
     ぱちんぱちんと瞬きしても先生は消えない。長めの幻覚らしい。
     幻覚なら、夢ならいいかな。出来っかな。
    「……みず」
     熱で回らない舌を動かしてそう言ってみた。欲しい、とも、ちょうだいとも言っていない。ただの単語。でも先生は「オッケー」と軽く笑った。
    「水じゃなくて悠仁の好きなスポドリもあるよ。ほしい?」
    「……ん。だっこ」
     布団から片手だけを出して催促する。先生が笑った気がしたけど分からない。何せ視界はぐにゃぐにゃだ。
    「はいはい抱っこね。起こしますよー」
     ゆっくり、本当にゆっくりと優しく支えられながら身体を起こされた。俺重いのに。やっぱ先生凄い。あと解像度が高い。これは俺の頭が凄い。
    「はい、ドリンク。飲めそう?」
     飲める。というか飲みたい。どうせ夢だから意味ないけど。
     応える代わりにかぱっと口を開けた。
    「あ」
    「ッか、かわっ…!っと、じゃあ入れるよ。ゆっくりね」
     ちょろちょろと舌を通って喉の奥に冷たい液体が流れ込んだ。今は味覚が死んでてどんな味かわからないけど、多分甘い。ゴキュゴキュ喉を鳴らして飲み込む。
    「っゲホ…!ゲホッ、ケホッ…!」
     うまく通れなくて咽せた。苦しい。背中を丸めて咳き込んでいると、そこをトントンされた。
    「ゆっくりだっていったじゃん、もー。ほら、もう一回飲みな」
     同じようにボトルが差し出されたからゆるく首を振った。だって、それじゃ同じことを繰り返すだけだ。違う方法がいい。
     また「あ」と口を開けて待った。気分は雛鳥だ。はやく欲しい。
    「うーんどう控えめに言ってもエロいんだよなあ。もうこんなのフェラ三秒前じゃん。もー仕方ないなあ、じゃああげるよ。甘くて美味しいのあげるからちゃあんと味わって飲んでね」
     先生が長々と話してるけどよく分からない。そんなことより喉が渇いて仕方なくて、べっと舌を出した。
    「っ…それ、僕が教えたキスのおねだりじゃん。しかもエロい方。マジかよ熱出した時の悠仁ってこんなやばいの?嘘でしょもう絶対外に出さねぇかんなこのエロガキめ」
     ぶちふち言いながら先生に口付けでドリンクを注がれた。凄いな、夢なのに冷たくて気持ち良い。再現度やば。
     気の済むまで味わい終わると、目の前はグラグラどころかぐわんぐわんしていた。
    「ごめんやりすぎた。あんまりにも悠仁が可愛くてつい……ごめんね」
     先生がまた俺の身体をベッドに横たえてくれた。俺の今の定位置だ。そのまま上から布団をかけられそうになり、俺はすぐ隣を視線で示した。
    「ここ」
    「……はぁい」
     一瞬間があったものの、先生はするりとベッドの中に入ってきた。抱っこ、と要求する前に先に抱きしめられる。あったかくて良い匂いがした。流石ほぼ毎日抱きしめられているだけあって完璧な再現度だ。流石俺。
    「硝子は今夜がピークだろうって言ってたから、もうちょっとの我慢だよ。いや我慢できるかこれ」
    「しー」
    「あ、はい」
     静かになった代わりにドクドクと耳に音が届く。先生の心臓の音だ。
    「ん……すき……」
     スリスリとその胸元に身を寄せる。正直もう限界だった。どうせこれで起きたらまた一人だろうけど、でも良い夢を見れたから多少マシな気分で起きられるはずだ。
    「せんせぇ……?」
     でもどうせならもう少し気分良く現実に戻りたい。そう思って視線で問いかけてみると、先生がびっくりするくらい優しく微笑んだ。
    「好きだよ。悠仁、だぁいすき」
    「んふふ……」
     望み通りの言葉にくふくふと笑い、俺はいざ夢から醒めようと目を閉じた。
    「いやこれもう新手の拷問じゃん。もうやめて、先生の悟クンのライフはゼロよ。……って寝てるし。マジか悠仁……お前、」



    「可愛い甘え方すんのな」
    「……え?あれ、先生……え?え?」
    「ははっ、すっごい混乱してるね。大丈夫?」
     開けたばかりの目の前でフリフリと手を振られる。指が五本、いやちょっとブレてるし八本くらいに見えるかも。
    「最強の僕も指は五本しかないかな」
     真面目に返されたけどいやそうじゃない。混乱しながらも寝起きの頭を働かせ、精一杯目をぐるりと動かす。やっぱり自分の部屋のベッドの上だ。でも、じゃあ。
    「なんで、ここに先生が…?」
    「悠仁に呼ばれたからだよ。ほらこれ」
     先生が握るスマホのメッセージ欄には確かに「部屋」とあった。送った側じゃない。先生が受け取る側で、差出人は俺だ。
     この場合の意味は「俺の部屋に来て」ってことで。
    「覚えない……」
    「やっぱり?じゃあ昨日のことは?」
    「昨日……え、あれ夢じゃ…」
    「現実だね」
     ピシャーンと雷が落ちた。少なくとも、俺の脳内では。
    「いやあ悠仁の甘え方ちょー可愛かった!抱っこ、とかここ、とか単語なの最高だし、口移ししたくて舌出して誘っちゃうし、上目遣いで『好き』とか甘えた声で言われたらもう可愛くてアレコレヤっちゃいそ、」
    「わあ〜〜〜〜〜!!無理無理!やめてやめてもう忘れて!全部忘れて!」
    「え〜無理。六眼でばっちり見たし、脳内再生余裕でーす」
    「じゃあ殴ってでも忘れさせる!」
    「物騒だなあ。別に良いじゃん、甘えてみたかったんでしょ?」
    「っ…!」
     あっさりと図星をつかれて黙り込む。デリカシーとか無い人なのは知ってたけど、そんなズバッと言わんでもいいのに。まあ本当だけどさ。
     ぐぅと唸る俺を先生はニコニコと笑い、俺の頬を両手で潰してきた。
    「あはっぶちゃいく可愛いねゆーじ」
    「っ…どうせぶちゃいくだよ」
    「えーぶちゃいく可愛いだって。後半が大事なの。で、甘えてみてどうだった?」
    「……それ言わせる?」
    「んふふ。照れてんの?可愛いなあ。でも悪いけどまだ終わってないからね」
    「へ」
     頬を潰していた手が緩んだ。
    「今日は悠仁をとことん甘やかすって決めてるから。どんな我儘にも付き合ってあげるし、なんでも叶えてあげるよ。ああでも一応言っとくけど、受け取らないって選択肢は無し。トイレ以外で僕から離れられると思わないでね?」
    「なん……ま、まじで、言ってんの…?」
    「んふふ。マジでーす。僕、恋人甘やかすのって初めてなんだけど頑張るからね♡」

     それは確かに本当だった。本当にトイレ以外は五条が付きっきりでめちゃくちゃに甘やかされた。最後の最後、悠仁は真っ赤な顔で「もう無理!これ以上は勘弁して…!」と泣いたが、五条は「僕の恋人がかンわいい〜」と上機嫌に笑っていた。


    「ヤバい。年下の恋人を甘やかすのにハマりそう」
    「マジやめて!俺人間として生きていけんようになるから……って先生!それもいいなって顔せんで!」


    END




    懺悔…
    本当はもっと最後のくだりを書きたかったけど時間もないので……いつか書けるといいなあ。
    ちなみにゆじぴの甘え方は大体ごじょの踏襲です。そこも含めて全てをごじょに教わってるのがごゆの醍醐味だと思っている。あとごじょは半分くらいはゆじのため(ゆじが甘えやすいよう)に意図して甘えてます。大人だからね。けど残りの半分はガチで甘えてます。大人だけどね。
    ワンドロ目指して書いたけど約2時間半かかりました、色々遅筆には無理でした。知ってた!
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